にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【落語】須磨名谷亭 第25回記念林家染左独演会

2012年10月29日 | 落語会
須磨名谷亭 第25回記念林家染左独演会(2012.10.28) 
-演目-
林家染左さん「阿弥陀池」
桂雀五郎さん「短命」
林家染左さん「質屋芝居」
 中入
林家染左さん「子は鎹」

新開地寄席で知り合ったSさんが開催なさっている須磨名谷亭へ、最初から参加させてくださいとお願いしてお邪魔させていただきました。ところが11時集合。駅には十分に間に合う時間に到着したものの、反対側の道をあがってしまい、iPhone5のおバカな地図に翻弄され、30分ほどうろつくことに・・・。駅に到着したときには肌寒かったのに、宗忠神社名谷分社になんとか到着したときには汗ばんじゃってたよ。(^-^;
到着して中をのぞくと舞台設営の真っ最中。いやあ!すごい!ここまで組み上げますか!?な見事な舞台。今はしっかりと出来上がってる部品を組み立てていくだけだけど、一番最初はすごかっただろうなぁ・・・よくここまで作りましたねぇ。と感心しきり。スタッフの主要メンバーはSさんの同級生だそうで、まあみなさん仲がいい。25回続くわけですよ。新開地寄席に初めて参加させていただいた時もそうなんだけど、いきなり参加でも決して「あんた誰?」にはなんないんですよね。皆様すんなりとお仲間に入れて下さる。ありがたいです。

実は染左さんの落語って初めてだったんですよねぇ。「阿弥陀池」は米二さんで聴いたことがあるんですが、演者が変わると噺の雰囲気も変わりますねぇ。染左さんの方がさわやかだ。私は米二さんのおちょくってやったぞ「ふふん」って感じのあの憎たらしさが好きですが。
続いて雀五郎さんの「短命」。なんと雀五郎さんは二回目で二回とも「短命」というこの偶然。
「質屋芝居」は初めて聴く噺だったんですが、私の中ではこれが本日最高でした。好きだ!この噺は好きだ!ぶっちゃけてしまえば、隣から三味線が聞こえてきて目の前には裃。ここはひとつ・・・と芝居好きの丁稚が芝居を始めてしまうという「そんなアホな」ということが多い落語の中でも「そんなアホな」度の高い噺だとは思うんだけど、好きだ。一人芝居に夢中になる定吉くんの芝居にこちらも落語のはずなのになぜか芝居として見入ってしまってる中で「裃どうなってまんねん」という現実が差し込まれ、その間に笑わされる。あまりの遅さに呼びに行った番頭さんまでも芝居に入り、最後は主人までも・・・というあり得ない流れだけど面白い。そして「はめもの」になんと台詞まで下座からかかるという全く初めてのパターンに感動。これはまた聴きたい!
中入後のトリは「子は鎹」。染左さんもトラちゃんはお母さんについていくバージョンでした。以前から気になっていたこの二つのバージョン。終演後の懇親会で私の前に小鯛さんがいらっしゃったので聴いてみました。するとお母さんについていくバージョンは江戸落語の「子別れ」のパターンだそうで、上方ではお父さんについていくのが主流だったとか。でも「子別れ」のパターンのお母さんについていくパターンでやられる方も出てきて、上方落語にはこの二つのパターンがあるそうです。私はお母さんについていくバージョンの方が好きなんですけどね。

遠路はるばる出かけた甲斐のある会でした。最初から最後まで本当に楽しかった。



【落語】第6回 米二・染二・鶴二 三人会「二の会」

2012年10月23日 | 落語会
第6回 米二・染二・鶴二 三人会「二の会」(2012.10.22 トリイホール)

-演目-
オープニングトーク
桂二葉さん「動物園」
林家染二さん「掛取り」
桂米二さん「植木屋娘」
 中入り
笑福亭鶴二さん「ねずみ」

全くタイプの違う、ただ名前に二がつくだけで揃ったという三人の「二の会」。実は昨年の10月に音太小屋で初めて米二さんの落語を聴き、その後染二さんと福車さんの二人会へ行き、二人が揃うんだったら!と昨年の11月に初めて訪れたトリイホール。そしてその時にお二人をおっかけるぞと決めて1年。すっかり落語好きとなった私にはある意味記念の会です(笑)。

