にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【舞台】『偽義経冥界歌』

2019年03月12日 | STAGE
『偽義経冥界歌』

演出:いのうえひでのり。
作:中島かずき。
出演:生田斗真。りょう。中山優馬。藤原さくら。粟根まこと。山内圭哉。早乙女友貴。
橋本じゅん。橋本さとし。

平安時代末期。貴族の支配が終わり、京では平氏が公家と手を結び日の本の国の実権を握る中、鎌倉を拠点に源氏の棟梁源頼朝は力を蓄え平氏討伐の機会を伺っていた。そして奥州ではそのどちらとも組みせず独立自治を貫く奥華一族が奥州の自治を守るため遮那王牛若を匿い、牛若に兵を貸し頼朝に加勢するという計画を練っていた。
そんなある日、若い女に乱暴しようとしていた牛若を止めようとした奥華当主秀衡の長男玄久郎国衡が過って殺してしまう。牛若が死んだことで計画は潰れるところだったが、本物の牛若を知っているのは彼を京から奥州へ連れてきた武蔵坊弁慶と常陸坊海尊の二人だけ。そのため玄久郎が牛若になりすますことに・・・。

久しぶりの劇団新感線です。
だって、なんか長いこと東京の回るところでしかやってなかったし・・・。さすがに年に何回も東京遠征出来ないしねぇ。
待ってましたよ大阪公演。とか言いつつ「ほら、今度来る新感線・・・えっと義経なんたら」としかタイトル言えなかったことをここに白状しておきます。フリガナふってるけど小さいから読みにくいんだよ。で、タイトルは『偽義経冥界歌(にせのよしつねめいかいにうたう)』です。
いやあ、やっぱ新感線いいわ。今回の出演者もいいです。橋本さとしさんはさすが元劇団員。問題なくハマってますね。りょうさんもいい。もちろん主役の生田斗真さんも言うことなし。そして今回初新感線は中山優馬さんと藤原さくらさん。私としては藤原さくらさんというのがなんか不思議だった。あの「Soup」の子だよね?な認識しかなかったのですが、彼女の歌がいいんですよ。こんなにも彼女がハマるとは思わなかった。彼女の声もいいし歌もいい。CDあったら欲しかったくらい。
偽義経ってどういうこと?って思ってたら・・・。そうきますか!この戯曲は見事です。ネタバレなしには書けないので改行。




冒頭女性を追いかけ乱暴しようとする人物がまさか牛若丸だとは誰も思わないよ(笑)。あの設定はすごいなぁ。でも考えたら今の義経の設定って頼朝に殺されちゃったから、ああいう設定になってるけど、本当のところはわかりませんしね。それで偽義経ね。で、この義経がいい奴として活躍なのかな?なんて思ってたら、そら、そんなつまらん戯曲は書きませんよね。まぁ、いろいろとお見事です。そのあと、これまた早々に第一幕目でさとしさん扮する秀衡が退場。え?もう?と思ってたら、幽霊として義経の前に登場。しかし「ハムレット」風に玄久郎が翻弄される?なんて単純なこともなく(笑)。ついには主人公の義経まで殺される!?こうなるとやっとタイトルの意味がわかる「冥界」ですよ。なんのこっちゃ?なタイトルが見事に物語のネタバレをしてるんですねぇ。本当に面白い!堪能した。
グルグルまわる劇場もいいけど、やはりこうして地方公演やって欲しい。

-2019.3.12 フェスティバルホール-


【舞台】『オーム・シャンティ・オーム 恋する輪廻』(宝塚)

2017年08月06日 | STAGE
『オーム・シャンティ・オーム 恋する輪廻』
脚本・演出/小柳奈穂子。
出演/紅ゆずる。綺咲愛里。七海ひろき。美稀千種。麻央侑希。

あらすじはこちらわたくしの映画の感想ページでhttp://www17.plala.or.jp/tomekichip/indo/impression2.html#jump11

