にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【落語】らくごらま 染二☆シアター 第一幕

2013年01月27日 | 落語会
らくごらま 染二☆シアター 第一幕

-演目-
笑福亭呂竹さん「寄合酒」
林家染二さん「帯久」
 仲入り
ボルトボルズ「漫才」
林家染二さん「不動坊」

本年度のシリーズは落語はドラマだ!ということで、えっと・・・なんだろう?(爆)。だってフライヤーに落語はドラマだ!しかないんだもん。ま、つまり落語はドラマだからドラマのような落語をやるよってことなんだろう。で、今回のメインはきっと初演の「帯久」なんだろう・・・と思ってたら、なぜだかプログラムが入れ替わり「帯久」がトリじゃなくなっちゃった。
ま、とりあえず・・・。
出家した橋下徹と自己紹介なさった笑福亭呂竹さん。「ろちく」さんだそうです。すみません「ろたけ」だと思ってました。
ダメじゃん。次回新開地寄席でお世話になるのに・・・(^-^; これで覚えたからスタッフとして失礼なことにはならずに済んだね(笑)。「寄合酒」なぜか燗の当番が全部飲んじゃうシーンはありませんでした。時間の関係かな?この噺を聴くといつも嘉門達夫さんの替え歌「カツオ風味のふんどし」というのはこれから来たのだろうか?と考えてしまうんだか、そんなのは私だけだろうか?賛同者求む。

そしていきなり待ってました!の「帯久」。元は大岡政談だそうで、江戸ならそのまんま大岡様なんですが、上方なので西町奉行の松平・・・えっとなんてったっけ?ま、いいや。とにかく大岡様じゃあございません。だからかみそり左門様は出てきません。まあ、江戸版でも左門様は登場しないとは思いますが・・・と、ここわからない人はスルーして下さい。
しかしヤな奴だね帯屋久七。でも染二さんの久七は悪い奴なんだけど、まだなんとなく憎々しさが足りず、悪役俳優で言うと梅津栄さんくらいか。ここはやはり遠藤太津朗さんくらいまで行ってほしかった。とか言いながらも楽しみましたよ。面白かった。初演でこれなんですから、次聴くのが楽しみで仕方ないですよ。時事ネタもはさみ、大満足の「帯久」でした。トリネタではなくなったのが残念でした。

中入り後は漫才のボルトボルズさん。すみませんまーったく存じ上げませんでした。と言っても私テレビもほとんど見ないんで、もし売れていたとしても全然知らない状態だとは思うんですけどね。それと、実は私若手の芸人さん(落語家除く)って基本嫌いなんですよ(爆)。M1とかなんたらカーペットだとかは絶対に見ない。というヘンコな人間でして・・・(^-^; だから今回漫才がはさまってるのが実はネックだったんです。でも面白かった!←単純です(笑)。正統派のしゃべくり漫才だったし。二人の雰囲気もすごくいいし、松竹の人だし。売れるといいね。

トリネタは私の好きな「不動坊」。冬ならではのお噺。風呂屋での一人芝居も面白いんだけど私は屋根の上でのやりとりが好きだ。特にアルコール(笑)。なんかねぇ、こういうベタなの案外好きなんですよねぇ。アルコールとあんころを間違えるか!?っていうこのアホらしさがいい。面白いなぁ~と聴いてたら、あれ?オチが違う。あ、そっか・・・「遊芸稼ぎ人」「幽霊稼ぎ人」わかりづらいですもんねぇ。
「不動坊」も楽しんだんですが、やはり「帯久」をここに持ってきてほしかったなぁ~。というのが正直なところです。

でもこの「らくごらま」のシリーズ面白そうだ。出来る限り行きたいな。

-2013.1.26 天満天神繁昌亭-

【落語】第69回新開地寄席

2013年01月23日 | 落語会
第69回新開地寄席(2013.1.20 新開地まちづくりスクエア)
-演目-
桂雀太さん「商売根問」
林家笑丸さん「のざらし」
桂梅團治さん「荒大名の茶の湯」
桂雀三郎さん「かぜうどん」

