にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【落語会】第三回桂米二一門会@繁昌亭

2014年10月26日 | 落語会
第三回桂米二一門会@繁昌亭
-演目-
桂二葉さん「道具屋」
桂米二さん「崇徳院」
桂二乗さん「茶の湯」
 仲入り
無礼講トーク
桂米二さん「火事場盗人」

一門会が第三回?と思ってたら繁昌亭でやるのが三回目なのね。考えたら大阪でやってる一門会は第一回から全部行ってるぞ。と言いながら一回でも抜けてたら困るので行ってるはずだ。としておこう。

二葉ちゃん年季が明けて半年ですか。こなれてきましたねぇ。もう手に汗握ることはないでしょう・・・と思ってたら、「あ、間違えた」って!(笑)。しかし、この半年でいろんな落語会経験しているせいか、余裕の修復でしたね。これが師匠クラスになるとしらーっと先に進めちゃうんでしょうね(笑)。これからがますます楽しみです。

前回は二葉ちゃんの年季明けで満席、今回は減っているというぼやきで入る米二師匠。大丈夫、これから二葉ちゃん二乗だんがどんどんファン増やしてお客さん増やしてくれますよ・・・って、あ、別に師匠の人気が頭打ちだって言ってる訳じゃないですからね。私も新規ファンですから。

私が米二さんを追いかけだしてちょうど三年。それでもれなくついてくる二乗さんの落語を聴いてからも三年になるんですよね。実は最初、二乗さんの落語聴くのしんどかったんです。とここでカミングアウトしておきましょう。今ではもうすっかりお兄ちゃんの余裕ですね。もうもれなくついてくることもなくなってますし・・・。

仲入り後は無礼講トーク。司会進行は二葉ちゃん。なぜか過去には二乗さんの公開説教のような状態になったのですが、さて今回は?というところなんですが、二葉ちゃんの質問が悪かった(笑)。過去感動した芝居や映画の話から、歌舞伎の「寺子屋」になり、「寺子屋」が出てくる落語は?と米二師匠から質問される二人。結局答えられずに解答は客席から(笑)。文楽や歌舞伎は見ておきなさいって結局公開説教となりました(笑)。

トリは米二さんの「火事場盗人」小佐田先生の新作なんですが、これは私は初見。まさかホロリとさせる人情話だとは思いませんでしたよ。一緒に行った友人は泣かせようというあざとさがなくってよかったと言ってました。ホロリときたそうです。え?私?私は米二さんってこういう人情話あまりしないから珍しいなぁ~・・・としみじみと聴いておりました。

もうもれなくついてこなくなった二葉ちゃん、二乗さんの落語が聴ける一門会、これからも楽しみです。

-2014.10.23 天満天神繁昌亭-



【舞台】木ノ下歌舞伎『三人吉三』

2014年10月13日 | STAGE
木ノ下歌舞伎『三人吉三』
監修・補綴:木ノ下裕一。
演出・美術:杉原邦生。
出演:大村わたる。大橋一輝。堀越涼。村上誠基。熊川ふみ。兵藤公美。武谷公雄。

あらすじは言わずと知れた『三人吉三』なので割愛。ただ一般的に知られている『三人吉三』の物語に文里、一重という商家の主と郭の女郎の物語がプラスされてます。というか初演時は『三人吉三廓初買』で、この物語もちゃんとあったそうです。ちなみにその文里、一重がどう三人吉三と絡むかと言いますと、まず一重はお坊吉三の妹です。そして庚申丸の短刀を百両で売る小道具屋が文里の店つまり夜鷹と遊んだために百両を落としてしまう手代重三郎は文里の店の奉公人です。

まずなぜこの作品を観に行ったかと言いますと、友人からお誘いがあったから(笑)。ま、いくらなんでもそれだけで観に行くわけないんですが、歌舞伎が好きなので歌舞伎と名がつくと非常に興味がそそられるというのもあり、以前からちょっと気になってはいたんですよね。で、出かけたわけなんですが・・・。休憩入れて5時間。長げぇよ。まぁ歌舞伎はさすがに通しでは観たことないけど文楽は午前、午後通しで鑑賞したことがあるので、そうそう疲れる時間でもないんですけどね。

