にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

『おおさか・元気・文楽』

2009年01月31日 | STAGE
『義経千本桜』道行初音旅
源義経が頼朝と不仲になり西国目指して都を落ち吉野山にいると聞いた静御前は佐藤忠信を連れ吉野山へとやってくる。しかし吉野山で忠信とはぐれた静御前は、鼓を打つと必ず忠信が姿を現すことを思い出し鼓を打つ。するとどこからともなく忠信が現れる。実はこの忠信は静御前の持つ鼓の皮に用いられた狐の子源九郎狐だった。
(あらすじは歌舞伎版より)

昨年の歌舞伎の正月公演でこれを見ているんですが、その時の感想はコチラhttp://blog.goo.ne.jp/tome-pko/e/b8d7c6a25d17205369a4575ade9c1d0f
歌舞伎版では奈落から忠信が現れるので人間ではないというのは、わかるんですが、文楽版では最初はしっかり狐さんで登場なんですね。そして早変わり。見せてくれます。歌舞伎では舞踏なんですが、文楽でもそれっぽく、そして扇子キャッチなんて技もあります。忠信が兄継信が戦で矢を受けて命を落としてしまったことを語る場面では静御前から矢に見立てられた扇子が投げられそれをキャッチして矢に射られたことを表す場面には驚きました。かっこぇぇー(笑)。
歌舞伎版ではついつい狐の格好をしてしまって、いけないいけないとお茶目に花道を歩いていくシーンで終わりなのですが、文楽版はビシッと決めポーズで幕でした。この演目はどっちも面白いなぁ。4月公演でもこれあるので、もう一度見られる。楽しみです。

『傾城恋飛脚』新口村の段
こちらの演目は昨年の文楽の正月公演で同じものを見ています。ところが今回は丸々住大夫さんおひとりで語られたんですよ。・・・と言っても昨年どこでどう大夫さんが変わってたのか全然覚えてないんですけどね。(^^;
覚えているのは孫右衛門をお遣いになられた勘十郎さんが素敵だったということだけで・・・。まぁ、いい加減なものです。
今回は前回同様忠兵衛は清十郎さん。梅川が勘十郎さんだったんですが、私の中では勘十郎さんって立役のイメージしかないので女形の梅川を遣ってらっしゃるのが珍しい感じがして不思議でした。でも昨年の孫右衛門の方がよかったなぁー・・・なんて思ってしまって帰ってきてプログラムを見て納得。昨年観た梅川は蓑助さんだったんですよ。まだまだ初心者なんで何がどうっていうのはわかんないんですが、蓑助さんがお遣いになる女形はとにかくいいんですよ。色気があるって言うのかなぁ・・・。
そうそう途中、孫右衛門が、養い親を思うなら覚悟を決めて名乗って出て来いと言い、奥の間からかけ出る忠兵衛を押し戻し「今じゃない、今じゃない・・・」という決めの所でかすかに起こった笑い。おいおい・・・ここは笑うシーンじゃないぞ。ドタドタと出てきた忠兵衛がおかしかったのかもしれないけど、いくらなんでもここで笑うなよなぁー・・・。
文楽劇場じゃないところで見るとこういうことが起こるのね。(^^; でもちょっぴり悲しかったな。いくら初心者、初見でも普通この流れはわかるだろう・・・。ふぅー・・・。

-2009.1.30 NHK大阪ホール -





【観劇】『座頭市』

2009年01月26日 | STAGE
『座頭市』
脚本:堀越真。
演出:水谷幹夫。
出演:松平健。若村麻由美。山口馬木也。中村玉緒。他。

御影石の産地である門毛村では、一年ほど前から石材商大槌屋が笠間藩家老を後ろ盾に賭場を開き、村を荒廃させ百姓たちを窮地に追い込み石の採掘権を取り上げようと画策していたが、村の若者たちは山へ立てこもり何とか石切り場を守ろうとしていた。そんな中、座頭市は一膳飯屋のおきんを訪ねてこの村にやってくる。