ボランティア参加4回目。もうすっかり身内です(笑)。
ところが今回は大ボスが法事のため欠席。前回鳴り物はこうやって出すんだよと教えてもらったはずがすっかり明日の記憶状態。とりあえずこんな感じだったけか?と外に出すだけ出す。ま、どっちみちきっちりしたセッティングは鳴り物担当の噺家さんがやってくれるだろうと、ただ箱から出しましたよ状態。(^-^; それでも「なんてぇ置き方してやがるんだ?」なんて思われちゃ嫌なんで、セッティングに現れた雀太さんに、すみませんいい加減な出し方で・・・ととりあえず声をかける。紐をくぃ~っとひっぱって調律するんだ。初めて見て感動。こういう普段見れないものが見られるのもスタッフの特権だね。

今回梅團治さん。笑丸さんが新開地寄席初出演ということで、なぜだか2階の会場にまずやってこられる。会場の下見かな。スタッフやっててもあまり演者さんと接することがないので、なんか不思議だった。梅團治さんのお弟子さん・・・あ、お名前聞かなかったっけ?あまりのそっくりさからするとどうやら息子さんはフライヤーのセッティング手伝って下さるし、笑丸さんもご自分フライヤー椅子に置くの手伝われるし、雀太さんはなぜだか2階の開場前の受付の椅子で寛いでるし・・・。一瞬スタッフと勘違いしそうだったよ。

今回の入りは八十・・・えっと八だったけ?九十いったんだったけ・・・ま、そんなとこ。100行かなかったのが残念だ。

桂雀太さんの「商売根問」。初めて聴くはずなんだけど・・・あれ?雀を酔わせて捕まえる?江戸っ子の雀も出てくる・・・鳥の部分は聴いたことあるぞ!と思って調べてみると・・・なるほど「鷺とり」と一緒なんですね。トリの部分だけが「鷺とり」で他の商売も出てくるのが「商売根問」。最後に出てくる「ガタロ」「尻子玉」を抜くってことでカッパのことだとわかりましたが、「代書屋」で所謂どぶさらいみたいな仕事をする人をガタロって言うって出てきててそっちで覚えてたものだから一瞬「?」ってなっちゃったよ。そっか・・・川で仕事するからガタロ。カッパの方が先なんだね。

続いては笑丸さん。かれこれ一年落語聴いてますが、お名前もお顔も全く知らなかった。(^-^; なんだかんだ言いながら落語家さんっていっぱいいるんですねぇ。笑顔のさわやかな方で、どんな落語をなさるんだろう?と思っていたら、なんか独特の声でイメージと違ってたので驚きました。いやあ、さわやかーな感じの落語をされるのかな?と思っていたもので・・・。(^-^; 上方の「骨つり」は二度ほど聴いたことがあったんですが、江戸バージョンの「野ざらし」は初めて。「骨つり」の方が好きかな。

梅團治さんの落語を聴くのは今回が二回目。「荒大名の茶の湯」という噺は初めてで、あまりきれいな噺ではないと聞いてはいたんですが・・・確かに(笑)。最初はただただおかしい・・・ところがだんだん汚くなってくる。しかも登場人物が実在の人物。豊臣秀吉の家臣「豊臣七人衆」というんだから、壮大で汚い(笑)。加藤清正なんて最低です。でも面白かった!きれいな噺ではないけどお下劣じゃないからよかった。汚い?と聞いて一瞬嫌な予感してたんですが、こういうのだったらOKです。

トリの雀三郎さんは「かぜうどん」。これ生で聴くのは初めてなんですが、以前WOWOWの特番で枝雀さんのを聴いたことがあるんですよ。そして演者は枝雀さんの御弟子さんの雀三郎さん。期待度MAX120でした。期待通りに面白かった。まずは昔の売り声から。このマクラは最高です。これ生で聴けて幸せですよ。

