にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【映画】『捜査官X』

2012年05月27日 | MOVIE
『捜査官X』武侠(2011年/香港・中国)
監督:ピーター・チャン。
出演:ドニー・イェン。金城武。タン・ウェイ。ジミー・ウォング。

山間の小さな村で強盗に入った指名手配中の凶悪犯2人が偶然居合わせた村の男リウ・ジンシーによって殺されてしまう。なんとか店の人を助けようと必死に犯人に挑みかかったことによる偶然の死。そして正当防衛ということになるのだが、捜査を担当するシュウはいろいろと考えられる偶然に納得がいかず、リウが只者ではないのではないかと疑惑を抱き執拗にリウを調べていく・・・。

とぼけた雰囲気で現場検証をし、その時の状況を再現していくシュウ役の金城武がいい。『レッドクリフ』での諸葛孔明もよかったけど、この役もいい。知的で優しい雰囲気の役がすごく似合うんですよね。その推理過程も面白いから楽しんで見てたんですが、どうにも頭の中にひっかかるドニー・イェン主演なのに、なんかこの役彼じゃなくってもよさそうじゃないか、何故?ということ。シュウが考える強盗との格闘シーンはもちろん彼ならではなんだけど、それだけじゃあ物足りない。でもやはり、ドニー・イェン主演映画でしたよ。後半になりなんだか物語が一変する(笑)。もうホントに一変。前半いりましたか?な展開にびっくりです。そりゃあドニー・イェンのアクションをたっぷり見せないと彼が主演の意味ないですもんねぇ。面白かった。あるところでこの作品は『ヒストリー・オブ・バイオレンス』の香港版だと言われてて大いに納得。
それにしてもこの邦題ネタばれをさけるべくのものなのかなんなのか・・・どうもこの作品のタイトルになってないような気がします(笑)。

-2012.4.25 MOVIX堺-

【歌舞伎】『團菊祭五月大歌舞伎』(昼の部)

2012年05月24日 | STAGE
『團菊祭五月大歌舞伎』(昼の部)

大阪府の半額観賞券に応募して当たった。でも半額とは言ってもいつもの三階席に比べると奮発してるんだ。それなのに、ちょこっと失敗。だって團菊祭なのに、私が選んだ昼の部でお二人は「身代座禅」でおちゃらけた姿しか拝見出来なかったんだよね。(^-^;ちゃんと調べろよって感じですが・・・。

「菅原伝授手習鑑 寺子屋」
舎人 松王丸:松緑
武部源蔵:海老蔵
戸浪:梅枝
千代:菊之助

菅丞相(菅原道真)の子供菅秀才を匿う源蔵は菅秀才の首を差し出せとの迫られ、運よく今日寺子屋へと新しくやってきた武家の子供らしき小太郎の首をはね菅秀才の首と偽り差し出すが、実は小太郎は首検分にやってきた松王丸の息子で、菅丞相の恩に報いるために松王丸が身代わりとして源蔵の元へ送りこんだのだった。
という物語なんですが、しかし歌舞伎って身代わり好きだねぇ。みんなこぞってわが子を身代わりにするよね(笑)。私の好きな「義経千本桜 すし屋」もそうだし、以前見た「弁慶上使」に「妹背山婦庭訓」も子供じゃないけど身代わりじゃなかったっけ。
今回、初生海老ちゃんなんですが、男前は男前だね。認めよう。でもなんか私は魅力感じないんですよねぇ。(^-^; やはりスキャンダルが多すぎたかな(笑)。

「身代座禅」
おねえちゃんに会いに行きたいばっかりに、怖い奥さんをなんとかごまかして出かけたけど、帰ってきたらそれがバレててさあ大変なだんなさんのお話。とまあ、ぶっちゃけるとこんな感じかな(笑)。
それにしても團十郎さんの奥方怖すぎます。そういや私この方は俳優祭の「白雪姫」の魔女と今回のこの奥方。まともな役見たことないな・・・。(^-^; 菊五郎さんは・・・こういうの好きそうなんですよね。