今年の一月に星組新トップコンビ、紅ゆずるさん綺咲愛里さんのお披露目公演として東京だけで公演された『オーム・シャンティ・オーム』宝塚ファンではない私は、お披露目だかなんだか知らないけど宝塚が『オーム・シャンティ・オーム』を演るって!?東京だけ!?と、モヤモヤしておりましたが、大阪公演もあると知り、知人に頼んでチケット購入。3階席だけどほぼセンターというベストポジションで観劇。
初宝塚、さてどうだろう?って思っていたら舞台始まってすぐ見事に引き込まれました。なんたって映画ファンの心をわかって下さっているような演出。素晴らしい!私この作品を初めて観たのは2009年国立民族博物館。そして2013年シネマート心斎橋でマサラシステム上映で。家でも観たり・・・もあるので、5回くらい見ている。2009年の初鑑賞から8年。末広がりのこの8年後の2017年に宝塚版!この感動はやはりラッキーなわけですよ。この作品にかかわった宝塚歌劇団星組のみなさん。宝塚歌劇団のスタッフの皆様にお礼が言いたい!本当に楽しかったし、うれしかった!ありがとうございました!ネットでこの作品のことググってると宝塚歌劇ファンの方には、ちょっとなぁ~って思った方多かったようですが、インド映画ファンは絶賛です(笑)。でも宝塚ファンの方のブログによると、この主演オーム役の紅ゆずるさんって、この作品のオームのように脇役から主演へと登ってきた方だそうで、ファンの方にはオームと紅ゆずるさんが被って映ったようですね。脚本・演出の方は元映画をしっかりご覧になって下さったんだろうなぁって思うくらいに映画に忠実。でも無理な場面はうまく舞台用に変更されていて、本当に素晴らしい。出演者の方たちもしっかり元映画ご覧になって下さったのかなぁ。と感じるところが多々ありました。主演の紅ゆずるさんは、シャールクのコミカルさをきっちり踏襲されていて、観ていて本当にうれしかった。マサラミュージカルと題しているだけあって、元映画の曲にうまく日本語を乗せながら、オリジナル曲も間に入れて、素敵なミュージカルとなっていました。で、宝塚ファンも素晴らしい!アップテンポな曲には手拍子が、そして『オーム・シャンティ・オーム』の手拍子、途中三連になるところちゃんと三連になっている!
マサラナイトというイベントで客席も一緒に踊ろうという日があったようですが、私がチケットとった日には当たっていない・・・残念。と思っていたら、マサラシステムカーテンコールでした!楽しかった!
まあ今後マサラミュージカルはないだろうけど、もしやるんだったら、この作品のような派手さはないけど、ベタな恋愛モノなんか向いているんじゃないかな?なんて私は思う。『たとえ明日がこなくても』とか『ミモラ心のままに』とか。一緒に行った友人は 『時に喜び、時に悲しみ』『ボンベイ』あげてましたね。
マサラじゃなくってもまた宝塚観たいな・・・って思ってしまった夜でした。

-2017.8.5 梅田芸術劇場-

【舞台】『髑髏城の七人 花』

2017年04月22日 | STAGE
『髑髏城の七人 花』

演出:いのうえひでのり。
作:中島かずき。
出演:小栗旬。山本耕史。成河。青木崇高。清野菜名。りょう。近藤芳正。古田新太。

本能寺での織田信長の死から8年。天下統一を目指す豊臣秀吉に対抗するかの如く関東に現れた天魔王と名乗る男の率いる関東髑髏党。わずかの期間で髑髏城と言う城を築城し、虐殺の限りを尽す。その関東で営まれる色街「無界の里」で女たちを束ねる無界屋蘭兵衛の前にふらりと現れた捨之介と名乗る奇妙な男。捨之介、蘭兵衛、天魔王、8年を経て動き出す三人の因縁。