今回もカメラマンを仰せつかって、前回イマイチな出来だったんで、今回はリベンジ!と臨んだんですが、ベストショットは逃したくないけど落語も聴きたい!というジレンマとの格闘でした。ま、前回よりはいい写真撮れたんじゃないでしょうかね。と言いながら結果は見てないんですけどね。(^-^;

次回 第70回新開地寄席は3月17日(日)午後3時開演。チケット代1,500円。
出演は桂雀三郎さん「天神山」桂文喬さん「悋気の独楽」桂雀喜さん「親子酒」笑福亭呂竹さん「牛ほめ」
お問い合わせご予約は078-576-1218まで。
目指せ集客100!いや、120!ということで、皆様のご予約をお待ちしております。

【映画】ゲキ×シネ『髑髏城の七人』

2013年01月12日 | MOVIE
ゲキ×シネ『髑髏城の七人』
作:中島かずき。
演出:いのうえひでのり。
出演:小栗旬。森山未來。早乙女太一。小池栄子。勝地涼。仲里依紗。千葉哲也。

本能寺での織田信長の死から8年。天下統一を目指す豊臣秀吉に対抗するかの如く関東に現れた天魔王と名乗る男の率いる関東髑髏党。わずかの期間で髑髏城と言う城を築城し、虐殺の限りを尽す。その関東で営まれる色街「無界の里」で女たちを束ねる無界屋蘭兵衛の前にふらりと現れた捨之介と名乗る奇妙な男。捨之介、蘭兵衛、天魔王、8年を経て動き出す三人の因縁。

これはもちろん劇場にも観に行っている。しかも!なんと1列センターという神席!と呼ぶべき神々しい席で観たんだ。堪能しましたよ。・・・が・・・。生ではないんだけど97年版、「アカドクロ」と古田さんの100人斬りのシーンみてるもんだから、小栗くんがんばってるけど、殺陣はしんどいよなぁ・・・という印象が残ってしまったんですよね。それでもこの『髑髏城の七人』という作品が大好きなんで、若さ溢れる。そして居並ぶ男前に色っぽい小池栄子さんというメンバーに酔った。ところが!生で観た芝居よりこのゲキ×シネの方が興奮したよ(笑)。小栗くんは生でももちろん男前なんだけど、こうして映像になるとより映えるね。小池栄子さんの色っぽさも映像の方が増す。無界の里の虐殺シーンには、舞台では泣かなかったんだけど、こちらではうるうるきちゃったよ。やはりアップでポーンって抜かれるし、より臨場感あふれるからだろうね。で、歴代狸穴二郎衛門の中で一番かっこいい千葉哲也さんは、舞台でももちろんかっこよかったですが、映像になるとシブさを増してました。アップの魅力ってやはり映像ならではなんですよねぇ。ここっていう表情をグン!って抜かれると物語のインパクトが増す。
『髑髏城の七人』は97年版、アカドクロ、アオドクロと三枚ともDVDを持っているのですが、このワカドクロもDVD出たら買っちゃいそうだ。いや、買うだろうな。(^-^; 
あ、でもここまで興奮して観られたのは、舞台を観ているからかもしれない。という気がしないでもないですが・・・。
舞台を観る。ゲキ×シネを観る。そしてDVDまで購入してしまう。完全に劇団新感線の商法に乗せられてるな(笑)。
ちなみに写真は梅田芸術劇場1列。神席でございます。


-2012.1.12 MOVIX堺-

【落語】第51回桂米二不定期落語会

2013年01月09日 | 落語会
第51回桂米二不定期落語会
-演目-
桂二葉さん 『子ほめ』
桂米二さん 『厄払い』
桂よね吉さん 『ちはやふる』
桂米二さん 『牛の丸薬』

仕事終わって走って、なんとか間に合う予定が、地下街からあがる階段間違えちゃって、ちょっと頭切れちゃった。(^-^;
ま、でもとにかく二葉ちゃんのネタおろしである「子ほめ」聴くことが出来た。途中間違えちゃったんだけど、噺の中の登場人物と重ね合わせるなんて技まで披露してくれるとは思いませんでした。なかなかやってくれます。

