にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【落語】第32回こころ坂・楽々落語会

2012年08月29日 | 落語会
第32回こころ坂・楽々落語会(2012.8.26)
-演目-
桂小鯛さん「口合小町」
桂米二さん「つぼ算」
桂ちょうばさん「ぜんざい公社」
桂米二さん「算段の平兵衛」

なんと京都での落語会。米二さんは京都の人だから京都での落語会が多いんですよね。でもさすがに京都までは行けないので一度も行ったことはなく・・・。ところが京都在住の友人から行きませんかとのお誘いがあり、この会は懇親会付だったので京都までいく甲斐はあるかなと出かけてきました。その前に京都水族館という目的地もプラスして観光プラス落語の一日でした。

桂小鯛さんの「口合小町」。これは全く聴いたことのない噺。だじゃれのことを「口合い」って言ったんですね。調べてみると関西の言葉だとか・・・。へぇ~。失くなった言葉を知ることが出来るのも落語の面白さの一つかもしれません。そういえば落語には奥さんの悋気というのも結構よく登場しますよね。このあたりはやはり落語は男性の芸だったからかもしれませんね。

米二さんの「つぼ算」。米二さんの「つぼ算」は初めて聴くはずなんだけど、なぜか初めてじゃないような気がする。他の人のを聴いたのを勘違いしているのか?と帰ってきて調べたら、「つぼ算」自体、生で聴くのは初めてだった。「あれ?」ま、それだけ有名な噺ってことでしょうか。しかし「住吉駕籠」の二人の駕籠かきといい、この噺の二人といい、米二さんのこういうちょっとボケたのとしっかりしたのとの掛け合いは絶妙だ。

桂ちょうばさんの「ぜんざい公社」。この噺は完璧に知っている!なんか懐かしかったなぁ。むかーしにテレビで聴いたことあるんですよね。あれは誰だっただろう?私はてっきりその聴いたことがある人(誰だか思い出せないのがかなりいい加減なんだけど)の新作だとばかり思っていた。新作と言えば新作だけど元は戦前なんですね。役所の体質は半世紀をもってしても変わらないってことなんですね(笑)。

トリは米二さんの「算段の平兵衛」。これは2回目。でも面白い!好きな噺の一つです。前回のときもおっしゃてましたが、本当はこのラスト、平兵衛の悪事を嗅ぎ付けた按摩の徳の市が平兵衛を強請りに来るという展開があるそうなんだけど、そこは面白くないから割愛とか。でもこれは死体となって散々な目にあう庄屋さんの憐れがおかしい噺だと思うのでそれだけで十分ですよね。

この日初めて行った京都での落語会。なんとなくだけど会場の雰囲気が違うような気がする。やはりこちらがホームってことなのかな?京都がホームで大阪はアウェイ。ふとそんなことを感じた落語会でした。

【落語】第13回京の噺家桂米二でございます@繁昌亭

2012年08月25日 | 落語会
第13回京の噺家桂米二でございます@繁昌亭(2012.8.24)
-演目-
桂二葉さん「動物園」
桂米二さん「二階借り」
桂米二さん「はてなの茶碗」
 中入
桂福團治さん「借家怪談」
桂米二さん「住吉駕籠」

開演は18時30分。この時間は正直きつい。なんたって定時18時ですからねぇ。でも前日から明日は定時速攻で帰らせてもらいます。と宣言をしておき、当日も昼食後は帰りにロッカーによらなくてもいいように荷物全部持って部署へ。おかげで無事開演に間に合いました。

以前は二乗さんだったのに・・・。きっと開口一番の位置は卒業ってことなんでしょうね。
本日は二葉ちゃん。マクラで少しかんじゃいましたが、「動物園」うまくなってますよ。もうハラハラドキドキはない。でもふと思った。あのトラの歩き方、枝三郎さんにダメだしくらうな(笑)。こちら参照
この日の二葉ちゃんはすごく楽しそうに演じていたような気がしたんだけど、リラックスしてたのかな?