「恋飛脚大和往来 封印切」
亀屋忠兵衛:藤十郎
傾城 梅川:菊之助
丹波屋八右衛門:三津五郎

これは4年前にこの松竹座で見てるんですが、以前見た忠兵衛は息子さんの翫雀さんでした。さすがに似てる。でも翫雀さんの忠兵衛の方がもうちょっとコミカルだったような気がします。以前の感想にも書いたんですが、やはり私はこの話、文楽バージョンの八右衛門がいい奴の方が好きですね。なんで歌舞伎は八右衛門を悪者にしちゃったんでしょうねぇ。八右衛門を悪者にしちゃうと物語がすごく単純になってしまって、忠兵衛の哀れも浅くなってしまうような気がするんですけどね。

久しぶりの歌舞伎の一階席。やはり花道がばっちり見えるっていいですねぇ。

-2012.5.23 松竹座-

【落語】第23回桂米二MINAMI出張所

2012年05月22日 | 落語会
第23回桂米二MINAMI出張所(2012.5.21 ワッハ上方4F小演芸場)
-演目-
桂そうばさん「うなぎや」
桂米二さん「ろくろ首」
桂歌之助さん「猿後家」
桂米二さん「算段の平兵衛」

なんか私、最近落語会の感想ばかりだよね。映画も見てるのに・・・。でもやっぱ生ものは早めに処理しないとということで、本日も昨日の落語会の感想を・・・。

あら、またお会いしましたねのそうばさん。先日はおしゃべりが大阪弁っぽくなってきたと言ったんですが、なぜか今回は最初に聴いたときのように標準語がかなり混じってました。大阪弁って難しいんでしょうねぇ。
演目は以前笑福亭生寿さんで聴いたことのある「うなぎや」。以前聴いたときに「どうぞお二階へ!」の繰り返しが面白くって楽しかったのでかなり期待していたのですが・・・(^-^; 「どうぞお二階へ!」が少ないような気がする。噺は覚えなきゃいけないしアクセントも・・・大変だよね。がんばれ!

「ろくろ首」ということでマクラは怪談話・・・ではなく、勘三郎さんが勘九郎さんだったとき観に行かれた歌舞伎「東海道四谷怪談」のお話で、お岩役が勘九郎さんで桶がパンッと割れて現れるお岩さんの頭に桶の輪っかがはまって取れなかったとか、頭に輪っか・・・天使なイメージでなんとかその輪っかを演技しながらも取ろうとするけれど取れなかったという怖い話が爆笑となってしまったすごく貴重な歌舞伎体験のお話でした。そんな歌舞伎を見られたなんてある意味うらやましいです。

歌之助さんは今回が二回目。「猿後家」一体どんな噺なのかと思ったら、猿に似てると言われて以来この後家さんの前では「さる」という言葉が禁句となっているという御店にこの後家さん・・・お家はんに取り入るお調子ものの噺で、この歌之助さんが女性役が上手な人だから、なんだかすごく楽しい。つい調子に乗って「猿沢の池」と言ってのを「寒そうの池」とごまかすところで歌之助さん「猿沢」って言ったよねと前のお客さんに話しかけるという演出で笑い倍増。それにしてもこの「猿後家」ってひどいタイトルですよねぇ。

そして本日私が一番楽しみにしていた「算段の平兵衛」。聴くのは全く初めてなんですが、サイトであらすじを読みなんてぇ噺だ。ピカレスクロマンだねぇ。と期待度マックスでありました。ちょっと色気を出してしまったためにとんでもない目にあってしまう庄屋さん。死んでから弄ばれてしまう、まるでラクダだ・・・と思っていたら、本当にラクダなシーンまで。こちらはかっぽれではなく盆踊りなんですが、大笑いです。殴られて打ちどころが悪くて死んじゃって、首吊りさせられて、盆踊り踊らされて、ボコボコに殴られて、最後は崖から落とされる・・・こんなかわいそうな死体もないですよ。(^-^; 文章で読むとホントにひどい話だ・・・と思うんだけど、これが聴くと笑っちゃうんだから落語ってのは面白いもんです。

そそ、先日は染丸さんの落語を聴いてやっぱ染二さんのお師匠さん。似てるなぁ・・・って思ったんですが、今回米二さんの「算段の平兵衛」を聴いていて、一瞬米朝師匠にそっくりと感じるところがあって、あー、やっぱり師弟って似るんだ・・・と確信しました。

【落語】「動楽亭昼席」(2012.5.16)

