にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【落語】第71回 新開地寄席

2013年07月22日 | 落語会
第71回新開地寄席(2013.7.13 新開地まちづくりスクエア)
-演目-
桂小梅さん「転失気」
林家卯三郎さん「くっしゃみ講釈」
月亭文都さん「御神酒徳利」
桂雀三郎さん「皿屋敷」

5月は音楽祭で抜けたために、4か月ぶりの新開地寄席です。前売りと予約で100を超えてて幕開け前には大入り決定です。満員御礼はやはり気持ちいいですねぇ。
ところが・・・。なんと前日から空調が故障。クーラーの効きが悪い中に100人収容。この時期ちょっとした嫌がらせのようです。開場して人が一気に増えたときには大丈夫かな?とは思いましたが、ま、クーラーの効きが少し悪いかな?という程度で無事終了しました。

前々回、師匠の付き人としていらしてた小梅さん、今回は演者さんとして登場です。スタッフが注意事項としてクーラーの効きが悪いので気分が悪くなった方がいらっしゃったら手をあげてお知らせくださいという説明をかんじゃって、ちょっとわかりづらい説明になったのを、しっかり袖できかれていて、高座で再度お知らせくださるという親切さ。こいう機転がプロなんでしょうねぇ。
初めて聴かせていただく落語は思ってたより上手くてびっくり。あ・・・失礼。(^-^; いや、ほら、年齢とか雰囲気とか、そんなに器用そうには見えない・・・あ、またまた失礼。コホン・・・とにかく!だよ。うまかったんだよ。また聴きたいと思ったんだよ。これからが楽しみだなって思ったんだよ。以上!

卯三郎さんは、はじめましてです。まさかこの位置で「くっしゃみ講釈」が聴けるとは思いませんでした。真面目そうな雰囲気そのままに、正統派で面白い「くっしゃみ講釈」でした。ところで、これに出てくる「のぞきからくり」ってなんぞや?って話になるかと思うのですが・・・え?ならない?なろうよ!ということでみつけました。こんなのhttp://www.youtube.com/watch?v=387EpMmMgMcだそうです。後半に実際にカラクリのぞいた場面と歌があるんですが、どうも落語で聴く歌と節が違うような気がするんですが、地域性?

3月・・・いや4月・・・どっちでもいいや。とにかく春ごろ(笑)に、八天さんから文都さんに替わられた・・・って言い方変だな。文都さんを襲名された文都さんです。これもなんか変だけど、ま、いいや。ブントって音に聞き覚えあるなぁ~と思って調べたら、そうそう連合赤軍とか六十年安保のあたりにブントって出てくるんですよね。だからどうした?って話ですが・・・。
「御神酒徳利」のそろばん占い。「徳利のお名前なんてーの?」に笑ってしまった自分が悲しい。そして、うちの家で奥の間って言うたら押入れやろう。という場面で「青菜ごっこ」をした。に思い切りウケた。もうなんでかわかんないけど、あの「青菜」の押入れのシーンが好きなんだよ。文都さんさすがです。そつないですねぇ。

そしてこの時期にぴったりの「皿屋敷」。雀三郎さんの「皿屋敷」ってどんな感じなんだろう?と楽しみにしていました。面白い!見物人が増えて芝居がくさくなったお菊さんは最高です。大げさでためる芝居。この「皿屋敷」演者さんによってはちょっと怖い感じもいれたりするようなのですが、雀三郎さんのは全部面白い(笑)。これはキャラなんでしょうねぇ。

「くっしゃみ講釈」「御神酒徳利」「皿屋敷」となんとも満腹すぎる落語会でした。

次回は9月15日(日) 午後3時開演。
桂出丸さん「一文笛」 桂雀太さん「上燗屋」 笑福亭たまさん「火焔太鼓」 桂雀三郎さん「口入屋」
入場料1500円 078-576-1218 で7月23日より予約受付開始です。