こういう主演俳優ありきの商業演劇は初見だったんですが・・・。フフフ・・・そっかこういうものなのか・・・というのが大きな感想ですね。やはり主演のとにかくかっこいい見せ場をたくさんいれないといけないというせいなのか、どうも脚本がグダグダなんですよ。松平健の『座頭市』ということで結構期待してたんですけどねぇ。
まず賭場の用心棒平田御幸って何よ。用心棒が出てくるのはいいんだけど名前聞いた途端吹き出しそうになっちゃったじゃない。しかもそのあとゴホゴホッってせき込んだ時にはあーた、私完璧に吹き出しちゃったじゃないか。いくら何でも・・・ねぇ。こりゃ映画『座頭市物語』をなぞるのかな?と思ったんですが、その割にはこの浪人平田と市の関係って中途半端だし、物語全体を通して平田のポジション中途半端だし・・・いらなかったんじゃないの?女壺振り師おれい・・・実は・・・という、この女性とのほのかなロマンス・・・もこれまた中途半端で・・・。商業演劇ってやっぱこんなもんなんですかねぇ。しかも途中BGMの出だし思いっきり間違えるし、見せ場の大量の雪・・・紙吹雪もたまにボコッって塊落ちてくるし・・・。スタッフしっかりしろよ!(苦笑)。そうそう殺陣のシーンは効果音ないんですよね、これ新感線の舞台ずっと見てるもんだから、舞台でもあって当たり前みたいな感じになってたんですが、普通はないんだ。舞台を見ながら効果音をビシッって決めてくる新感線のスタッフってやっぱりすごいんだなぁと違う舞台見て改めて感心しましたよ。

しかし2部の『唄う絵草紙』はいろんな意味で楽しんじゃったよ(笑)。まず始まってすぐ1階席前方では、ペンライトっぽいライトのつく小道具を左右に振りだす。まるでジャニーズのライブみたいだ(笑)。で、健さんの早変わりでの歌謡ショー。オペラグラスで健さんを見ると、もう必ず前方のファンたちへ目線を落としている。いやぁ、すごいねぇ。やっぱファンのための舞台なんだ。ラストの『マツケンサンバ』。初の生マツケンサンバですが、これいいわ。楽しい。ちょっと癖になりそうだったよ(笑)。

はっきり言ってこういう商業演劇はファンが近くで生でほとんど出ずっぱりの贔屓の俳優さんを愛でるもの・・・なんでしょうね。

-2009.1.25 御園座 -

【映画】『禅 ZEN』

2009年01月19日 | MOVIE
『禅 ZEN』(2008年/角川映画)
監督:高橋伴明。
出演:中村勘太郎。内田有紀。藤原竜也。村上淳。

乱世の鎌倉時代。仏道の正師を求め、24歳で宋へ渡り、修行を積み悟りを得て日本へと帰り、ただ座るのみ・・・「只管打坐」を説き、あるがままの姿であるがままに生きることを伝えた道元禅師の物語。

地味な映画だ。だけどだれるところは全くない。道元役の中村勘太郎さんが素晴らしい。なぜ今まで道元は映画やドラマで描かれなかったか?日蓮や親鸞のような劇的な派手な人生ではないかららしい。だからこそこの作品での道元、中村勘太郎は素晴らしい。立ち居振る舞いに声、地味な中で中村勘太郎さんに・・・道元に惹かれる。ただ残念なのは映像はきれいなんだけど、やたらとやりすぎ感があって、時折首をかしげてしまう。道元が大悟したシーンでは吹き出しそうになってしまった。道元を蓮に座らせてどうする?(笑)。地味なら地味で自然でいいのに・・・。
中村勘太郎さん以外の出演者もよかったですよ。ただ道元の弟子懐奘役が村上淳さんだとは思わなかった。やせた?なんか私の知っている雰囲気と全然ちがったのでびっくりしました。絶賛するような作品ではないですが、私は好きですね。心が洗われる。「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり」
部屋のどこかに書いて貼っておきたいですね。

