一見、何かの楽器のように見えるケースに散弾銃を入れ、結婚式披露宴会場を目指す一人の女性関沼慶子。物語は彼女が披露宴会場を目指す日曜日の夜から始まる。その彼女が出入りする釣具専門店の店員織口邦男と佐倉修治。慶子の元恋人国分慎介。その妹国分範子。様々な人を巻き込んで、それぞれの心の裏側が軸となる長い長い一日。
びっくりしたなぁ。まさか結婚式場へ自分を騙し、捨てた男への復讐のために出かける女性の物語から、いろんな人が絡み合い、一つの流れの中で組み合わさっていくなんて思いもよらなかった。いやぁ堪能しました。そしてまたこの作品でも大きく唸らせることばかり。「スナーク」=「正体のはっきりしない怪物」。人って誰だってどこでどうなるかわからない。いつだって怪物になってしまえるものなんですよね。いい人も悪い人もとにかくこの人の作品の登場人物はなんともリアルに等身大なものだから、なんだか余計に身につまされる。さすがに散弾銃を振り回してどうこうなんてことは現実的にはないでしょうが、国分範子をやった偽りの手紙で自分の代わりに相手をどうにかしてもらおうとか、告げなくていいことを告げて、相手が怪物にかわるのを待つなんて所業は、したことがない。考えたことがない。とは言えない。(^^;) この本の裏表紙にある紹介文に「人間の真実を抉る傑作サスペンス!」とある。確かに見事に抉ってますな。見事に抉られてるもんだから、読み終わったあと妙に心が痛い作品でもあります。
びっくりしたなぁ。まさか結婚式場へ自分を騙し、捨てた男への復讐のために出かける女性の物語から、いろんな人が絡み合い、一つの流れの中で組み合わさっていくなんて思いもよらなかった。いやぁ堪能しました。そしてまたこの作品でも大きく唸らせることばかり。「スナーク」=「正体のはっきりしない怪物」。人って誰だってどこでどうなるかわからない。いつだって怪物になってしまえるものなんですよね。いい人も悪い人もとにかくこの人の作品の登場人物はなんともリアルに等身大なものだから、なんだか余計に身につまされる。さすがに散弾銃を振り回してどうこうなんてことは現実的にはないでしょうが、国分範子をやった偽りの手紙で自分の代わりに相手をどうにかしてもらおうとか、告げなくていいことを告げて、相手が怪物にかわるのを待つなんて所業は、したことがない。考えたことがない。とは言えない。(^^;) この本の裏表紙にある紹介文に「人間の真実を抉る傑作サスペンス!」とある。確かに見事に抉ってますな。見事に抉られてるもんだから、読み終わったあと妙に心が痛い作品でもあります。