2012年05月19日 | 落語会
「動楽亭昼席」(2012.5.16)
-演目-
桂そうばさん「時うどん」
桂雀太さん「上燗屋」
桂春蝶さん「山内一豊と千代」
桂ざこばさん「強情」
 中入
笑福亭銀瓶さん「宿題」
林家染丸さん「寝床」

染丸さんの落語聴いたことがなかったので、ちょっとそそられてはいたものの、私にとって二つの地雷があったんでスルーしてたんですが、落語会へのお誘いメールがあり、じゃあ。と出かけたこの日の動楽亭。ざこばさんに染丸さんということもあるのか、平日なのにそこそこ入ってました。

そうばさんは二度目。以前聴いたときよりマクラが大阪弁っぽくなってました。関西の人じゃない人が関西弁って案外しんどいでしょうねぇ。マクラのラーメンの話からうどんへということで、「時うどん」だな。とは思ってたんですが、「あれ?」入りが違う。なんでだろうと思ってたら終わると友人が「時そば」バージョンでしたね。と一言。そうだったのか。でも関西の「時うどん」だと屋台にたどりつくまでも話あるからショートカット用に「時そば」バージョンにしたのかもしれませんね。

雀太さんも二度目。「上燗屋」この噺も生で聴くのは今回が初めてでしたが、なんとなく聴いたことのある噺でした。しかし落語に出てくる酔っ払いって、酔って無茶苦茶言ってるようで、なーんかどっかで酔ったふりして計算してるっぽいとこありますよね。

そして・・・まず一つめの地雷(笑)。春蝶さんも二度目なんですが、どうもこの人の芸風が肌にあわないんですよ。今回の演目は「山内一豊と千代」ってこれ何?と帰ってきて調べてみると・・・元はやはり講釈ネタなんですね。春蝶さんアレンジだそうです。ふーん。

中トリはざこばさん。橋下市長が総理になったら何をして欲しいですか?というインタビューがあったそうで、カジノを作って欲しいとおっしゃったとか。あ、そう言えば2ちゃんねるでこの人がカジノどうこうってネタあったなと思ってて帰りにふと動楽亭の後ろを見たら世界のカジノのチップなんてのが飾ってました。今まで何回かここ来てるけど全然気づいてなかった。置いてあるものの意味がわからないと人間の脳って案外スルーするもんなんですね。

中入後は第2の地雷(笑)。やっぱね・・・この人も合わない。「宿題」というのは三枝さん作の創作落語だそうで、面白かった。「宿題」という話がね。これは文字で読んだとしても面白いと思う。ということで以上。

トリはお目当ての染丸さん。実は生でというだけではなく、テレビやラジオでさえもこの方の落語聴いたことなかったんですよ。この方が染二さんとおっしゃってた頃から知っているのに不思議なことです。おまけにお弟子さんの染二さんが好きで何度となく落語会行っているのにね。
マクラでは助成金をカットされた文楽への苦言。おっしゃることはごもっともですが、浄瑠璃の言葉がわかりにくいというのは、仕方ないことで、そのために字幕つけてるんですから・・・と文楽好きの私はちょっと苦笑。確かに字幕見て人形見てって忙しいですけどね。(^-^;
わかりにくい言葉の上にヘタときたらそら聴いてられないだろうなあ・・・という噺は「寝床」。いやあさすが師匠。染二さんとそっくりなところがあって感動。いや染二さんが師匠に似てるんでしょうけどね。師匠は好きだけどこの弟子嫌いっていうのはあるでしょうが、この弟子が好きで師匠が嫌いってのは案外ないような気がします。機会があれば染丸さんの落語もっとじっくり聴きたいですね。

【落語】第一回 米二・南天 二人会(2012.5.8 天満天神繁昌亭)

2012年05月09日 | 落語会
第一回 米二・南天 二人会(2012.5.8 天満天神繁昌亭)
-演目-
トーク
桂南天さん「青菜」
桂米二さん「茶の湯」
桂南天さん「崇徳院」
 中入り
桂米二さん「景清」