昨年初めて来たときに、オープニングの三人のトークを面白いんだかぬるいんだか訳わかんないまま聴いてたんですが、やはりぬるいです(笑)。今回は染二さんがホワイトソースの缶で指を切って三針縫ったという話からなぜか本来のテーマとは違う病院での体験談となり、米二さんの痔の手術の話まで・・・。考えたら一年前のこのコーナーではなぜか染二さんのヒップライン自慢になってたっけ・・・。一年たってまたもお尻の話が巡ってくるとは・・・(^-^; 

前回まで二乗さんだったのに、前回の「二の会」でリストラ宣言され、今回から二葉ちゃんになった開口一番。
まずはご挨拶、髪型ばかりじゃなく名前も覚えてくださいと言う二葉ちゃん。おっ!初めて聞く二葉ちゃんの自己主張のような気がする。これからドンドンアピールしていってね。二葉ちゃんの「動物園」は何回目だろう?今まで聴いた中で一番よかったような気がする。また次聴くのが楽しみだな。

続いて染二さん。もうおせち料理の予約が始まっているという話から「掛取り」。掛取りに来た相手の好きなもので対応するという噺なんですが、はっつぁん器用すぎです(笑)。文楽好きの私は浄瑠璃が一番面白かった。もちろん芝居もいいですけどね。

動の染二さんの後は静の米二さんで「植木屋娘」。米二さんの「植木屋娘」は初めて聴くんですが、「植木屋娘」自体は二回目。以前は林家染吉さんのさわやかで初々しい「植木屋娘」を聴いたんですよね。今回はひ・・・えっと・・・熟練の米二さん。同じ演目でもこうも違うもんなんですかねぇ。としみじみと感じさせられました。

トリは、やはり静に分類されるであろう鶴二さん。三人の中で一番若いんですが、どうも私にはこの方が三人の中で一番落ち着いているように見える。飄々としているからでしょうか?演目は「ねずみ」。この噺も好きなんですよねぇ。ファンタジーですからねぇ。

次回のこの会は春だそうで、次も楽しみです。鶴二さんがマクラでおっしゃってましたが、確かにこの三人の会の雰囲気は他の会と違ったものがあるような気がします。でもその妙な雰囲気がある種、癖になるのかもしれません(笑)。

【落語】林家染二襲名十五周年記念独演会「極楽の余り風」

2012年10月14日 | 落語会
林家染二襲名十五周年記念独演会「極楽の余り風」(2012.10.13 御堂会館)
-演目-
林家染吉さん「子ほめ」
酒井くにお・とおるさん「漫才」 
林家染二さん「井戸の茶碗」
 中入
豊来家玉之助さん「太神楽」
林家染二さん「子別れ 上・中・下」

御堂会館って昔に来たことあるようなないような・・・。なんとなく映画の試写会で来た記憶がうっすらと・・・。それにしてもここも古いですよね。まあなんとも椅子の形が懐かしい(笑)。そういや昔の映画館の椅子ってこんなんだったよねと。

まずは染吉さん。滑舌のいい若々しい落語ですよね。第3回林家BEAMSで「植木屋娘」を聴かせていただいてから、好きな若手さんのお一人です。

そして生まれて初めて見る生の漫才!しかもあの「とおるちゃん!」っていうのが生で聞けるとは!(笑)。ベテランの方の漫才はリズムと間がいいですよね。面白かったあ!なんだかすごく得した気分でした。

「待ってました!」で主役の登場。フェイスブックで手を怪我されたとアップされていて、なんとも痛々しい包帯姿だったんですが、さすがに舞台でははずしてらっしゃいました。そしてフェイスブックで予告されていた通りに詳細をマクラで。しかし三針も縫われるとは、ホワイトソースの缶で切られたということでしたが、一体どうやって切られたのか・・・。
演目は「井戸の茶碗」。これは落語で聴くのは初めてなんですが、以前観に行ったこれhttp://www.cue-products.com/?p=goodsDetail_499で噺は知っていた。いい人しか出てこない、いい噺ですよね。

中入後は「太神楽」の豊来家玉之助さん。この人いいわ。まず間がいい。そして声がいい。一瞬「ヒロシです」って言いだすんじゃないかと思ったのはここだけの話です(笑)。本来太神楽とは獅子舞とセットになってて、お札を配って歩いていたとか・・・。ということで今日は目出度いからと獅子舞の登場。一指し舞ったあとは客席をぐるっと獅子で頭をかんでいきますと回られて、大いに客席を盛り上げられた。