『厄払い』は初めて聴く噺で、おまけに昔はこんなことしてたんだ。と「厄払い」自体知らなかった。昔の風習を知ることが出来るというのも落語の面白さの一つですね。それにしても、この厄払いの文句。この時代は百人いたら九十九人は知っていたというセリフがあるんだけど、さて・・・今だったら何人知ってるんでしょうねぇ。

桂よね吉さんのマクラでは、米朝師匠の話が出てきたんですが、まさか米朝師匠が「名探偵コナン」が好きでご覧になられてたとはびっくりです。「犯人はあのおてったいさんやで」などと米朝師匠の解説付きで一緒にご覧になられてたとか、うらやましい。落語は有名な「ちはやふる」。「つる」「やかん」のいい加減な説明噺の本編のような噺です。
「ちはやぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くくるとは」有名な在原業平の歌ですが、さてこの歌の意味は?と聞かれてこの噺のように。ちはやにふられた龍田川という相撲取りが・・・って言うのも一興ですが、せっかくですから本当の意味を覚えておきましょう。ということで調べました。「不思議なことが多くあったという神の世の頃にだって聞いたことがない。
竜田川のきれいな紅葉が、流れる水を鮮やかな赤色の絞り染めにするなんて。」だそうです。これで一つかしこくなりました。落語ってためになりますねぇ。

『牛の丸薬』も初めて聴く噺だったんですが、この噺にも知らないものがいっぱい出てきます。まず大和炬燵。土で出来た炬燵って何よ?って感じだったんですが、コレだそうです。毎回ちゃんと用意していただいている落語の基礎知識に大和炬燵のことも書いていただいてたんですが、文字だけではわからなかったんですよね。写真見て納得。そして続いて出てきたのが「ホシカ」耳で聞いてるだけだと「干し草」のようなもののことかな?と思っていたんですが解説読んで納得「干鰯(ホシカ)」鰯なんですね。それで匂いが・・・って言う場面があったんだ。それにしてもうまいことだますもんです。遠い昔なら実際の詐欺に使えたかもしれません。面白い噺です。こういうの好きだな。それにまんまと村人をだました帰り道の片棒担がされた男が第一声を発するまでの間がいい。こういう場面の米二さんの間の取り方は絶妙ですよね。いやあ堪能した。

本年度初落語。さてさて・・・今年はどれだけ聴きにいけるでしょうか。

-2012.1.7 太融寺本坊-

【文楽】文楽初春公演 第二部

2013年01月06日 | STAGE
文楽初春公演 第二部

団子売
ひらかな盛衰記 松右衛門内の段
        逆櫓の段
本朝廿四考   十種香の段
        奥庭狐火の段

年の初めは文楽。これで何年目なんだろう?二部だから寿式三番叟が見られないのが残念だけど、この二部の演目も見ごたえ抜群でした。

団子売 これはたぶん初めて見るんだけど、三番叟と同じく人形の動きが激しい。そして三番叟と同じく初春のめでたい演目なんですね。歌舞伎でいうところの舞踏の演目になるのかな?人形が踊っちゃうんだからすごいです。
ひらかな盛衰記 松右衛門内の段。これも寺子屋と同じく、ひどい話です(笑)。しかもこちらは身代わりにしたくてしたわけじゃない。身分の高い人の命の方が大事・・・という極端な話でもないでしょうが、そうともとれるお話、案外多いですよねぇ。
逆櫓の段。これは以前CATVで歌舞伎版で見たことがあるんですが、立ち回りの多い派手な演目です。文楽でも派手でした。こういう人形の動きを見ていると本当に文楽ってすごいって思いますよ。
本朝廿四考 十種香の段、奥庭狐火の段ともに2回目。奥庭狐火の段があまりに素晴らしいんで、以前は幕見で再度観に行ったから三回目か。文楽でキツネが出てくるととにかくすごい(笑)。
今回は逆櫓で吉田玉女さん。奥庭狐火の段で桐竹勘十郎さんの派手で激しい見どころ満載な人形を堪能して、十種香の段では私の好きな吉田蓑助さんのかわいい八重垣姫が見られて、満足して文楽劇場を後にしました。残念なのは住大夫さんの浄瑠璃、長いこと聴いてないなってこと。今回は一部にご出演だったのかな。