元々この会は全く予定に入れてなかった。開演18時半というのはちょっときついし・・・。
でも先日の動楽亭での米二さんの「くしゃみ講釈」がよかったという感想を読み、行かなかったことをすごく後悔。(^-^; 
そんなときに目に入った米二さんの予約メール待ってますのツイッター。うーん・・・。
18時半開演。場所によると諦めるしかないんですが、この繁昌亭っていうのが曲者でね。18時になったらそそくさと帰り支度して、さっさと席を立つ。そして早歩きで必死に駅へ行くとなんとか間に合う。どうするべ。
よし!その日になって間に合うようだったら行こう!と決めた。そしたら間に合っちゃった(笑)。

まずはオープニングトーク。襲名の話から、落語家の名前の話。そして綾鷹のCMの裏話。実は私、あの100人に聞いたっていうのは嘘だと思ってたんですよ。そしたらちゃんと100人に聞いてたそうで、米二さんには声かからなかったけど、南天さんには声かかって行ってきたとか・・・。それ以外の話はオフレコということで(笑)。

桂こごろう改め桂南天さん。こごろうさん時代に動楽亭で一度拝見してるんですよね。その時の演目は「一文笛」。その演目のイメージで、ちょっとすかした感じの人なのかななんて思ってたんですが、全然そんなこともなく、「青菜」笑わせていただきました。押入れから奥さん出てくるところは最高でした。

米二さんの「茶の湯」は二回目。以前動楽亭で聴いたんですが、この噺もいいですよねぇ。長屋の三人のくだりが私は大好きです。三人とも引っ越しを考えているという描写がそれぞれでテンポがよくって本当に面白い。しかし落語だからねぇ・・・とは思うものの、おなかこわしちゃうような代物、いくらなんでも間違えてると気付こうよご隠居と訴えたくなる。

来た!「崇徳院」。今やってる大河ドラマ「平清盛」で崇徳院が出てくるたび、「崇徳院」が聴きたいよなぁ・・・って思ってた。初めて生で聴く「崇徳院」。念願かなってよかったよかった。でも、これから大河で崇徳院が出てきたら今度はやつれ果てた熊さんを思い出すのだろうか・・・。

トリは米二さんの「景清」
平景清って誰?という状態で、この噺も全く初めて聴く噺。目の悪い人の杖のつきかたの話から入るので「?」と思っていると・・・。目が悪くなってしまった人が主人公だったんですね。突然悪くなった目に苛立ちと絶望を感じながらも明るくつとめようとする定次郎いいですねぇ。だからこそ100日勤め上げたあと観音様に悪態をつく気持ちがよーくわかる。でもそれを押しとどめ定次郎に温情をかける甚兵衛さん。いい人だあ。いい噺ですね。ツイッターで「四股をふむ場面があったからそのあと大名行列が出てくるのかと思ってたらなかった・・・」なんて話があり、何?その大名行列って?と思って調べてみると、なんでも景清の目をもらった定次郎は景清の強さも譲り受けることになり、大名行列に暴れ込むというラストもあるらしい。へぇー。それはそれで面白いかもしれないけど、やはり目がみえるところで終わった方が人情噺っぽくいい感じで終わるような気がしますね。

【落語】「2012年 雀のおやど ゴールデン落語会」

2012年05月06日 | 落語会
2012年 雀のおやど ゴールデン落語会(2012.5.5 雀のおやど)
-演目-
笑福亭呂竹さん「近日息子」
林家染二さん「稽古屋」
桂雀三郎さん「天神山」
笑福亭福笑さん「浪曲やくざ」

この小屋「雀のおやど」は今回が2回目。きっといっぱいになるだろうなと言うことで早めに出かけて正解。開場前には結構な人が集まっていました。開演前には満席。後ろに補助椅子が出るほどでした。

笑福亭呂竹さんははじめまして。「近日息子」というのも今回初めて聴く噺で、古典?と思って調べてみると、古典なんですねぇ。そして「近日札」というのは江戸時代からあったとか・・・。なるほどぉ。

続いてはお目当ての染二さん。この会は染二さんのサイトの落語情報で知ったものだから、当日渡されたフライヤーで初めて演目が「稽古屋」だと知った。この噺は軽く踊りなんかもあるもんだから、開演が待ち遠しかったんですが、染二さんの魅力を余すところなく発揮という感じでしたね。しかし主人公が女の子のおいも食べちゃうとこには爆笑。その演じ方反則ですから(笑)。この噺は以前別の方で聴いたことがあったんだけど、ラストに「?」こんなんだったっけ?覚えてないからはっきりと言えないんだけど・・・と思って調べたら。このパターンは江戸落語のサゲなんですね。やはり演者さんによって違いの出る落語っていうのは面白い。