トリは「子別れ」の通しです。「井戸の茶碗」が終わった後、足がしびれていたのか立つときによろけられて危なかったこともあり、今回は立ちませんと最初から宣言なさる(笑)。落語家さんって足しびれないのかなぁーって思ってたんで、やっぱりしびれるんだと納得。それにこの演目は通しで長いですからねぇ。そら、立たない方がいいですよ。
ということで「子別れ」。これ聴かせていただくのは二回目なんですが、以前は上と中で中入を挟んで下だったので、前回よりもちょっとショートバージョンにしたような気がしたんですが・・・。上方の「子は鎹」ではトラちゃんがお母さんについていくバージョンとお父さんについていくバージョンがあるようで、これはお母さんについていく。私としてはトラちゃんはお母さんについていくバージョンが好きだな。このお話は本当にホロっとさせるいい噺です。私が好きなシーンは頭に傷をさせられたトラちゃんに怪我をさせた相手が得意先の子だからと我慢させるところなんですが、前回よりも今回の方がちょっとサラっとしていた感じがしたな。

今回初めてのホール落語。やはり私は小さな寄席が好きだな。約200のキャパの繁昌亭が私の最大かもしれない。

【映画】『メ・フー・ナ:俺がここにいるから』

2012年10月08日 | MOVIE
『メ・フー・ナ:俺がここにいるから』Main Hoon Na(2007年/ヒンディー)
監督:ファラー・カーン。
出演:シャールク・カーン。ザイド・カーン。アムリタ・ラオ。スシュミタ・セーン。

インドのバクシー将軍はパキスタンとの戦争を避けるべく友好的な解決策としてパキスタン人の捕虜を無条件でパキスタンに返すと表明していた。その友好策に異を唱え徹底抗戦を唱えるテロ集団の首領ラガバンは捕虜解放を阻止しようとしていた。テロ集団の手が大学に通う娘サンジャニに及ぶことを危惧するバクシー将軍はラム少佐に大学に潜入して娘を守るように依頼する。最初は固辞していたラムだったが、その大学には母の死により婚外子であったラムがやってきたことで、正妻マトゥに連れられて家を出た弟も通っていた。兄弟で自分の遺灰を撒いて欲しいという父の遺言を果たすためにもラムはその任務を受け入れる。

大学に潜入して云々、コメディという大まかなあらすじだけを見ていたものだから、冒頭の派手なアクション銃撃に驚く。そしてインドとパキスタンの戦争などというなんとも固く大きな展開。一体どんな映画なんだ?と思っていたら、大学に行ったとたんインドとパキスタンの戦争という大きな物語はどこに行ったんだ?な、なんともこじんまりした学園ものに早変わり(笑)。さすがインド映画だ。そしてこのまま学園もの?と思っているとやっぱり来ますねぇテロリスト。あまりにも大まかすぎるんだけど、よくもまあこんなにうまくまとめましたね。という収束ぶり。政治にアクションにラブコメに親子愛に兄弟愛。見事にてんこ盛りの作品です。面白かった。でも中の曲は今一つそそられるものはなかったなぁ。

ところでこの作品・・・というかこの上映は英語字幕のDVDに無理やり縦書きに日本語字幕入れましたよなものでして、ちょっと字幕読みにくなあと思っていたら、上映中だんだんスクリーンが曇ってくる。ふと隣の人を見ると自分のメガネを拭いてらして、それは違うだろうと思いつつ、エアコンの効きも少し悪くなっていて、もしかしてそのせい?なんて思っていたら、映像が途中で消え、調整しますのでしばらくお待ちくださいとのこと。それで後ろを見ると・・・。映写室の窓ガラスが思いっきり曇ってて、劇場の人が一所懸命拭いていた。きれいに拭き終わったらエアコンも少しきつくなって上映再開。フィルムが切れるというのに遭遇したことはありますが、DVDでもこういうハプニングがあるんですね。
ま、ある意味インド映画らしいハプニングかも(笑)。

-2012.10.8 シネヌーヴォー-

【落語】第2回桂米二一門会

2012年10月01日 | 落語会
第2回桂米二一門会(2012.9.30 動楽亭)
-演目-
桂二葉さん「牛ほめ」
桂米二さん「宿屋町」
桂二乗さん「青菜」
桂米二さん「まめだ」
 中入
桂二乗さん「くしゃみ講釈」

台風上陸!さて、落語会はどうなるのか?と思っていたら、開催するとか・・・。でもさすがに今回はキャンセルし放題なんてツイッターでおっしゃってましたが、演者さんが来るのに観に行く側が行かないでどうしますか!?なノリで出かける。
でも、開演前にちょっと寄り道をしようと早めに家を出たものだから、ギリギリでやっぱり到着しなかったなんてことで中止なんてことになってたらどうしよう?と現地に行くまでに一度スマホでチェック。もう開場してるとあったので、安心して地下鉄に乗りました。

