にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【映画】『三本指の男』

2007年02月17日 | MOVIE
『三本指の男』(1947年/東映)
監督:松田定次。
出演:片岡千恵蔵。原節子。杉村春子。風見章子。宮口精二。

アメリカで世話になった久保銀造の姪克子が、その町の旧家一柳家の当主賢蔵と結婚することが決まり、その祝いにやってきた金田一耕助は、結婚を邪魔しようとする怪文書が一柳家と久保家に届いているのを知る。そして結婚式の前日、怪文書の主とされる「三本指の男」が一柳邸へと現れる。結婚式は無事滞りなく行われたが、その翌早朝、新郎新婦が密室と化した離れで無残な姿となって発見される。

金田一耕助がスクリーンに初めて登場した作品だそうです。金田一役は片岡千恵蔵さん。スーツ姿で颯爽と登場。で、ちょっぴり多羅尾伴内入ってます(笑)。
いやぁ~、それにしてもこの作品には驚いた。『三本指の男』というタイトルで横溝シリーズ知ってる人なら、あ、元は『本陣殺人事件』ね。ってわかるかと思うのですが、上のあらすじ読んでちょっと「え?」って思ってるはずだ。そうなんですよ「三本指の男」が現れちゃうんですよ。(^^;) まぁ、この男が現れる前から、なんなんだろうな?これ?って気分になっちゃう作品なんですけどね。肝心の事件が起こってからがこれまたすごいんですよ。まず、雪じゃない(笑)。まあね、それは許そう。外には足跡すらない!っていうのを描くことが出来ないのがネックなだけですからね。しかし凶器が刺身包丁ってのはどうよ?これはやっぱり日本刀でなきゃ意味ないような気がするんですがねぇ・・・って思ってたら・・・。台所から盗まれた包丁だって・・・。あれぇ~。確か賢蔵ってすごく神経質でやたらとアルコール消毒するくらい潔癖症で・・・ってのだったような気がするんだけど・・・って思ってたら。
トリックを見破り、推理を披露する金田一。「賢蔵さんの無理心中・・・ということになるところですが・・・」って・・・えぇ~!!そ!そんなぁ!!おまけに金田一が「三本指の男」に化けて街中を歩き一柳家の様子を窺ってただってぇ!そこまでしててなんで事件が起こるんだよ!もうびっくりです。おまけに単純明快に解き明かされる密室トリック。すべてがあっけなくあっさりで、『本陣殺人事件』の意味ないです。以前観た健さんが金田一という『悪魔の手毬唄』もびっくりでしたが、こちらもびっくりです(笑)。東映にかかると横溝シリーズずたボロですわ。(^^;)

-2007.2.17 CATV録画-

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3 Comments

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無敵の多羅尾伴内 (ルシアン)
2007-02-18 11:02:47
噂には聞いてますがやっぱりすごそうですねコレも。
例の『手毬唄(らしきもの)』で懲りてるんで大体想像が付きます。
見ている途中で、呼吸困難に陥るんですよね! 大丈夫でしたか(笑)
多羅尾伴内(違)にかかったらどんな難事件もあっさり解決さ!
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娯楽の王道 (ダイチャン)
2007-02-18 17:32:59
なにしろ、GHQのお達しで時代劇がご法度という頃でしょう。
千恵蔵さんもカッコよくスーツで決めなければいけなかったわけです。
さらに時代劇を連想する日本刀も使えなかったんでは?

分かりやすい映画というのも、娯楽の王道として必要だったのかもしれません。
千恵蔵さんの多羅尾伴内では、敵が拳銃を発射してから体をかわすのは可笑しいのでは、とスタッフに聞かれた監督は、
「一生懸命働いたお金を握り締めて、一時の夢を見に来てくださるのがお客様。そのお客様に喜んでもらうためには、当たり前ではダメ。銃が発射されてから身をかわすから、伴内なんだ」と答えたそうな。
う~ん、こういう職人魂、最近見かけなくなったかなぁ。
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Unknown (とめ)
2007-02-18 23:46:19
ルシアンさ~ん。
やはり反応していただきましたか(笑)。
『手毬唄(らしきもの)』って・・・(^^;)。まぁ、そのタイトルの方が似つかわしいとっは思いますが・・・。あちらよりもまだマシと言えばマシです。あちらは全然話違いましたけど、こちらは旧カーブで話捻じ曲げられるという荒業ですから(笑)。

ダイチャンさ~ん。
なるほどぉ~、GHQのせいで日本刀がダメだったのかもしれないんですね。納得です。まあねぇ、この作品をわかりやすく多羅尾伴内っぽく仕上げようとしたために、犯人が必要な結果になっちゃったんでしょうねぇ。

来月は『三つ首塔』が放映されるのですが、これに凝りもせず見ようと思ってる私(笑)。
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