やはり本日も気が気じゃなかった米二師匠。でもきっと師匠でいる限りはずっと弟子の高座に気が気じゃない状態が続くんでしょうね。
今回で二回目の「二階借り」米二さんの演じる間男される旦那さん好きだ。なんかねぇ・・・どういうんだろ?米二さんの演じるいわゆるボケキャラ好きなんですよねぇ。チャーミングなんですよ。

引き続き羽織だけを着替えて「はてなの茶碗」。
この噺、茶金さんが「はてな」と言った茶碗の話ということまでは知っていたんですが、その後の展開は全く知らなくって、もちろんこの噺を聴くのも初めて。ほぉ~・・・こういう噺だったんですか。面白い。

中入り後は福團治師匠。
この方の落語を聴くのはこれが初めてです。あ、もちろん生では・・・ですけどね。まだお若いころにテレビで何度が拝見していたんですが、年取られたなぁ~と思ってみていたら、「あー、しんど」「扇子でささえてんと前のめりなりますねん」とか、なんかヨレヨレ感をアピール。でもその飄々としたしゃべりがまた面白い。すごいなぁ。演目は「借家怪談」初めて聴く噺だったんですが、面白い。というより福團治さん。すごすぎです。なんなんですか、あの最初のヨレヨレ感は。噺に入ると全然違うじゃないですか。すごいなぁ。そつがない。でもなんで最後に家を借りに来た喧嘩っ早そうな男の登場がざこばさんっぽかったんだろう?(笑)。その男が実際に家を借りにくる前で終了だったんですが、もっと聴きたかった。

トリは米二さん。これも私が聴くのは2回目の「住吉駕籠」。福團治師匠の素晴らしい落語のあとの素晴らしい「気」のせいか、以前聴いたときより楽しかった。

携帯さえ鳴らなければ最高の会でした(笑)。しかもダブルだったもんなあ・・・。勘弁してください。一度目はコール音あり。続いてに二度目はバイブの「ウィーン、ウィーン」ってやつ。それも私の横二人。

ま、そんな減点があったにも関わらず、いい会でした。楽しかった。やはり好きな噺家さんの落語が一度に三席も聴けるっていいですよねぇ。堪能した。

【映画】『ぼくたちのムッシュ・ラザール』

2012年08月16日 | MOVIE
『ぼくたちのムッシュ・ラザール』MONSIEUR LAZHAR(2011年/カナダ)
監督:フィリップ・ファラルドー。
出演:フェラグ。ソフィー・ネリッセ。エミリアン・ネロン。ブリジット・プパール。

モントリオールの小学校。雪に埋もれた真っ白な校庭に登校してきた生徒たちが集まる。牛乳当番に当たっていたシモンはみんなよりも先に教室へと向かう。そしてそこで彼が見たのは、担任教師マルティーヌが首を吊って死んでいる姿だった。
動揺する生徒たち親たちへの対応に追われる学校。後任の教師の手配も整わない中、アルジェリア出身のバシール・ラザールが教員の応募にやってくる。授業内容は古臭いが、常に真摯な姿で生徒たちに向き合うラザールに少しずつ打ち解けていく生徒たちだったが、彼らの心にマルティーヌの死が覆いかぶさっていた。そしてラザールの心にもアルジェリアでの出来事が深い傷となって残っていた。

担任教師の首つり死体が一人の少年によって発見されるという衝撃的な事件から物語は始まる。しかし全く明らかにされない教師の死の真相。おざなりに進められる生徒たちの心のカウンセリング。マルティーヌの後任となったラザールは、なぜマルティーヌは死んだのか?なぜ教室で死んだのか?気になりながらも学校の意向はそのことに触れるなということであえて語らずにいた。そして自分自身のことも全く語らずにいた。アルジェリアで教師をしていた妻。その妻が出した本が問題となり家族が狙われ、亡命を決めた矢先、家に火が放たれ、妻と子を亡くす。眠れない夜に耐えるラザール。そんな彼だからこそ生徒たちの心の奥の消えぬ闇にどこか気付いていたのかもしれない。大仰に語らない語り口が心地いい。いつも頭が痛いと寝てばかりいる生徒が実は、まともに食事をとっていないんだという描写が秀逸です。そしてさりげなくその子の机にバナナとお菓子を置くラザール先生。ラストでラザールが文法の間違いを指摘させるために語る寓話に目頭が熱くなった。森の中の大きな木の話。それはラザール自身。深く愛することができる人こそが教師たるべきなのかもしれません。ほんのり苦くて優しい映画でした。