1997年版『髑髏城の七人』『アカドクロ』『アオドクロ』と三本の『髑髏城の七人』をDVDで見て、生で2011年にワカドクロと言われた『髑髏城の七人』を観ている。今回は5本目の『髑髏城の七人』。360度回転するという劇場のこけらおとり公演ということもあるし、私の好きな近藤芳正さんが狸穴二郎衛門役ということで、東京遠征。それにこの物語大好きなんですよね。目新しい劇場がどんなものなのかも興味深々だったし・・・。

で・・・。まず劇場。劇場のまわりなーんもないです(笑)。コンビニすらない。自動販売機もみかけなかった。ま、何もないという情報は得ていたので、ちょっと劇場から遠くなるけど豊洲駅から行くことにしたんだけど、徒歩15分・・・不動産屋さんの広告ですか?もうちょっとかかったような気がする。無事豊洲市場に移転が済んだら繁華になるのかもしれませんが、さてさて。
そして劇場内。劇場で一番大事なのはトイレ。これホントに大事です。以前今は無き大阪厚生年金会館で『五右衛門ロック』を観たんですが、インターミッションの間にトイレに行って席に戻れたの二幕目ギリギリでしたからねぇ。ここはトイレ事情が悪かった。オリックス劇場になって改善されてますが。で、ここIHIステージアラウンドTOKYOのトイレは2階にあります。一幕終わって速攻でトイレに行かなかったので、出たらもう長蛇の列。「間に合うのか?」と思うくらいの列でしたが、回転は速かった。途中トイレの図面があったので数えてみた。28まで数えたところで列が動いたので正確にはわからないけど40から50はあるのかな?でも、出遅れると二幕間に合わない可能性もあるのでダッシュすべきです。そして階段に並ぶことになるので足元に注意。一人がこけたら大惨事になります。
それとこの劇場回転します。トイレに出たときには気付かなかったのですが、最初に入った入口が回転しているから移動しています。トイレから帰ってきたら自分の席探して迷子になります(笑)。
回転する劇場。スクリーンの映像が動いて、確かに面白かったのですが、私はそれほど感動しなかった。利点と言えば場面転換で暗転にしてしばらくトンテンカンしなくていいことかも。舞台としてあいているのは普通の舞台と同様、目の前だけですからねぇ。新感線がよくやる会場の通路を走ってくるという演出が使えないので、いつもの新感線の疾走感がなかった。考えたら私映画でも3Dとか嫌いなんですよねぇ・・・(^_^;) 普通の舞台がいいや。

メインのお芝居は・・・。
ワカドクロから引き続きの小栗くん。古田新太さんが加わったせいか、古田さんの捨之介の雰囲気になっていた。ワカドクロの時よりこなれた感じがしてすごくよかった。りょうさんの極楽太夫もいい。そして古田さんの贋鉄斎。最高です。
ただこの作品ねぇ・・・私5本目でしょ。だからどうしても過去作品のキャラと比べちゃうんですよね。そうなるとかわいそうなのが蘭兵衛。早乙女太一くんがやった後は酷だよ。髑髏城に乗り込んでいく場面の殺陣。早乙女くんのが頭に残っているからすごい見劣りしちゃうんですよねぇ。それと成河さん。芝居はやはりうまいし、今回はそういう天魔王なんだろうとは思うのですが、どうにも小物感があって、イマイチすっきりしない。蘭兵衛を「兄者」って呼んじゃあダメだろう。蘭兵衛をあやつる側だから蘭兵衛より上じゃなきゃ・・・って私は思う。あの「兄者」で私は引いてしまった・・・。顔の火傷と足を引きずって歩くあの様は「リチャード三世」を意識している演出だと思うんだけど、だったら「兄者」余計にいかんだろう・・・。兵庫と天魔王、役逆の方がよかったんじゃないのかなぁ・・・なんて思ったりして。(^_^;)
この作品で一番好きなシーンである百人斬り。1997年版と「アオドクロ」が一番いいね。スケートで登場の贋鉄斎。面白いけど、殺陣の迫力はイマイチ。360度なのに、なんか全体的にこじんまりしてるような気がした。舞台がなんか狭く感じたんですよねぇ。
この後「鳥」「風」「月」と続くんですよね。今後もっとこの劇場を使いこなしていくんだと思うので、このあともすごく気になるんだけど・・・やはりゲキ×シネ待ちかな。(^_^;)