WOWOWで元旦に放映された三谷文楽「其礼成心中」を見たあとだから、余計に文楽っていいなって気になりました。三谷さんが人形のことを「この人たち」って擬人化して紹介していて、その気持ちがなんだかこちらにもほっこりと伝わり、今回生で見ていて松右衛門の登場に「あ、もしかして近松門左衛門さんやってた人!?」なんて俳優さん見るような気持ちになっちゃいましたよ。

-2013.1.5 国立文楽劇場-

【舞台】『ミス・サイゴン』

2013年01月03日 | STAGE
『ミスサイゴン』
エンジニア:市村正親。
キム:新妻聖子。
クリス:原田優一。
ジョン:岡幸二郎。
エレン:木村花代。
タム:荒川槙。

1975年。サイゴン。爆撃で故郷の村と両親を失った少女キム。エンジニアの経営するナイトクラブに流れ着いた彼女はそこで、長引く戦争に心身ともに疲れ果てた兵士クリスと出会う。一夜の恋。それが永遠のものと思うかのように二人は愛し合い未来を誓う。陥落するサイゴン。二人してアメリカに行くはずが運命は二人を引き離す。キムの手に残ったのは、愛おしいわが子タムといつか迎えに来てくれるはずというクリスへの変わらぬ思い。そして1978年・・・。

2005年。私は一曲の歌に出会う。本田美奈子さんの歌う「命をあげよう」。そのきっかけは彼女の死だった。それまで私は本田美奈子という人は元アイドル歌手。ただそうとしか認識していなかった。ところがこの「命をあげよう」を聴いたとき、私の魂は震えた。素晴らしい歌声、そして心の叫びだった。私は本田美奈子さんのキムが見たかった。でもそれはもう無理な話で・・・。だからせめて『ミスサイゴン』という舞台だけは一度は見てみたかった。2008年、2009年と東京公演はあったんですよね。でもミュージカルの上演情報にはあまり縁がなく、全く知らないままで、昨年梅芸でこの作品のフライヤーを見つけたとき狂喜しそうになった。「やった!やっと見られる!」
念願かなった2013年1月1日。カーテンコールで市村正親さんは「仕事始め。そして大阪の楽です。複雑な心境です」とおっしゃってましたが、その二つの思いが重なった舞台は素敵なものでした。今回のキム役は新妻聖子さん。この方の歌も素晴らしい。でも何より驚いたのは市村正親さん。この方の舞台を拝見するのは今回が初めてなんですが、やはりすごい存在感です。歌は決してすごく上手い!という人ではないと思う(ファンの人ごめんなさい)。でもあの余裕というか、まだまだ余力ありますよというような感じの器の大きさ。今回のエンジニアもちろんよかったですが、ぜひシリアスなものも見てみたい!『屋根の上のヴァイオリン弾き』行こうかな。
物語は悲しいね。この物語の主軸はキムのメインの歌である「命をあげよう」これにすべてが集約されてるんですよね。ベトナム戦争はアメリカで数々の映画の題材になっている。その映画のすべてがつらいものしか残さなかったこの戦争を悔い、恨んでいるように思う。この作品を観て一番に思い出したのは『天と地』でした。『天と地』では米兵の夫と共にアメリカへ渡れる。『ミスサイゴン』と『天と地』は、あのヘリコプターに乗れるか乗れないか?のちょうど両極を描いているんですよね。でもあのヘリコプターに乗れたとしても・・・。
今回の新演出で博多と東京でしか上演されなかった本作がどこの劇場でも上演されるようになったということでの大阪公演。これからもまた再演される可能性が増えたということです。未見の方は機会があればぜひ。

-2013.1.1 梅田芸術劇場メインホール-