にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【落語】第5回 米二・染二・鶴二 三人会「二の会」

2012年04月22日 | 落語会
第5回 米二・染二・鶴二 三人会「二の会」(2012.4.20 TORII HALL)
-演目-
三人のトークバトル
桂二乗さん「強情灸」
桂米二さん「天狗裁き」
笑福亭鶴二さん「口入れ屋」
 中入り
林家染二さん「紺屋高尾」

好きな米二さんに染二さん、お二人が揃うこの会は見逃すわけにはいきません。でも平日の18時半開演というのはきついんですよねぇ。なんとか必死にダッシュして15分ほど遅れて会場へ。
最初は三人のトーク。最初を聞き逃してしまったんですが、ま、そんなに聞き逃して残念!という話でもなかったようで(笑)。米二さんのお弟子さんの二葉ちゃんが弟子入り1年ということで二葉ちゃんが呼ばれ、何点が質問されたうちの一つ「師匠に怒られる?どんなことで?」に「些細なことで」には爆笑。二葉ちゃん、あなたやっぱすごいわ。これ狙って言ったんだったらもっとすごいけど(笑)。そしてこのトーク中に次回から前座は二葉ちゃんでという話になり、リストラ宣言されて登場の二乗さん。染二さんが腕あげてますよって褒めてたんですが、やはり師匠の目というのは厳しいのですかね。二乗さんの「強情灸」は二回目。そろそろ熱さに耐えかねているところをさりげなく「ふっ」って吹くシーン好きだな。

続いて登場の米二さんの演目は、私があまり面白い噺と思えないなあ~と思っていた「天狗裁き」。うーん「天狗裁き」かあ・・・と思って聞いていたんですが、過去二回聞いたのより面白い!(爆)。1回目はね、誰のとは言わないけど、ホント面白くなかったんですよ。「夢は見ていない」って言ってるのに何グダグダ言ってるんだよ!ってなんだか私がムカついてしまう嫁に隣家の男に大家だったんですよね。(^-^; 2回目は、こちらも誰のとは言いませんが、1回目よりはよかったけど、この噺は好きじゃないなって思わせるもので、この噺自体が面白くないって思ってたんですよ。でも面白かった。これはねぇ、無理にでもその夢の話が聞きたいんだと主人公に迫る人たちに可愛げがあるかないかなんじゃないかな?米二さんのは可愛げがあるんですよ。中でもお奉行と天狗がよかった。

トークの時と同じ着物なんです。と登場の鶴二さん。あとの二人は二着用意しているそうなんですが、客席の雰囲気は言わなかったら気付いていなかった感ありあり。私も全く気付きませんでした。二席やるときに必ず着替えるのはなんでなのかなぁ・・・と思ってたんですが、トーク用も別にするって、やはり何か意味があるんですかね?今度調べてみよう。それはともかく、鶴二さんの演目は「口入れ屋」これも知ってる噺だったんですが、生で聞くのは初めて。鶴二さんは前回の二の会からで、今回で二回目。実は前回の「替わり目」は、あまり面白いと思わなかったんですが、今回の「口入れ屋」は面白かった。出る順番や演目でやはり受ける感じは違うんですかね。しかしやってきた女衆さん。「ハケンの品格」の主人公みたいだね(笑)。もしかしたらあのドラマはこの噺が元に・・・なってるわけないですよね。

今回のトリは染二さん。今回からトリだけ演目を決めているということで「紺屋高尾」だと知ったときから楽しみだったんですよ。物語は有名だから知っていて、落語は今回が初めて。やっぱいい噺ですよねぇ。元は江戸落語だから吉原はすぐ近く。それを上方に持ってきてるから、江戸へ旅に出かけて花魁道中を見て一目ぼれ、そして年季明けの約束の日が来ても高尾は来ない。江戸、上方の道中にかかる日数を取り入れてるのも面白い。約束の日になってもこない!今だったら新幹線で十分間に合うんですけどねぇ。染二さんって江戸落語を結構いろいろとネタにしているようで、6月には「夢の革財布」をやられるようで、これもぜひとも聞きたいんですけどねぇ。あと、いつか聞きたいって思っているのが「居残り佐平次」。どういう風に上方へ移植しているか気になってます。