でもこれ見終わってふと思った。ファン投票あなたが選ぶベスト「髑髏城の七人」キャストなんてのがあっても面白いかも。

-2017.4.20 IHIステージアラウンドTOKYO-


【舞台】いのうえ歌舞伎<黒>『乱鶯』

2016年04月24日 | STAGE
いのうえ歌舞伎<黒>『乱鶯』

演出:いのうえひでのり。
作:倉持裕。
出演:古田新太。稲森いずみ。大東駿介。山本亨。大谷亮介。橋本じゅん。高田聖子。

いつものように盗みに入った鶯の十三郎一味を待ち受けていたのは黒部源四郎率いる北町奉行所の同心たちだった。手下たちは悉く惨殺され、十三郎だけは辛くも逃げ出し、瀕死の状態で倒れているところを小橋貞右衛門に助けられ古びた居酒屋鶴田屋で看病されることに・・・。名を問われ「源三郎」と答える十三郎にすべてを承知の貞右衛門は「すっぱり足を洗え」と諭し立ち去る。あれから七年。貞右衛門と共に十三郎を助けてくれた鶴田屋の主勘助は五年前に他界。今はその女房お加代を支え板前源三郎として働いていた。その源三郎の前に小橋貞右衛門の子息、御先手組組頭小橋勝之助が現れる。「火縄の砂吉」という盗賊を追っているという勝之助に源三郎は、貞右衛門への恩を返すために協力することにするが・・・。

幕間に流れている曲がなぜか懐かしい時代劇の主題歌や主題曲。時代劇好きの私はすごくうれしかったのですが、この作品を観てその選曲に大いに納得。まさしくこの作品は時代劇。今までだって時代劇あるじゃない。と言われるかもしれませんが、お侍さんとかが出てくる時代の作品だからって時代劇ではないんですよ。この作品はまさしく娯楽の王道だった時代劇と同じ時代劇なんです!あ~・・・あんた何言ってんの?って言われそうだなぁ。うまく説明できないのがもどかしい!でも時代劇好きならばわかってもらえるはずだ!とにかく面白れぇんだよ!そしてこの本いいですわ。もちろん新感線ならではの面白さはあるんですけど、この本は新感線じゃなくっても絶対に面白いはずだ。映画にしたっていいんじゃないの?って私は思う。この物語はいい!好きだなぁ。で、そんなに面白い本。いのうえさんの演出で新感線で面白さ倍増って感じ?(笑)。主役の古田さん、たばこを吸う間もないくらいに出ずっぱりだとか・・・確かに。疲労度半端じゃないんじゃないのかな。しかも冒頭とラストの殺陣もあるし。大忙しです。そのせいか体重のせいか、年齢のせいか、殺陣シーンが全盛期からすると重たかった。ちょっと残念。単純にいい人役、勘助役の粟根さん。場面は変わり七年後、勘助は五年前に亡くなった・・・って。「え!?何それ!?あれで終わり!?」密かに粟根ファンである私は軽くショックを受けて頭ぐるぐるしましたよ。でもこれから観る予定の粟根ファンの方々。安心してください。はいて・・・じゃない、出てきますよ!(笑)。今回お目当ての大谷亮介さん。出番少ない!(笑)。でも冒頭の第一声かっこよかった。途中反物くるくる~って伸ばしちゃうシーンも何気にお茶目で素敵でした。とにかく面白かった。もう一回見たいくらいに堪能した。いいですよこれ。再見できない私は指折り数えてゲキ×シネを待ちたいと思います。

