にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【観劇】『忠信三変化』

2009年05月03日 | STAGE
『忠信三変化』というタイトルの物語ではございませんで、能・文楽・落語でそれぞれに描かれる「忠信」のお話を一度に観られるってやつだったんですけどね。
文楽四月公演が『義経千本桜』の通し狂言だったんで、これはぜひとも行かなければ!といそいそと出かけました。

・能『忠信』
吉野山中に身を隠していた義経が金峯山寺の僧兵から夜討ちをかけられ、家臣の佐藤忠信が防ぎ矢をし、義経を吉野から脱出させ、自らも追手を斬り散らして義経の後を追う。

能にこんな派手な演目があるとは思いませんでした。短い物語でしたけど、短さもちょうどよく(笑)、すごく楽しめました。

・文楽『義経千本桜』河連法眼館より狐忠信の段。
本物の忠信が義経の前に現れたことで、偽忠信の正体が、義経が静御前に預けた"初音の鼓"の革に使われた狐の子だとわかる。今まで静御前を守ってくれたこともあり、親を思う子狐の思いに打たれた義経はその鼓を忠信に化けた狐に与える。

ちょうど「私はその鼓の革の狐の子です」という告白場面からだったのですが、ラストのあの大がかりなのはさすがにここでは無理だし、どうするんだろう?と思っていたら・・・おぉ!鼓を加えた狐の人形に早変わり!この狐に早変わりして、去っていく玉女さんが「どう?やったね」という感じの表情をなさったような気が・・・。人形遣いさんは皆さん絶対に表情を出さないので、気のせいかなーとも思うのですが・・・でもなんかうれしそうな気がした。なんでも今回、狐忠信を遣うのが初めてだそうで、あながちあの表情は私の気のせいではないかも(笑)。

・落語『猫の忠信』
若くて美人の師匠お静の元へ浄瑠璃の稽古に通う次郎吉は、次の会の出し物『義経千本桜』の話を稽古仲間の六さんとしていると、お静に気のある次郎吉に六さんは同じ仲間の常吉がお静ともういい仲だと告げる。確かめるために稽古屋へ行った次郎吉は確かにお静といちゃつく常吉の姿を見た。これには腹の虫が治まらない次郎吉は町内でも有名な凛気持ちの常吉の女房に知らせに走るが・・・。

面白かったぁ!
でもこの演目は『義経千本桜』を知らないと多分面白くないでしょうね。ネタ元がすべて『義経千本桜』ですもんねぇ。まず六さんが『義経千本桜』をやるなら自分は「すしやの段」が語りたいという。そらそうだろうなぁやっぱり。と知ってるから納得行くんだけど知らなかったらわかんないよね。じゃあこの段は、ここは?って話が進むんだけど、ここは特に知らなきゃなんだかわかんないと思う。そしてラスト。鼓が狐なら三味線は・・・ってことで猫なんですよねぇ。
歌舞伎と文楽は演目で繋がってるんですが、落語も結構繋がってるんですよねぇ。いろいろ知ることによって面白さが増える。なんかうれしいな。

なんでもコレ昨年の11月に『船弁慶三体』というのがあって、それの第2弾だそうです。で、第3弾が好評につき今年の11月に、『船弁慶三体』の再演があるそうで、これはぜひとも行きたいですね。

-2009.5.1 山本能楽堂 -

【観劇】『蜉蝣峠』

2009年05月03日 | STAGE
『蜉蝣峠』
脚本:宮藤官九郎。
演出:いのうえひでのり。
出演:古田新太。堤真一。高岡早紀。勝地涼。木村了。梶原善。他。

蜉蝣峠で無為に日々を送る一人の男。自分が何者なのかもわからず、誰に言われたかも忘れたが、ここ蜉蝣峠で待つように言われたからとただ待っている男"闇太郎"。たまたま蜉蝣峠を通りかかった元役者の銀之助は、その不思議な男闇太郎を連れてろまん街へ。街はならず者が集まり、立派組と天晴組による勢力争いが日々繰り広げられていた。

端っからクドカン脚本ってことである程度の覚悟はして出かけましたよ。『大人計画』は一度も観たことないし、映画でのクドカン作品ってのも一作も観たことがない。なんか合わない予感が常にあったので。でもDVDでですが、『メタルマクベス』は観てるんですよねぇ。いや、あれは全然ダメってことはなかった。面白く観たクチです。たださすがにあのゲロネタだけは勘弁してほしかった。しかも・・・どこまでひっぱんねんそのゲロで!・・・とちょっと腹立ちました。マーライオンなんて観てて気分悪くなっちゃったよ。そんなもんで、ゲロはいやだなぁ・・・と(笑)。
ところが!いやぁ・・・なんなんだよ始まっていきなりの○ンチにチ○コって!?子供かよ!しかも古チンがフルチンでシコシコやってんじゃねぇよ!(爆)。かるーくめまいしましたね。これゲキシネなんてのになったらどうなるんだろう?考えるだに恐ろしい(笑)。まぁ、まぁ、一幕は導入部ってことでおちゃらけで、とりあえずは流そう。でも一幕後の休憩の時前を歩いてた男性が「こんなに下品だとは思わなかった」と語っているのを聞き心の中で思わず「確かに!」と同意しちゃいました。思うことは一緒なんだ。本当に下品だ。しかもあれ本当にいるのか?(爆)。二幕は全うに進んでくれたので、まずまず一安心。しかしこの作品もう一回観たいか?と言われると・・・もういいや。まぁ、全然面白くなかったか?と言われるとそんなことはないんですよ。それなりに楽しみましたしね。でも・・・下品だし後味悪いし・・・(^^;。前回の『五右衛門ロック』がすごく楽しくって気分が高揚したので、なんか今回は余計にしんどい。

-2009.4.26 梅田芸術劇場メインホール-