にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【文楽】開場三十周年記念文楽公演 第二部

2014年04月29日 | STAGE
開場三十周年記念文楽公演 第二部

通狂言「菅原伝授手習鑑」
三段目 車曳の段
    茶筅酒の段
    喧嘩の段
    訴訟の段
    桜丸切腹の段
四段目 天拝山の段
    寺入りの段
    寺子屋の段

以前は国立文楽劇場での公演はすべて行ってたんですが、落語に足を運び出してからすっかりご無沙汰です。今回も一年以上あいてるんじゃないかな。そして住大夫さんの舞台を見るのは二年ぶりくらいかも・・・。休演なさってたときもあったし、たまたま私が観に行く回での出番がなかったりしたんですが、なんと今回で引退だそうで、これはぜひ行かなければ!とあわててチケットをとりました。

「菅原伝授手習鑑」三兄弟というのは知ってましたが、それぞれに仕える先が違って別れ別れになるんですね。なるほど。
住大夫さん引退の演目は「桜丸切腹の段」。本当に久しぶりに聴く住大夫さん。やはり声量が落ちてらっしゃいますね。引退もやむなしなのかな・・・としみじみ。御年89歳。私が初めて住大夫さんの浄瑠璃を聴いたのは2007年11月。「曾根崎心中 天満屋の段」でした。私はもう何度も文楽足を運んでますが、未だに浄瑠璃の良し悪しなんてあまりわかってなかったりします。でも浄瑠璃聴いて初めて泣いたのはやはり住大夫さんの語った「義経千本桜 すし屋の段」でした。まだ引退なんて考えていない時期の住大夫さんの浄瑠璃を聴くことが出来た私は幸せでしょうね。そして今回幕引きの舞台も拝見出来て、よかったと思います。お疲れ様でした。

住大夫さんの浄瑠璃にしみじみとした後、桂米二さんがブログで解説してくださっていた「天拝山の段」。落語「牛ほめ」に出てくる「天角地眼・・・」というのが出てくるということで・・・でたっ!思わずほくそ笑んでしまった。
しかし菅丞相が火を吐くとは!文楽にもいろんな仕掛けがあるものです。面白かった!

続いて「寺入り」「寺子屋」の段。ここは文楽でも以前観ていますし、歌舞伎でも観ているから完全に物語はわかっているのですが、ここに落語のネタが2つ入っているは気づかなかった。来るぞ来るぞ!って違う楽しみが増えましたよ(笑)。

-2014.4.25 国立文楽劇場-

【舞台】スーパー歌舞伎Ⅱ『空ヲ刻ム者-若き仏師の物語』

2014年04月19日 | STAGE
スーパー歌舞伎Ⅱ『空ヲ刻ム者-若き仏師の物語』
作・演出:前川知大
十和:市川猿之助
一馬:佐々木蔵之介
鳴子:浅野和之
伊吹:福士誠治

山間の小さな村。凶作に苦しみながらも、村にある造仏所のおかげでなんとか生活している村人たち。造仏所の仏師の息子である十和は、宗教は貴族たちにいいように解釈され、仏像は彼らの道楽の一つに成り果てているように感じられ仏師としての仕事に身が入らないでいた。一方十和の幼馴染である領主の息子一馬は村人たちの窮状をなんとかしたいと思い年貢を減らしてもらえないかと役人に訴えるが全く相手にされず、村人を救うためにと都で官吏の道を選ぶ一馬。村を離れる一馬を見送ったあと十和は怒りに任せた行動から村を離れることになる。やがて二人は都で再会することになるが・・・。