雀三郎さんのマクラは変わった人という話から、2代目桂春輔さんの逸話。そういや先日の「二の会」でもこの人の話出てました。どうやら伝説の落語家さんのようで「動物園」をトラではなく象でやっちゃって、爆笑に次ぐ爆笑。そのあとの演者である枝雀さんがあいさつだけで降りたというのもすごい。その変わり者の話から「天神山」の変わり者へと続くんですが、「天神山」有名な噺だから生で聴きたかったんですよね。やっぱ面白い。でも長い噺なのでラストは狐とばれたという解説でまとめて「恋しくばたずねきてみよ 南なる天神山の森の中まで」で終わった。有名な「恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉」を知らないと面白くもなんともないサゲなんですが、古典落語は歌舞伎や文楽の演目につながるのが結構あるから余計に面白いんですよね。

トリは笑福亭福笑さん。前の雀三郎さんから、変わった人の話で、このあとの福笑さんもすごいなどと伏線をはられていたのですが、まずは時事ネタで、政治ネタ。ところが落とすところで噛んじゃった(笑)。そのままグダグダになり、このマクラとは全くつながりのない「浪曲やくざ」へと。
なんともすごい噺です(笑)。やくざだしBLだし反則技の連続のような噺ですね。私はもうこの方を最終兵器と呼ばせていただきます。しかしハチャメチャな方なのかと思っていたら、高座の降り方がとても丁寧で高感度アップ。不思議な人だよ。

いやあ実に濃い会だった(笑)。

【舞台】いのうえ歌舞伎『シレンとラギ』

2012年05月02日 | STAGE
劇団☆新感線2012年春興行 いのうえ歌舞伎『シレンとラギ』
脚本:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:藤原竜也。永作博美。高橋克実。古田新太。三宅弘城。北村有起哉。

対立する北と南。しかし南の王ゴダイが北が放った暗殺者シレンにより20年前に毒殺され、勢力の均衡は北に傾いていた。そんなある日、北のキョウゴクにシレンが呼び出される。理由は南の王ゴダイが生きている。再びゴダイ暗殺の命を受けキョウゴクの息子レンと共に南へと潜入するシレン。人を殺すためだけに生きているローラン族のシレン。シレンに憧れを抱き、次第にその思いを強くしてゆくラギ。しかし運命はそれぞれの愛の形を弄ぶ。

物語は重い・・・と言えば重いのかな。でも面白い。いい話だと思います。でも出来ればこれもう少しこなれた後半に観たかった。私が鑑賞したのは幕があいてから1週間なんで、新感線の舞台だとまだまだ序盤で、これからまだまだ変わるだろうなというモノだったんですよね。
そこらへんの話はもう少し後ですることにして、出演者。高橋克実さん。かっこよすぎます。超お得な役ですよ。藤原竜也さんはもう言うことなし。余裕だね。なんなんですかあのカーテンコールの笑顔。板の上の彼はホントにすごい。東京公演まで行くとこの二人もっとすごいことになってそうな気がする。あ、じゅんさんもさすが出来上がってましたねぇ(笑)。でもさすがに物語が重いのでまだちょっと遠慮がちな気もしないではない。北村有起哉さんもいいんだけど地味な役だけにあまり目立たない。でも今後目立ってくる可能性があるような気がする。あ、そうそうサンボさんファンは喜んで!この作品の彼はいい!キャラたってますよ犬だけど(笑)。ただ私が観て感じたのは役者が多すぎ。客演に劇団員。使うコマ多すぎて役がうすくなってる感があるような気がしたな。
で、ここからはネタばれがあるので改行。