パーマって雨の湿気の影響すごくうけるんですよね。登場した二葉ちゃんの髪の毛は「台風来てます!」を物語っていた(笑)。
もう何回も二葉ちゃんの高座見てるから余裕で見ていたら・・・「え?」止まっちゃった。客席一同手に汗握る瞬間。袖・・・いやここは後ろか・・・から続きを教えようとする師匠の声。でも結局最初からやり直したんですが、今度は「いたって物覚えの悪い方で・・・」の台詞が自分とだぶっちゃったのか、笑ってしまう二葉ちゃん。おかげでここで思いっきり笑っちゃったじゃないか。でも考えたらここでは冷静だったってことですよね。すごいな。そのあとは途切れることもなく無事終了。いやあ、なんかスリル溢れる落語でした(笑)。

いつもは二葉ちゃんのあとは、自分がやるよりドキドキするとか言いながら登場する米二師匠ですが、さすがにあそこまで「ドーン!」とやってしまうとかえって冷静になられるようで、後ろから教えた場所でおうててんなぁ・・・と言いつつも、あまり触れずに「嵐を呼ぶ男」のマクラから「宿屋町」へ。
初めて聴く噺だったんですが、見事な解説付きバージョン。この流れでこの噺出来るのって米二さんしかいないんじゃないだろうか?と思う。でもこの噺はこれくらいの解説付きじゃないと今ではかなりわかりにくい噺かもしれませんね。

続いてはお兄ちゃんの二乗さん。今日の二番太鼓の笛が「ぴ~!」ではなく「ぶー」だったのが二葉ちゃんだったと明かす。そして絶句の時、師匠の着替えの手伝いで真裏にはいなくて、三味線の方から、「止まってる」と知らされ裏にかけつけ、その後次止まっても教えられるようにと裏で「牛ほめ」やってて実際これは二席目になるとおっしゃる。お兄ちゃんって大変ですね。ま、それはともかく二乗さん。あがってるのでしょうか?癖なのでしょうか?マクラで話している間中、手ぬぐいを右に置いたり左に置いたり(笑)。どっちに置くねん!と突っ込みたくなっちゃったよ。
「青菜」を聴くのは二回目。最近「柳陰」を飲んだことがあるもんだから(と言っても一口ですが・・・)「植木屋さん柳陰は飲んでかえ?」に思わずにやけてしまった。でもあれっておいしくないことはないけど甘いよねぇ・・・。

中トリの米二さん。米二さんの「まめだ」は二回目。というか米二さんの「まめだ」しか知らないんですけどね。これはねぇ、いい噺なんですよ。きれいにまとまってるし。でも、悲し過ぎる。この噺は泣かせよう!の体でやられると泣くな。わかってても泣くな。

今回のトリは二乗さん。米二師匠の元へ弟子入りしたきっかけとなったのが米二師匠の「くしゃみ講釈」を聞いたことという師匠への思いをマクラにしてたんですが、「くしゃみ講釈」を聞いてなかったら弟子入りしてなかったは余計だと思う。(^-^; でもその米二師匠の「くしゃみ講釈」は一度も聴いたことないんですよねぇ。今日はいいか・・・と思った出かけなかったときに限ってこれかけてらっしゃるんですよねぇ。先週の水曜日も繁昌亭に出られるのは知ってたんですが、米二さんを聴くためのその他大勢に魅力がないとどうも行く気しないんですよね。で、健さんの映画観に行ったら、ツイッターで「くしゃみ講釈」をやられたことを知る。繁昌亭どうしようかなぁ~なんて思ってたから余計に悔しい。一緒に行った友人は米二さんの「くしゃみ講釈」を聴いてて、二乗さんのあのあっかんべぇも米二さんと一緒だと言ってて、そういうのを聞くと余計に聴きたくなる。
そうそうお兄ちゃんの「くしゃみ講釈」よかったんだけど、前の席であれだけ二葉ちゃんの話してて、ここでも「一族みんな物覚えが悪い。妹も悪いしなぁ・・・」ってこれはダメでしょう。ひどいよ。ここまでひっぱっちゃあ。

二乗さんも言ってたけど、確かに台風なのに出てきてるってことも楽しんでいたかもしれない。でも台風じゃなくってもこの一門会は楽しかった。前回も楽しんだし、今回もより以上に楽しんだ。次は第三回。今から楽しみです。