初体験のスーパー歌舞伎です。私は基本、歌舞伎にしても普通の舞台にしても好きな俳優が出ているか出ていないかで見るか見ないか決めているので、スーパー歌舞伎っていうのにはあまり興味がなかったんですよね。ところが今回はなんとイキウメの前川知大さんの本だという。イキウメは数年前に『散歩する侵略者』を一度見ただけなんですが、この作品がすごく面白く、その後のイキウメの評判も耳にしていたので、「作、前川知大」というのに非常に惹かれ、ましてや浅野和之さんまで出るんだからこれはぜひぜひ行かねば!と思ってました。
これは見に行って正解!第一幕から楽しかった。第一幕は物語の導入部なのでそんなに派手ではないんですが、狂言回しの役割の浅野和之さんが地味な舞台の流れをいいように引っ張ります。口上の場面からすでに物語の進行役として動き、舞台上での着替え。「誰か手伝って」と出てきた黒子さんたちに「おお!黒い妖精たち」歌舞伎ではなく完全に普通の芝居です(笑)。緩和剤のような存在としてラストまで見事に観客をリラックスさせてくれます。
物語は復讐譚でも勧善懲悪のヒーロー物でもなく、若き青年の苦悩と成長という基本的には地味なものです。が、この地味なはずの物語が歌舞伎という形を取ることにより、派手でカッコイ物語になるんですよね。これはすごい。もう第三幕なんてやりたい放題のド派手な演出となります。まず、十和が彫ったという仏像の開帳場面で、どんな仏像が?と思って扉が開かれると一気に吹き出し舞い上がる木くず・・・に見立てた紙片なんですが、ここで「うおぉ!」と高揚感が高まり、続いて宙乗り、そして圧巻の殺陣!楽しかった!もう一回見たいくらいの気分でしたよ。
そうそうタイトルは「空(そら)を刻む者」なんだけど、これって「空(くう)を刻む者」の意味だったんですね。深いなぁ。
それと筋書きを買ったんですが、普通の舞台のパンフのように稽古写真が入っているのがなんだかすごく新鮮だった。

-2014.4.12 大阪松竹座-

【落語会】第55回 桂米二不定期落語会

2014年04月13日 | 落語会
第55回 桂米二不定期落語会
-演目-
桂優々さん「延陽伯」
桂米二さん「田楽喰い」
桂歌之助さん「しびんの花活け」
桂米二さん「愛宕山」

落語会のために午後休をあてる。いいファンだよ私(笑)。
ということで13時半で仕事を終了して「アナと雪の女王」を観に映画館へ。素敵なミュージカルに感動して頭の中を流れるのはずっと「Ler it go」(笑)。
初米二さんの友人と合流してミュージカル好きの米二さんの落語会へ。

優々さんの「延陽伯」は二回目。本当に一所懸命なおしゃべり。好感のもてる若手さんです。

米二さんの「田楽喰い」も二回目。なんでも本当は「寄合酒」とセットの一本のお噺だとか。「寄合酒」で結局酒も肴もダメにしちゃった若い衆たちが兄貴の家に押しかけて・・・ということらしい。先月新開地寄席で雀太さんの「寄合酒」を聴いたので二ヶ月かかっての通しです。←違!
「ん廻し」米二さん独自の阪神ネタの「ん廻し」お見事です。

「しびんの花活け」なんとも不思議なタイトルで、全く聴いたことがなかったので一体どんな噺かと思っていたら。面白いですねぇ。歌之助さんは表情がとても豊かなので尿瓶を持って歩く侍を見る人達の心情がリアルに伝わります(笑)。

そしてこの春三回目の「愛宕山」。さすがにもう再放送で見た「ちりとてちん」の草若師匠の死は記憶から遠くなっているのでウルウルは来ません。でもこれマジで「愛宕山」演って泣かれたら困るでしょうねぇ(笑)。
愛宕山は実際にあるしハイキングコースにもなっているそうなので一度登ってみたいものです。

今回は以前は落語が好きでホール落語を見に行ったこともありテレビラジオでよく聴いていたという落語初心者ではないけど初米二さんという友人を誘っての落語会。人をお誘いする際には、私は非常に気を使うんですよね。ま、私だけではないでしょうけどね。楽しんでる?ちゃんと笑えてる?って。はっきり言って演者よりも気を使ってると思う(笑)。
それがこの会恒例の果物の抽選会では友人が当たり、続いて私も当たっちゃった。友人に当たればいいなとは思ってたんですよ。だって落語会への感想がどうであれ抽選当たったらそれでチャラだなと。(^_^;) そうさ私は姑息な人間さ。
でも私の心配は全くの杞憂で、落語会楽しんでくれたようで、ちょっと彼女の後ろの人うるさかったようなんですが、それでも客席の雰囲気に演者さん。寛げる空間で楽しめたとのこと。自分の好きな人を気に入ってもらえるってうれしいですよね。

-2014.4.10 太融寺-