-2009.1.19 MOVIX八尾 -


【映画】『オーム・シャンティ・オーム』

2009年01月12日 | MOVIE
『オーム・シャンティ・オーム』Om Shanti Om(2007/ヒンディー語)
監督:ファラー・カーン。
出演:シャー・ルク・カーン。ディーピカー・パードゥコーン。アルジュン・ラームパール。

舞台は1970年代。いつかスターになることを夢見る脇役俳優オーム・プラカーシュ・マッキージャーは、スター女優シャンティプリヤーに憧れていた。いつも彼女の看板に話しかけるくらいだ。ところがそんなある日、シャンティ主演映画の火災現場の撮影で炎に包まれてしまったシャンティをオームは助ける。それがきっかけで親しくなる二人。高まるシャンティへの恋心を抑えられないオームは、シャンティの楽屋に近づき、プロデューサーのムケーシュとの言い争いを聞いてしまう。シャンティはムケーシュの妻だったのだ。失意の底へと落とされたオーム。ところが富豪の娘との結婚話が持ち上がっていたムケーシュはとんでもない計画を立てるのだった。
それから30年。スター俳優ラージェーシュ・カプールの息子オーム・カプールは大スターの道を歩んでいた。ある日30年前に悲しい事件のあった撮影所に行ったオームは、自分の中のもう一つの記憶を蘇られる・・・。

映画界のバックステージものだそうで、作中には過去の作品のパロディやスターがたくさん出ているらしいのですが・・・(^^; わかんねぇ。それがわかったらもっと面白いでしょうが、そんなのわかんなくってもすごく面白い作品でした。輪廻転生。しかしここまではっきりと生まれ変わりってどうよ?ってな気がしないでもないですが(笑)。シャールクはさすが「キング・オブ・ボリウッド」ムッキムッキな肉体改造。すごいですよ。かっこいい。シャンティ役のディーピカー・パードゥコーンはなんと新人だそうなんですが、すっごくきれい。私の知っているインドの女優さんの中ではかなりスリムだし(笑)。ムケーシャ役の俳優さんはどっかで見たことあるなぁ・・・と思ってたら『DON』に出てた人だ・・・でも、それよりもなんか見たことあるような・・・あ!阿部寛さんに似てるんだ!
似てない?
そしてこの作品ですっごい豪華だと聞いていたミュージックシーンには、マジでびっくりです。さすがに全部はわかりませんが、私がわかっただけでもすごいメンバー。これ見ただけでもこの作品見た甲斐ありですね。

それにしてもいくらタダとは言え、会場は満席。しかも映画終了後に起こる拍手。いやぁインド映画はいつも熱いねぇ。

-2009.1.12 国立民族博物館 講堂 -

【映画】シネマ歌舞伎『連獅子/らくだ』

2009年01月05日 | MOVIE
『眠駱駝物語 らくだ』
作:岡鬼太郎。
改訂・演出:榎本滋民。
出演:中村勘三郎。中村勘三郎。坂東彌十郎。片岡亀蔵。

フグにあたって死んじゃった"らくだ"の馬太郎の弔いの金を用立てようと、家主のところへ赴き、出さないなら死人にカンカンを踊らせるぞと脅して、本当に踊らせちゃうという古典落語の有名なお話なんですが、まさか歌舞伎でもあるとは思いませんでしたよ。
もう最高です。生で観たらもっと面白かっただろうなぁ。
しかし珍しく彌十郎さんが大家のおかみ役で女役?と思っていたら・・・笑わせてくれますねぇ。死体に怯えて玄関先の勘三郎さんの上に落っこちちゃったのってあれマジじゃないですかね?そして死体の馬さん役の片岡亀蔵さん。面白すぎだよって思って帰って調べると・・・『野田版 研辰の討たれ』で、からくり人形やってらした方なんですね。素晴らしい。
この話ってとにかく死体が踊っちゃうっていうだけで、もうただただそれが面白いというなんとも卑怯極まりないネタですが、面白いんだから仕方ない(笑)。本当に死体が踊っちゃうと『スリラー』になっちゃうんですがね。あ・・・もしかしたら『スリラー』の元ネタは『らくだ』?!・・・なワケないですが。