-2016.4.23 梅田芸術劇場メインホール-

【舞台】歌舞伎NEXT『阿弖流為』

2015年10月11日 | STAGE
歌舞伎NEXT『阿弖流為』
作:中島かずき。
演出:いのうえひでのり。
出演:市川染五郎。中村勘九郎。中村七之助。片岡亀蔵。坂東彌十郎。

古の日本。大和朝廷は国を一つにするべく北の国蝦夷征伐に乗り出していたが、蝦夷征伐は一向に進まなかった。そんなある日蝦夷討伐の報復と都を襲う蝦夷の名を語る盗賊集団を捕えるべく踊り女に扮した立烏帽子は、盗賊集団との戦いの中「北の狼」と名乗る男と出会う。二人はかつて愛しあい、国を捨てようとした際に蝦夷が奉じる荒覇吐の神の怒りを買い、名前と記憶を封印され国を追われた阿弖流為と鈴鹿だった。過去と自分を取り戻した二人は蝦夷を守るため、故郷へと戻る。そして進まぬ蝦夷征伐に征夷大将軍の任を受けた坂上田村麻呂もまた北の地へと向かう。互いを認め合った二人の男の戦いが始まる。

以前CATVで放映された劇団新感線の『阿弖流為』を観ていたので、これが歌舞伎として再演されると知って絶対に観たい!って思ってたんですよねぇ。で、これ行く前に『阿弖流為』を再見して・・・と思ってたんですが、ちょっと時間がなく再見しないまま劇場へ。座席に置かれたリストバンド。二幕が始まる前に腕にお巻き下さい。一緒に蝦夷の星空を作りましょうとある。さすが歌舞伎、前回の新感線『五右衛門VS轟天』のバッテンより豪華だな。持ち帰りは出来ないけど(笑)。舞台が始まり、なんか新感線だよなぁ・・・と何となく思っていて蛮甲登場で、あまりの新感線っぽさに笑っちゃったよ。いやあ亀蔵さんすごいです。新感線のチャンピオンまつりに混じっても絶対にわからないと思う。歌舞伎版にするにあたり、ギャグは抜いたという話なんですが、さすがに全部は抜いてなかったんですね。普通に村人に混じってる熊に思わず吹き出しそうになっちゃったよ。彼女の説明がある前に心の中で叫んでた「クマ子ぉ~!」。そっか・・・『阿弖流為』では外せないキャラなのね(笑)。この場面の動きがことごとく新感線なもんだから、おかしくっておかしくって。私のお隣は、ごく普通に歌舞伎として観に来られた方っぽい。というかまわりがほとんどそんな感じなものだから、妙な所で笑い堪えている私はきっと奇異に映ったに違いない。(^_^;) 二幕に入るとシリアス度が増すので、歌舞伎としての厚みも出ますが、殺陣が新感線のあの速さと効果音が活かされているので、歌舞伎としての重厚さと殺陣の激しさがミックスされて無茶苦茶かっこいい!。そしてさすがの貫禄彌十郎さん。かっこいいなぁ。ラスト、リストバンドの効果はすごい。私三階席だったので、花道の見切れとかつらいことが吹っ飛んじゃいましたね。すごくきれいでした。この効果は素敵だ。これ見終わってから友人と話してたんですが、これは『阿弖流為』歌舞伎版というよりも『阿弖流為』豪華版と言った感じだよねと。歌舞伎の世界はやはりすごいですわ。
この観劇後、劇団新感線版『阿弖流為』再見しました。確かにギャグ減ってます。というかかなり無くなってます。というか・・・どんだけギャグ満載だったんだよ!(笑)。もうすっきりきっちりしているこちら版の方が私は好きです。DVD化されるかなぁ・・・されたら絶対に欲しい。