【映画】『アーティスト』

2012年04月18日 | MOVIE
『アーティスト』The Artist(2011年/仏)
監督:ミシェル・アザナヴィシウス。
出演:ジャン・デュジャルダン。ベテニス・ベジョ。ジョン・グッドマン。ジェームズ・クロムウェル。

1927年のハリウッド。人気俳優のジョージ・ヴァレンティンは、ちょっとしたスキャンダルとなった相手ペピー・ミラーと再び映画の撮影所で出会う。女優志願のペピーはオーディションに合格し、この映画に参加していたのだった。大スター、ジョージに憧れるペピー。妻ある身ながらペピーにほのかに惹かれるジョージ。時代は無声映画からトーキーへと以降し、無声映画に固執するジョージは落ちぶれ、反対にペピーは新しい映画トーキーで、スターダムを駆け上がっていく。

白黒映画だというインプットはちゃんとされていた。映画が始まって「あ!無声映画だったんだ」と思い出した。おかげで最初はかなりの集中力を要してしまった(笑)。だって、セリフないから俳優の動きや表情で流れを把握しないといけないですからねぇ。でも戸惑いは最初だけ、わくわくしながら映画にのめり込んでましたよ。主演のジャン・デュジャルダンがいい。往年の俳優のスター性と雰囲気が見事に出ていて、セクシーだ。はにかんだ笑顔や、苦悩する横顔、そして自嘲気味の笑い。アカデミー賞で見たときは全く魅力を感じなかったし男前だとも思わなかったんですが・・・(笑)。主演男優賞も納得です。ペピー役のベテニス・ベジョもチャーミングですねぇ。案外今のナチュラルな演技よりも昔のモノクロの少しオーバーな演技の方が映画俳優としての魅力を感じやすいのかもしれません。そしてこの映画の成功の要因の一つだと言いきって構わないだろうと思うのがジョージの愛犬を登場させたこと。サイレント映画なんてまともに見たことがない人たちには、もしかしたらサイレント映画はきついかも・・・な部分をアギーの名演で、飽きがこないように、映画の動きが単調に見えるようなところに動きを持たせているように思う。だって俳優たちはセリフをしゃべらない・・・というかしゃべってても聞こえない。俳優の動きと表情を見るしかない。犬はサイレントじゃなくってもワンしか言わないから表情と動きを見るしかない。つまりは普段からそういう演技をしているアギーにこの映画をひっぱらせたんじゃないだろうか?という気がする。カンヌ国際映画祭パルム・ドッグ受賞に犬のアカデミー賞第1回ゴールデン・カラー受賞も納得です。
私はこの作品大好きだ。上質のエンターティメントだと思う。

-2012.4.15 MOVIX堺-

【落語】「第28回 桂米二音太小屋寄席」

2012年04月09日 | 落語会
「第28回 桂米二音太小屋寄席」(2012.4.8)
-演目-
桂優々さん「花ねじ」
桂米二さん「二階借り」
桂ちょうばさん「ハンカチ」
桂米二さん「住吉駕籠」

前日の寒さが嘘のように暖かく天気もよく、見事なまでのお花見日和。これだけ天気がいいんだから落語会だけではもったいないと落語会の前に大阪城公園へ。桜を愛でて春のほんわかした気分のまま落語会へ。この日はちょうど名古屋からやってきた友人と迎撃チーム二名をなかば強引に落語会へと引っ張ることに成功。一人は寄席初体験。二人は落語好きだけど長いブランクがあり。ま、名古屋の友人さんはMixiの米二さんコミュにも入ってらっしゃるから全然気にならなかったんですが、あとの二人は少し気になってた。でもね、米二さんの会でそんな心配することなかったんだよね。はずれっこないもんね。三人とも・・・いや私も含めてだから4人とも大満足の落語会でした。

桂優々さん。2回目です。以前動楽亭で「東の旅 発端」を拝見しております。あれから半年。なんかグッと上手くなっているような気がする。「東の旅」よりもこちらの「花ねじ」の方が面白い噺だからかもしれませんが(笑)。お噺の前に携帯電話の電源を切ってねという注意をなさるんですが、以前自分の携帯が鳴ってたなんて自分にふるところが性格の良さを物語ってるような気がします。どんどん伸びて欲しいな。