『連獅子』
監督:山田洋次。
出演:中村勘三郎。中村勘太郎。中村七之助。片岡亀蔵。坂東彌十郎。

コレ、頭をグルングルン振り回すって場面しか知らなかったんですが、結構長いんですね。
Yahoo百科事典連獅子
それと途中僧が二人出てくるところで、なんか狂言みたいだなぁーって思ってたら狂言なんだそうで(笑)。古典っていろんなところで繋がったり絡んだりしてるんですねぇ。
花道の様子とか細かいところが見られて面白かったんですが、やはりこの迫力は生で観たいですね。

-2009.1.5 なんばパークスシネマ -

【映画】『K-20 怪人二十面相伝』

2009年01月03日 | MOVIE
『K-20 怪人二十面相伝』(2008年)
監督:佐藤嗣麻子。
出演:金城武。松たか子。仲村トオル。國村隼。

舞台は第二次世界大戦を回避した1949年の架空都市「帝都」。
19世紀から続く華族制度は極端な格差社会を生み、職業選択の自由はなく、下層階級の者たちはひたすら貧しさに耐えるしかなかった。そんな中富裕層のみをターゲットにし、次々と高価な品物を盗み出す"怪人二十面相"が世間を騒がせていた。そしてその二十面相と対決する名探偵明智小五郎は羽柴財閥令嬢との婚礼を控えていた。その結納の儀に怪人二十面相が現れる。予告状により物々しい警備の中、そんなこととは知らずただ結納の儀の写真を撮って欲しいと頼まれたグランドサーカスの曲芸師遠藤平吉は、天窓に上りカメラを構えるが、すべては彼を二十面相に仕立てる罠だった。

えっと・・・とりあえず映画の中で言われてる通りであらすじを書きましたが、ここに一つ間違いをお知らせします。この映画の公式サイトでも「明智小五郎」と記されておりますので、あらすじでその字を使いましたが、この映画に登場する「明智小五郎」は私たちの知っている「明智小五郎」ではありません。江戸川乱歩先生創作の「明智小五郎」では全くないことをまずお知らせ致します。もしかしたら敗地大五郎かもしれません(わかる人にだけわかるネタですが・・・(笑))。
私はこの映画全然つまんなくはなかったですよ。あの見事な身体能力。どこまでが実写なのかはわかりませんが、ああいう動きは大好きだ。でもよーくよーく考えると中身はないんですが・・・(爆)。
あー、でもいいんだいいんだ。私の好きな國村さん結構いい役で、かっこよかったから。小日向さんも出てたし・・・でも途中でコヒさんどうなったんだよぉー!
しかし、これ原作があるんですよね。原作通りの内容なのかなぁ?だったらまず原作が叩かれてもおかしくないのにねぇ。私が思うほど乱歩ファン、明智ファンっていないのかなぁ。何にも考えずに暇つぶしに観るには十分な作品だと思いますよ。でも明智ファンには絶対に勧めない。
私の明智先生は、そら確かに若くて美しい女性には弱いけどさ(誰のこと言ってる?これもわかる人にだけわかるネタということで・・・)、誤認逮捕して人苦しめるようなことはしないぞ!
それより何よりなんなんだよ!架空都市「帝都」って!!
ってかさー、なんかこれよーく考えたら『バットマン』じゃん!(爆)。

-2009.1.3 MOVIX堺 -