【映画】『折れた矢』

2013年07月20日 | MOVIE
『折れた矢』Unbowed(2011年/韓国)
監督:チョン・ジヨン。
出演:アン・ソンギ。パク・ウォンサン。ナ・ヨンヒ。キム・ジホ。

大学の数学教授だったキム・ギョンホは、入試に出題された問題に誤りがあることを指摘し公表することを主張するが、その主張は受け入れられず逆に大学側から解雇されてしまう。不当解雇として大学を訴えるも控訴は棄却され、キムは担当判事に正当な裁判を要求するために判事の自宅へ行き、威嚇のために持参したクロスボウが発射され判事を傷つけたとして逮捕される。判事襲撃はテロと判断され、厳罰に処されるキムだが、彼はクロスボウを撃ってはいない判事を傷つけてもいないと主張。
2007年に実際に韓国で起こった「クロスボウ・テロ事件」を元にした作品だそうです。

キム教授の妻が夫からの依頼で弁護士のパク・ジュンに会いにいく場面から、この弁護士が裁判を引き受けるまでは、はっきり言ってすごくうっとうしかった。いや、映画がつまんないとかではなく、この弁護士のキャラが・・・というか、このアル中弁護士がどうにもキライなタイプなんで、なんなんだよおまえは!ってムカついてた(笑)。ところが、この弁護士の過去が明らかになって落ち着いた(笑)。私はいたって単純なのである。そして裁判が始まると、検察や裁判長にムカつくも、とにかく面白い。普通の法廷ものなら、検察と弁護士の言葉の応酬の面白さがあるんだけど、この作品では裁判官側は却下しますとかの単純なセリフだけで、弁護士とキム教授が自分たちの主張をまくしたてる。その対比がまた面白い。韓国でヒットした理由もわかる。そして物語としては理不尽な流れとなるんだけど、ラストシーンでのアン・ソンギ扮するキム教授の笑顔に救われる。ああ、この作品、この役をアン・ソンギがやってるからこそのヒットなんだろうなと思う。
この作品、脚本も面白いし、アン・ソンギやパク・ウォンサンの演技も素晴らしい。でも、大元のこの事件に関して言えば、クロスボウ持ってったらそりゃやばいだろうキム教授。と私は思う(笑)。ただ、実際の事件を元に司法や国家の黒い部分を描くというこの力はさすがだ。昔の日本映画にはこういう作品もあったけど、今の日本の映画ではまず描かれることがないんじゃないかな?と思う。すごい作品です。

-2013.7.17 シネマート心斎橋-

【映画】『スタンリーのお弁当箱』

2013年07月13日 | MOVIE
『スタンリーのお弁当箱』Stanley Ka Dabba (2011年/インド ヒンディー語)
監督:アモール・グプテ
出演:パルソー。ヌマーン。アビシェーク。アモール・グプテ。デイビヤ・ダッタ。

いつも明るく周囲を笑わせているスタンリーは、家庭の事情からお弁当を持ってくることが出来ず、昼食の時間は水道の水で空腹を満たしていた。そんな彼を見かねた級友たちは、自分たちのお弁当をわけてあげることにするが、自分もいつもお弁当を持ってこないで同僚たちにわけてもらっているヴァルマー先生は、裕福な生徒アマンのお弁当が大きいことに目をつけていたために、スタンリーがわけてもらっていることを知り激怒。お弁当を持ってこれないものは学校にも来るなとスタンリーに言い放つ。それにより学校へ来なくなったスタンリーだったが・・・。