米二さんの「二階借り」は、元は「茶漬間男」というタイトルだったそうで・・・まんまですね(笑)。昔の盆屋の説明聞いててふと「春の雪」を思い出した。清顕と聡子が逢瀬を重ねる場所、あれ盆屋ですよね。このお噺では盆屋は使わず二階を使うんですが、もちろん「春の雪」のような美しいカップルでもありません(笑)。しかし、よく「知らぬは亭主ばかりなり」なんて言いますが、この噺の亭主はかわいそすぎる。

桂ちょうばさんの「ハンカチ」。これは二丁拳銃の小堀さん作・・・と言われてもこの方が一体何者なのか私全く知らないんですけどね(爆)。とにかくその人が創作落語コンクールで賞を取った作品なんだそうです。でもなかなかいい噺でしたよ。若い人が作った作品っぽくなかった。

そしてトリは米二さんの「住吉駕籠」。私、この噺も初めて聞くんだと思ってたんですが、これは聞いたことありました。むかーし・・・ホントにむかーし。落語番組とか見てたからそれなりに記憶残ってるんですね。米二さんって「りくつ」と呼ばれていたというだけあって、知的なキャラ(落語には少ないようですが)はストンと見事にはまるんですが、マヌケなキャラとかちょっとボケたキャラになると妙にキュートになるんですよね。一緒に行った友人があの酔っ払いはかわいいと絶賛。こうなるとぜひとも「替わり目」が聞いてみたい。いつかは聞けるかな。

【映画】『昼下がり、ローマの恋』

2012年04月06日 | MOVIE
『昼下がり、ローマの恋』Manuale d'am3re(2011年/伊)
監督:ジョバンニ・ベロネージ。
出演:ロバート・デ・ニーロ。モニカ・ベルッチ。リッカルド・スカマルチョ。カルロ・ベルドーネ。

彼女との結婚を控えた弁護士ロベルトは立ち退き交渉のためにトスカーナ地方の田舎町へと出張するが、そこで村でも有名な美女ミコルに一目ぼれしてしまい、彼女をごまかし滞在を延長するが・・・。
有名なニュースキャスターのファビオはパーティー会場でのアクシデントで知り合った女性に誘惑され浮気をしてしまうが、ちょっとした浮気心がとんでもない結果を招いてしまう。
元大学教授だったアメリカ人のエイドリアンは7年前に心臓移植の手術を受けたが、それが原因で離婚し、それ以来独り身を通していた。そんな彼の前に友人オーグストの娘ビオラが現れる。嘘をついて実家に戻ってきたことで父親から家を追い出されたビオラをエイドリアンは家に迎い入れるが・・・。

若者、中年、そして老年。3人の男性のそれぞれの恋の物語。3人の女性の恋の物語ならありそうなんだけど3人の男性っていうのがちょっと珍しいような気がする。まず若者。結婚を決めた彼女がいながら・・・と思ってしまう私は狭量なのだろうか?(笑)。でもロベルトの恋心はミコルが魅力的な美女だっただけでなく、あの町、あの気のいい仲間たちという要素もあったからこそ恋したんじゃないのかな?という気がする。あんな町にはすごく憧れるな。
ニュースキャスターのファビオは、踏んだり蹴ったりだね。やっぱ浮気はダメだよ(笑)。しかしズラってベリッってめくっちゃうと皮がめくれちゃうくらいに強力にくっつけてるんだね。しかも4点止。真ん中はコメディパートってことなんだろうけど・・・ファビオかわいそうすぎですよ。
老年パートはロバート・デ・ニーロ。彼ももう68歳なんですねぇ。でもこの映画のデ・ニーロは素敵だ。自然体のかっこよさっていうのかな・・・、定年した大学教授という少しおっとりとした優しい雰囲気がとても魅力的です。これ見ててふと『恋におちて』を思い出しましたよ。三つのパートの中ではやはりこのデ・ニーロのパートが一番いい。ま、最後ってことはメインってことなんでしょうけどね。自然に年をとるっていうのが一番かっこよく見えるのかもしれませんね。こういう役レッドフォードには無理だろうなあ(爆)。

-2012.3.25 梅田ガーデンシネマ-