-2012.8.14 テアトル梅田-

【映画】『ダークナイト・ライジング』

2012年08月14日 | MOVIE
『ダークナイト・ライジング』THE DARK KNIGHT RISES(2012年/米)
監督:クリストファー・ノーラン。
出演:クリスチャン・ベール。マイケル・ケイン。ゲイリー・オールドマン。アン・ハサウェイ。

ジョーカーとの死闘から8年。トゥーフェイスであったデント検事殺害の罪を被り世間から姿を消したバット・マン。そしてブルース・ウェインもまた守れなかった者への思いから屋敷に閉じこもり世捨て人のような生活を送っていた。平和な日々が続くゴッサムシティ。そのゴッサムシティを破壊しようとベインが現れる。再び黒い衣装に身を包むブルース・ウェインだが・・・。

なんだか評価が分かれてるっぽいんだけど、私はこれ面白かった!上映時間165分。え?そんなに長かったの?って感じです。特に私はリーアムの出演を知らなったもんだから、ラーズ・アル・グールの名前が出てくるとなんだかドキドキしてた(笑)。もしかして出てくるの?って。そして、まず声が!?・・・で・・・。来たー!思わず叫びそうになっちゃったよ。相変わらずかっこいいなぁ。ここで私のテンションアップ。これだけで私の満足度は120%になっちゃったよ。この作品ゲイリー・オールドマンもいいんですよねぇ。もしかしたら私は屈折したヒーローが好きなのかもしれない。だからこのシリーズは好き。以前の「バット・マン」のシリーズは一本も観てなかったりするんですけどね。いやあ、面白かった。満足満足。キャット・ウーマンのアン・ハサウェイもすごくチャーミングだし。ラスト、思わず「え?アトム?」などと思ったのですが、そうですか。そういうことですか。このラストも気持ちいい。もう一回見たいくらいだけど、次はDVD発売まで待つとしましょうかね。

-2012.8.13 MOVIX堺-

【落語】動楽亭 昼席

2012年08月08日 | 落語会
動楽亭 昼席(2012.8.8)
-演目-
桂小鯛さん「時うどん」
桂ちょうばさん「猫の茶碗」
桂わかばさん「片棒」
桂南光さん「化物つかい」
 中入
桂米二さん「牛ほめ」
桂米紫さん「子は鎹」

実はここ以前客席5人というのに当たってから平日に行く場合は結構ドキドキする(笑)。でもさすがに今日は南光さんというビッグネームがあるせいかそこそこ入っていた。
開演を待つあいだ、ふと聞こえてきたイビキ。暑い中外で待ってて涼しいところに入って寛いじゃったのかね?(笑)。このままずっと寝てたらすごいな・・・と思ってたんですが、開演と同時に覚醒されました。

開口一番は小鯛さん。コダイさんって後ろ下げないといけないんだね。あげちゃうと古代さん・・・「古代くん」と森雪風に呼びたくなってしまう・・・なんてことを思っちゃったりなんかしながら「時うどん」。
小鯛くんゴメン。一番前のおじさん。開演前にイビキかいて寝てた人なんだけど、開演したらこれがまたノリがよくって、手たたいて笑ってる。そのギャップに私、ハマってしまって、おじさんが面白くって、意識がそっちにいっちゃってました。でも案外小鯛さんもやりにくかったんじゃないかなぁ。

ノリのいいおじさんが一席で普通の風景として馴染んだので気にならなくなった二席目はちょうばさん。ちょうど昨日パパになられたそうで、おめでとうございます。「猫の茶碗」噺は知ってましたが、生で聴くのは初めてだったかな・・・。しかし一万円とられて、結局連れて帰らないといけなくなったネコたちは幸か不幸か・・・。なんかどうも落語に出てくるネコって扱いが邪険なんだよねぇ。

続いてわかばさん。なんと演目は「片棒」!これ、以前第3回林家BEAMSで染太さんのを聴いてるんですが、その時なんだか新旧入り乱れ感があってなんとも落ち着かず気持ちの悪かったんですよね。でも今回は変に現代風味が入ってないからすんなり聴けた。やはりいじり方を間違えると噺壊れちゃうんですね。