まずは普通に観てて「ふーん」って感じで観てた。亡き勘三郎さんのコクーン歌舞伎の『三人吉三』、吉右衛門、団十郎、菊五郎の『三人吉三』ともにCATVで観てたから『三人吉三』ってピカレスクロマン的なかっこ良くシブいものってイメージがあったんですよね。現代風アレンジ・・・ねぇ。一幕目終了、休憩を挟んで二幕目冒頭。なんじゃこりゃ?な場面。いきなり音楽なってみんな踊って出てきて、なんスかその衣装?しかもちょっと小太りな女の子がいたので、私はボートレースのCMコレのパクリかパロディかなのかと思っちゃいましたよ。場所は地獄、閻魔さまが囲っているのは紫式部。そこに現れた小林朝比奈。そして地蔵。なぜだか紫式部の奪い合いになってじゃんけんが始まって・・・。コレ観てない人こいつは一体何を書いてるんだ?って思うでしょうねぇ。でもこんな感じのグダグダ。そしてそれは夢だったと次の場に移るんですけどね。そして三幕、いよいよ「吉祥院の場」でお金と刀が揃って!と思ったら「丁子屋別荘の場」文里の子を産んで産後の肥立ちが悪く臥せっている一重。一重から子を託される文里と文里の妻おしづ。一重の死。「火の見櫓の場」スローモーションで斬り死にしていく三人吉三。
あまりの失速感に呆然としてしまった。
そして呆然としてしまった私を立ち直らせてくれたアフタートーク。
終演後、木ノ下裕一さんと杉原邦生さんのアフタートークがあったのですが、これでいろいろな点に合点がいって、面白いじゃないか!という感想に変わる(笑)。
まず大元の脚本河竹黙阿弥の書いたものを多少の取捨選択はあるものの、ほぼ変えていないそうです。そうなんです、つまりこれいるのか?と思った二幕目冒頭の「地獄」も黙阿弥さんの台本にあったそうなんです。なんでも当時、初演は正月とのことで、正月の演目の決まり事。出演している役者をすべて出して、踊ったりさせる。昔は旧暦なので節分と一緒なのでその描写・・・ってことで鬼。曽我兄弟をいれなければいけないということでなぜか小林朝比奈の登場。なのだそうです。黙阿弥さんこれはどう考えてもやっつけ仕事だろう?と小一時間問い詰めたいくらいです。
ちなみにこの場面は安政七年 (1860年)の正月に初演された時に入ってたけど、それ以来ないとのこと。つまり154年ぶりに復活、再演されたんです。すごい!黙阿弥さんのやっつけ仕事が平成の世に蘇ったんです!(笑)。これ俳優祭あたりでやったらきっと菊五郎さんがうれしそうに閻魔大王やるんだろうなぁ・・・などとふと思う。
この作品が書かれたのは桜田門外の変のあった時期、幕末から明治にかけての動乱の時期で、壊されるものと残されるもの、新たに作られるもの。終焉、再生、誕生、すべてを見ることのの出来る時代。その時代に作られたこの作品、三人吉三だけだったら死のみなんだけど、文里、一重の物語があることで死と生が描かれるんですよね。それを知ると本当にこの作品は面白い。これを知った上で、もっとこなれたこの作品を観てみたいなと思う。次、東京でやるらしいですが、さすがに行けないですけどね。
来年の2月は京都で「黒塚」うーん・・・行きたいけど京都はなぁ・・・。うまく仕事が早仕舞い出来るようだったら考えよう。そしてチケットがあれば。
そうそう以前に「義経千本桜」もやってたらしくって、これは観たかったなぁ。再演とかしないのかな。なんでもこれは6時間だったとか・・・。でもこれは絶対に耐えられる。だって好きだから(笑)。

あ、最後に一言。ラストのスローモーションの立ち回りシーンに流れる「今日の日はさようなら」ひっくり返りそうになったよ。『エヴァ』意識?(笑)。

-2014.10.12 京都芸術劇場 春秋座-