-2015.10.9 大阪松竹座-

【舞台】『五右衛門VS轟天』

2015年06月11日 | STAGE
2015年劇団☆新感線35周年 オールスターチャンピオンまつり
『五右衛門VS轟天』

演出:いのうえひでのり。
作:中島かずき。
出演:古田新太。橋本じゅん。松雪泰子。池田成志。賀来賢人。

なんだかうろ覚えなんですが、インターポールを壊滅させた悪の結社ブラックゴーモンのメンバーのDNAを調べるとみんな400年前の石川五右衛門の子孫だということがわかり、タイムストリップして過去に行き五右衛門の○玉をつぶすとかなんとかっていう使命を帯びた剣轟天とインターポールのアンドリュー宝田。到着した過去で五右衛門を追いかけた所、風魔一族の「天地逆転の術」という秘術の争奪に巻き込まれ・・・とか何とかってのがとりあえずのあらすじ。
今回のパンフレットにはあらすじがない!つまりは物語は何となく訳わかるようなわからないような、とにかくオールスターチャンピオンまつりなんだ!ってことなんでしょうな。「オールスターチャンピオンまつり」という看板は伊達ではない。すっげ~面白かった!大好きだこれ。私はきっとこれ毎日通っても飽きないと言い切れる。通えないけど(笑)。

で、ここからネタばれ全開。ネタばれなしには感想書けない。(^_^;)











もう今回の作品何がすごいってね、キャラ説明一切なし。唐突にその人が出てくる。知らない人にとっては「誰?」な人がいっぱい。ま、そもそも「五右衛門VS轟天」っていう時点で、「おぉ!」って思わない人はあまり観に来ないとは思うんですけどね。
ワクワク感いっぱいで会場に入ってチラシやらアンケート用紙やらと一緒に渡されたバッテンの真ん中が穴空いてて指入れられる小道具。客席参加型の芝居らしい(笑)。しかもその参加が意味あるんだかないんだか・・・でも、やっちゃうんですよ。楽しんじゃうんですよ。
轟天が出てきたら、そらこの人たち出るよねという、Dr.チェンバレンにカストロヴィッチ大佐!で、タイムトリップ後に登場のからくり戯衛門がそろばん持って歌うシーンに思いっきりニヤリ。そしてマローネ!?なぜあなたがそこに!?の登場にびっくりです。ドドーンと豪華な客演陣の豪華な劇団新感線の舞台もいいけど、劇団新感線のメンバーがメインのチャンピオンまつりはやっぱりいい!劇団新感線ファンとしては落ち着きます。歌が苦手だと言ってる粟根さんが結構歌うし、轟天ということでじゅんさんやりたい放題だし、マローネと五右衛門が入れ替わるということで、聖子さんと古田さんのキャラが変わったあとのこの二人がこれまたいい味出してるんですよねぇ。ネタものではメンバーと言ってもいいくらいの成志さんはもう最高です。思わずファンになってしまいました。ツイッターフォローしちゃいましたよ。しかも公式サイトのアワブロの写真で着てたTAMATシャツ、一目惚れして探して買っちゃいましたよ!(笑)。戯衛門のおリカ登場も嬉しかったですが、何が一番うれしかったって、そりゃ磯平の登場ですよ。鎌が出てきた時に「おっ!来るか!」と期待度MAX。で、「磯平だ!」って言った時点で思わず拍手しちゃいました。いやあ、いい!
3時間20分長い!・・・とは思わないんですよねぇ、これだけ楽しいと。もうとにかくおバカ!これDVD欲しいなぁ~って思うけど、絶対にメディア化されないだろうな。あの森が一番まずいぞ。