中トリはビッグネームな南光さん。実は今回初めてこの方の落語を聴きます。それも生で初めてではなく、テレビやラジオも含めて全く初めて聴く南光さんの落語だったりします。マクラでは奥様との家庭での攻防を話されたんですが、ざこばさんも奥様ネタ話すんですよね。なんかダブっちゃった。演目は「化物つかい」これは先日吉の丞さんで初めて聴いた噺なんですが、全然違います。って当たりまえなんですけどね(笑)。でもテレビで聴くよりも今日の方が声がしゃがれてて、この方はこういう声なんだとわかってはいても、ちょっとつらかった。好きになる落語家さんってその人の芸風もあるけど声もあるんだなと実感。

中入り後は米二さん。私の中の本日のメインイベントです。出てこられるとホッとする。でもマクラは手を抜いてる感がありましたが・・・(笑)。前日に京都であった米二さんの会に私の友人が友人を連れて出かけて、初めて落語を聴き初めて米二さんを見たその友人の友人が米二さんのことを「男前でダンディーだ」と言っていたとの報告があり、思わず高座の上の米二さんをじっとみつめてしまったよ。・・・・・・・・・・・・・・・・。
演目は「牛ほめ」!お弟子さんの二葉ちゃんがネタおろししたばかりのネタだから、思わずにやけてしまった。やはり一番いい。私の中では本日一番です。

トリは米紫さん。まさか「子は鎹」が来るとは思ってもみませんでしたよ。しかし・・・あれ?お父さんとお母さんが逆だ!私が聴いたのは染二さんの「子別れ」だったから、上方版は逆なのか?と思って調べたら、普通「子は鎹」でもお父さんが子供と出会って鰻屋なんですよね。なんで逆なんだろう?そっちの方が気になる(笑)。米紫さん大熱演!ところがクライマックス聞こえてくるイビキ・・・。最初に寝てた人かどうかはわからなかったのですが、さすがに米紫さん堪えたんだろうなぁ「いいところなのにイビキ聞こえるし!」とかって言っちゃった。(^-^; お気持ちお察し致します。でもこの会で「子は鎹」はどうかなぁ~・・・とは思う。

生ならではの楽しさのあった本日の動楽亭でした。

【映画】『第一の敬意』

2012年08月05日 | MOVIE
『第一の敬意』Mudhal mariyadhai(1985年/印・タミル)
監督:ヴァーラディラージャー。
出演:シヴァージ・ガネーサン。ラーダー。

村の有力者マライチャーミーは、村の人々の尊敬を集めていたが、妻ポンナータは、入り婿的な立場にあるマライチャーミーをいつも疎ましげに扱っていた。そんなある日よその村から一組の親子がやってくる。食べるものがなくて流れてきたという。川沿いに小屋を建て川の渡しを始める。やがてその娘クイルと親しくなるマライチャーミーだが、決して必要以上に近づこうとはしなかった。しかし靴屋からマライチャーミーの過去を聞かされたクイナは、いつしか彼に惹かれていく。二人のほのかな恋心がやがて・・・。

まず「パダヤッパ」パパでしか知らないシヴァージ・ガネーサンが太っていたのにびっくり。そしてラジニ映画でおなじみのジャナカラージが!なんかうれしかった(笑)。あとマライチャーミーの悪妻ポンナータが、絶対この人「アルナーチャラム」のおばあちゃんだよなぁ・・・と気になってて帰ってきて調べたらビンゴ!悪役もいい役もこなすうまい女優さんですよね。
上映時間は163分。歌や踊りのあるインド映画なら当たり前の長さなんですが、この作品には歌はあるものの、ダンスシーンというべきものはなかった。それで163分長い・・・と思わないのがこの映画のすごいところで、歌がね・・・いいんだ。ジーンときます。まさしく名作。わざわざ万博公園までやってきた甲斐がありました。観られてよかった。ハッピーエンドではない・・・かもしれないけど、ある意味ハッピーエンドなんじゃないかな・・・って気がする。ラストにはウルってきちゃいましたよ。ホントにいい映画でした。これ観終わってふと歌舞伎にしてもいいんじゃないか?って思いました。現代風な話ではないから余計に歌舞伎にマッチするような気がした。「家」のために耐える男。その男が護るもののために自らを犠牲にする女。ね、歌舞伎向きでしょ?(笑)。
インド映画好きで歌舞伎好きには絶対にお薦めの一本ですね。ターゲット狭すぎですが・・・。と言ってもこういう作品はそう簡単に観てもらえないのが切ない。

-2012.8.5 国立民族博物館-