にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【観劇】『リチャード三世』

2008年12月23日 | STAGE
『リチャード三世』
作:ウィリアム・シェイクスピア。
翻訳:三神勲。
演出:いのうえひでのり。
出演:古田新太。安田成美。榎本孝明。大森博史。銀粉蝶。天宮良。

生まれながらに醜い顔、不自由な体であるグロスター公リチャード三世。彼はその醜くさを自分の糧に王冠を自らの頭上に戴くために悪辣の限りを尽くす。

古田新太さんのリチャード三世、シェイクスピア劇にはすごく高い期待度で、シェイクスピアのいのうえ演出に関しては、どうなんだろうなぁ?という期待度なしで観に行った。すみませんいのうえさん。「どうだろうなぁ?」なんて素人のくせに偉そうなこと思ってしまって。本当に申し訳ない。心よりお詫び申し上げます。というくらいいのうえさんならではの演出でしかもシェイクスピア劇のハードルを低くしてくれる親切設計(笑)。ガチでストレートなシェイクスピア劇なんだけど、しんどくならないようにちゃんと笑いの部分も含めている。そうそう笑いのネタ仕込めるような芝居じゃないので、さすがに大笑いはないですが、軽くジャブのようにセリフの語尾を遊ばせたり、芝居運びがおかしくならないように子供にダジャレ言わせたり、極めつけ衣装で笑いとりますか。すごいよ(笑)。初日に観にいったのがすごく悔しい。これある程度公演重ねて出来上がったものを見たいなぁ。絶対もっとすごいものになってるよ。東京公演を観られる人がうらやましい。高い期待度だった古田さんは、さすがにシェイクスピアはそうそう簡単には演らせてはもらえないようですねぇ。初日ということもあり苦労してます感がすごく表れていた。他の役者さんたちもきつそうだったなぁ。結構セリフ噛んでるし声の張りがないし・・・。ただその中で「初日?それがなに?」な勢いで見事なまでの完成度と個性力量をみせつけていた銀粉蝶さん。すごいです。DVDで見た蜷川演出の『リア王』に出てらしたので、シェイクスピア劇には慣れた女優さんだとばかり思ってたら、なんとシェイクスピア劇は今回が2度目だとか。すごいですよ本当に。やはり観にいった人みんなそう思ってたのか、カーテンコールではこの人の登場には一際拍手が大きくなってましたよ。これタイトルロールの古田さんが、回重ねて慣れてきたあたりには、きっと他の方も慣れてるだろうし、反対に古田さんに引っ張られる部分も出てくるだろうし、もっともっと見ごたえのあるものになるでしょうね。完成度高いの見たいよぉー!

-2008.12.22 シアターBRAVA!-

【観劇】『冬の絵空』

2008年12月10日 | STAGE
『冬の絵空』
作:小松純也。
演出:鈴木勝秀。
出演:藤木直人。橋本じゅん。中越典子。片桐仁。中村まこと。生瀬勝久。

時は元禄。主君浅野内匠頭が、吉良上野介と殿中で刃傷沙汰を起こしたことにより赤穂浅野家は断絶。主君の無念を晴らすべく仇討に打って出るかと思えば、大石以下赤穂浪士たちにその気配はなし。それどころか大石は浪士たちの今後の身の振り方を考えていた。そんな大石に業を煮やした天野屋利兵衛は、娘おかるを嫁にしたいと言う人気役者沢村宗十郎に、娘との縁談を承知する換わりにある芝居を演じさせる。

『忠臣蔵』好きなわたくし、これ楽しみにしていたんですよねぇ。でも、まさかこんなお話だったとは・・・(^^;。
いや、面白くないことはない。それなりに楽しんだ。
でも、大きく2点。
まず一つ。長ぇえよ!劇場について、まず上演時間みてびっくりしたよ。19時開演。途中15分休憩で、終演21:45。実質2時間半。普通2時間でしょう。で、見終わって、休憩なしで15分短縮して、21:15分終了に出来るとみたね。15分は絶対に短縮出来る!
そして次に・・・男前の俳優って藤木直人君しかいなかったんでしょうか?あのねぇ・・・えっと・・・その・・・以下略。あの規模でもろマイクってどうよ?

しかし何がびっくりしたって、まさか吉良がコメディリリーフだったとは!(笑)。私が観た日は吉良役が粟根まことさんだったんですが、いやぁ、この日に行ってよかった。橋本じゅんさんに迫る粟根さん。新感線ファンにはたまらない2ショットですよ。松尾版も見たい気はするんだけど、やっぱじゅんさんには粟根さんでしょう(笑)。
主演のダイコン・・・あ・・・言っちゃった。ま、いっか。を除けば他は見事なキャストですよ。生瀬さんの舞台は今回初めて見るんですが、さすがですね。なんなんですかね、この人のこの妙な余裕は。これまだ始まったばかりで、この後東京で1か月近くあるんですよね。案外終わりの方がまとまって、主演も慣れて、もっと面白くなってるかもしれませんね。

-2008.12.8 サンケイホールブリーゼ-

【映画】『レッドクリフ Part1』

2008年12月03日 | MOVIE
『レッドクリフ Part1』RED CLIFF Part1(2008年/米・中・日・台・韓)
監督:ジョン・ウー。
出演:トニー・レオン。金城武。チャン・フォンイー。チャン・チェン。

西暦208年。帝国を支配する曹操は、80万の大軍を率い劉備軍を攻め、わずか2万の兵の劉備軍は民を守るのが手一杯で、敗走するしかなかった。このままでは民と共に滅ぼされる運命の劉備軍の軍師孔明は、孫権軍と同盟を結び曹操に対することを進言し、孫権の元へと向かう。若き君主孫権は老臣たちの言葉に異を唱えることが出来ず、魯粛の導きで孔明は周瑜と会い、多くを語らずとも二人は信頼を深め、周瑜の計らいで孫権軍は劉備軍と同盟を結ぶことになる。そして"赤壁"で孫権・劉備軍は曹操軍を迎え討つことになる。

三国志はあまり詳しくないので、それぞれのキャラに対する思い入れがなかったんで、すごく楽しく観ることが出来ました。しかも単純に曹操をとにかく悪玉に仕立てた物語展開がわかりやすく、とにかく"赤壁"にポイントを置いたのも案外成功なんじゃないだろうかって気がします。でもPart1では「赤壁の戦い」一歩手前までなんですけどね。映像の迫力は言うことなし。物語もわかりやすくていい。でも何よりこの作品で驚いたのが金城武さん扮する諸葛孔明。最初孔明が金城くん?えー・・・って感じだったんですが、映画が始まってびっくり。いいじゃないですか。元々育ちの良さそうな顔をしてらっしゃるんで、こうして髪を結いあげてしっかりとお顔を見せてると、優しく物静かで聡明で上品で・・・という私が孔明に持つイメージそのまま。そして日本語セリフにはちょっぴり難ありな感じなんですが、これは中国語(吹き替えらしい)なので、その難もなかったし(笑)。
しかし、やはり私はこういう「漢(おとこ)」なお話は大好きだ。なかでもやはり私の心をとらえたのは関羽!かっこえぇー!
趙雲もかっこよかったけど。劉備の子供を背中にくくりつけ「参りますぞ」には、もうしびれました。物語はもちろん面白いんだけど、なんだか「いい男祭り」的なかっこいい男たちがゾロゾロ。うれしすぎます(笑)。
あー、4月のPart2が待ち遠しい。

-2008.12.1 TOHOシネマズ泉北-