シレンとラギの関係は、なんとなく読めた。でもその苦悩がシレンの方が弱いような気がする。やはりここは男性の脚本家、男性の演出家故の越えられないハードルなのかもしれないけど。この物語を悲恋へと導くのがキョウゴクなんだけど、キョウゴクの裏切りの理由がちょっとしんどい。というか娘ミサギに対する近親愛がイマイチ確立してない感じがした。演じる古田さんもまだ試行錯誤中のような気がしないでもない。ここはやはり娘を欲するドロドロな欲情を必死におさえつつ・・・というのを希望。
そういや、今考えたらシレンがゴダイを毒殺してから20年というのが大きなネタばれですよね(笑)。
シレンのゴダイへの思いも微妙。愛さないと殺せないという部分でゴダイへの愛の葛藤も感じられたらまた雰囲気かわっただろうな。そうなるとゴダイのシレンへの思いもそうなっちゃうんですけどね。
とにかくまだまだそれぞれが役に対して大きな振り幅を持ってる感が強かったので、絶対後半の公演の方が面白いと思う。うらやましいぞ東京!(笑)。

-2012.4.30 梅田芸術劇場メインホール-

【落語】「枝さんの朝から落語会」

2012年05月02日 | 落語会
「枝さんの朝から落語会」(2012.4.30 天満天神繁昌亭)

-演目-
林家染吉さん「動物園」
桂枝三郎さん「あくびの稽古」
桂三金さん「奥野君の彼女」
桂枝三郎さん「禍は下」

この日は夜から劇団新感線「シレンとラギ」鑑賞。一緒に観劇する友人たちも一日休みだしということで、朝から一緒に行動することになり、チョイスしたのがこの朝席。時間的には昼席でも十分に夜の観劇には間に合ったんだけど、新感線の舞台が3時間。繁昌亭の昼席も3時間ほどなんで、いくらなんでもきついだろうと判断して朝席に。
初めての朝席、演者さんもみなさんお初の方ばかり。チケットを買うとき「日時と繁昌亭朝席」と書いてチケットを申し込んだんですが、窓口の人がタイトルを確認するために読んだんだけど「えっとエダさん・・・シさん・・・なんて言うんでしょう?」「知りません」(爆)。つまりチケット確保の任務をいただいた私は誰のどういう会だともわからずにチケットを購入したのでありました。(^-^;枝三郎さんの会だから「エダさんの朝から落語会」なのね。

林家染吉さん「動物園」
「動物園」を生で聴くのはこれで2回目。前回は二葉ちゃんの「動物園」だったんですが、基本は一緒でも結構中身違うものなんですね。前がファスナーのトラ。この朝席のあと夜の観劇まで時間があるので「大阪くらしの今昔館」に行ったんだけど、そこでみつけたのがコレ。ヒョウの革かな?これを見ながら、ヒョウよりはトラの方が大きいだろうけどちょっとしんどいんじゃないかなぁ・・・などと考える私。そんなこと真剣に考えてどうすんだ?って話ですが(笑)。

桂枝三郎さん「あくびの稽古」
冒頭いきなり前の染吉さんのトラの動きにダメだし(笑)。「みなさんも覚えて帰って下さい」とトラの動き指南。そこから稽古の話になり、文枝師匠のものまねは絶品でした。以前聴いた、文三さんの文枝師匠も上手かったんですが、やはり稽古をつけてもらってると必然と身に着くのでしょうか(笑)。
「あくびの稽古」お噺は知ってましたが、生で聴くのは今回が初めて。サゲにあれ?と思ったらオリジナルでやられたのですね。こういうのも生の面白さなのかもしれません。

桂三金さんも初めてで、枝三郎さんの話によると彼が何故見台を使うのか?あれがないと立てないから。という三金さんは自分の体形をネタにした新作落語。面白いけど・・・どうなんだろう?やせたらこのネタ出来ないよね。他の人ももちろん出来ないよね。落語というものからすると何か違うような気がする。いや、面白く笑わせていただいたんですよ。決して貶しているわけじゃない。わけじゃあないんだけど、落語なのかな?と・・・。

トリの演目は「禍は下」。やり始めて小学生くらいの子どもさんがいるのに気付いた枝三郎さん。そのまま突っ走りましたが、もしかしたら少しマイルドになってたのかもしれません(笑)。この噺、生で聴くのは二回目。面白い噺なんで好きなんですが、あれ?女衆さんが尾けてく!?裃は?自分の知ってるバージョンと違うからびっくり。別バージョンとしてあるのかな?それとも枝三郎さんのオリジナル?気になるところです。でも私はあのおてかけさんが袴をたたむのは、自分の存在を知らせるためにわざとたたんだんだと思ってるんで、密かに女の戦いが見られる袴のサゲの方が好きですね。