なんでもこの作品は映画のワークショップとして素人の子供たちを使い、1年半もかけて撮影されたそうです。というのは実はこの作品を観終わってから知った(笑)。スタンリー役の子は監督の息子だそうで、素人とは言いつつ貫録の主役ですね。しかし私はこの作品ほのぼの系の作品だとばかり思ってたんですが、まさかまさか・・・ですね。なんとも憎たらしいヴァルマー先生をとにかく悪役にして翻弄してはいいけど、この悪役がホントにむかつく。自分も弁当持ってこなくって人にたかってるくせになんなんだよ!とあまりにもむかつきすぎるんで、生徒たちがこいつを翻弄して面白いとこまでいかないんですよねぇ。しかもなんでこいつは弁当を持ってこないんだ?というのが気になって仕方ない。自分の弁当は早ベンしちゃって昼にはもうお弁当がない。でも昼にはやはり空腹で・・・という描写でもあればまだ納得いったんだけど。ま、そこはおいといて・・・。悪役をやっつけて、スタンリーもちゃんとお弁当持ってこれて・・・と思ったところから、「え?!」やられましたねぇ。社会派な映画だったんですね。しかも明るいスタンリーの嘘で終わってるところがなんとも言えずズキズキします。ホントに誰だよこの作品ハートフルコメディなんて言ってるのは。胸に痛いよこの作品は。

-2013.7.10 梅田ガーデンシネマ-

【落語】第33回 慈光寺寄席

2013年07月01日 | 落語会
第33回 慈光寺寄席(2013.6.30)
-演目-
桂弥太郎さん「向う付け」
林家染二さん「天神山」
 中入
桂阿か枝さん「竹の水仙」
林家染二さん「夢の革財布」

東住吉区今川にある慈光寺さんでの落語会。こちらにお邪魔するのは二回目。時間があえば出来る限り行きたい会なんですよねぇ。まず、染二さんの会である。うちと同じ沿線である。そしてなにより500円のワンコインなんですよ。こんなにありがたい落語会はないですよね(笑)。
お囃子で住職さんが登場するというのもなんとも面白いですし。

開口一番は弥太郎さん。「向う付け」は初めて聴く噺で、まさか葬式の話だとは思いませんでした。今では無筆な人ってあまりいないですから、あり得ない話なんですが、落語の時代、くまさんはっつぁんの時代には結構いたんでしょうね。

続いては染二さん。ここのネタだけネタだしされてなかったので、何をやられるんだろう?と楽しみにしていたら、「あれみんなどこいくねん、花見や・・・」なんて出だしだったので「貧乏花見」?と思ったら、「天神山」でした。でも染二さんの「天神山」を聴けるなんて、それだけで得した気分です。ラストが違った・・・というか、狐の母親が子供に別れの台詞を言う場面があって、たぶんこれ私初めてなんですよね。で、ちょっとぐぐってみたら・・・。あ~!なるほど。今まで聴いてたのって狐とばれるという場面がカットされてたバージョンなんですね。もちろん今回もその場面はカットされてますが、寝ている子供に語りかけるシーンはあるというバージョンでした。なんかまたひとつ得した気分だ。

中入後は初めましての桂阿か枝さん。浪曲の人ですか?というくらいかすれたハスキーボイスで、地声?と思っていたら、やはり風邪をひかれていたそうで、初めてだから地声で聴けなかったのは残念です。左甚五郎と言えば「ねずみ」というのもあったな・・・と落語で左甚五郎が登場するの他にもあるのかな?とまたもぐぐったらありました。「三井の大黒」も甚五郎さん登場するそうで、これも聴いたことないので一度聴いてみたいものです。艶噺で「左甚五郎作」なんてのもあるそうで・・・。落語ってネタかぶらないようにするらしいんですが、それ無視して「左甚五郎特集」なんてのも出来そうですね(笑)。

トリは染二さんの「夢の革財布」。有名な「芝浜」の上方版。染二さんの人情噺はやっぱいいな。案外ご本人も人情噺がお好きなのかもしれないな。なんて思ったりする。そういや以前聴いたときは痛恨のミスがあったんだな(笑)。今回はミスもなく終了。「芝浜」では海で財布を見つける場面があるんだけど、「夢の革財布」ではないのかな?それとも単純にカットされてるだけ?カットされてるのなら、一度フルバージョンを聴いてみたいものです。