-2015.6.6 シアターBRAVA!-

羅い舞座 京橋劇場「都若丸劇団」

2015年03月04日 | STAGE
文楽観て、歌舞伎観て、落語観て、能観て、講談観て、あとは大衆演劇か・・・とずっと行きたいと思ってたんですが、なかなか一人で行く気にはなれず、いつか行こう・・・って感じだったのですが、会社の人から割引券あるけど行く?と言われ、思わず「はい」ということで手に入れた割引券。これもらったら、もう一人では・・・なんて言ってられない。しかもその券土日は使えなくて11日まで。本当は動楽亭に行くつもりで休みとってたんだけど、急遽京橋へ。
いやぁ、まさかこんなところに大衆演劇の劇場があるとは・・・。
ココの5階。
通常の料金は1600円プラス座布団代100円。座布団代なんて書いてるから畳?なんて思ってたら普通に座席でした。昔の映画館みたいな感じ。割引券があったので本日の入場料は1100円。
中に入ると普通に座席に座布団が置いてある。さてどこに座れば?と思い、再び受付に戻って座席はどこでもいいのか?と尋ねると予約席には予約席という札があるからそれ以外ならどこでもとのこと。さすがにアウェイ感がひしひしと感じられるここでは前に行く気にもなれず後ろの端へ。
いやぁ、なんか常連さんがいっぱいって感じです。
開演時間になり、まずはオープニングショーから。音楽なった途端手拍子。ノリいいですねぇ。楽しんでますねぇ。若手に続き座長の舞踊。そして前売り券販売タイム(笑)。
2部は演劇。「芸者の誠」
江戸で金を貯めて故郷へ帰ろうとしている大工の与吉が不良浪人に絡まれているところを芸者玉菊が助ける。その気風の良さに玉菊と一杯やりたい。そう思った与吉は江戸最後の思い出にと芸者遊びをする。ほろ酔いで店から出てきた与吉は持っていた金すべてを使い果たしてしまっていた。そのことに気づいていた玉菊は与吉に金を渡そうとする。自分が使った金だからと受け取ることを固辞する与吉に誠を見た玉菊は自分を嫁にしてくれと頼む。そして1年後年季が開けたら訪ねて行くと別れる二人。その一年後訪ねて来たのは性病を病みおこもとなった玉菊だった。
というお話なんですが・・・。面白すぎます。なんなんですかこのノリは。まず与吉が浪人たちに絡まれるシーンからして喜劇です。掛け合い最高です。さすが関西の劇団です。
そして一年後年季が開けたら・・・という玉菊に「おめぇさん一体いくつなんだ?」と問う与吉。「え?」となる玉菊。「だって今、あと一年たったら年金がもらえるって・・・」うまい!こういうボケ好きだ。
一年後やってきたおこもになった玉菊・・・って実は本物の玉菊が本当に待っててくれているか確認するためにおこもさんを雇ってたっていう話になってるんですが、このおこも玉菊が与吉の父親に与吉は死んだと教えられ、やってきた寺の坊主、これ若丸さんの二役なんですが、この二人の掛け合いがこれまた最高なんですよ。本当は昨日の演目が「幡随院長兵衛」だったので、そっちの方がよかったなぁ。なに?「芸者の誠」って・・・って思ってたんですよ。まさかこんなすごい喜劇だったとは。ああ、でも、もし次があったらこの劇団のシリアスものも観てみたいな。
ここで帰ったっていいくらいの満足度でしたが、舞踏ショーも観なきゃ大衆演劇見たことにはなんないしね。ということで・・・。さすがに万札のレイはありませんでしたが、何人もの方万札つけに行ってましたねぇ。すごいなぁ。大衆演劇だなぁ。座長のトト様登場の掛け声が「キャプテン!」え?何よそのキャプテンって・・・(^_^;) 座長若丸さんの「ダブルブッキング」最高でした。踊りながら懐から文字の書いた紙を取り出す。まず”キャー”で、黄色い声援「キャー」”若様”「若様」”ステキ”「ステキ」とか続いて”愛してる”「愛してる」で、”俺も”女の子たち「キャアー」。
すごいなぁ若丸くん(^_^;)

初大衆演劇。いい劇団に当たりました。都若丸劇団おすすめです。上手いし面白い。今月一杯は京橋でやってるようです。来月はなんと新開地。以前新開地劇場へ行こうと新開地メンバーと話てたんだけど、4月に行かないかな?(笑)。

【舞台】木ノ下歌舞伎『三人吉三』

2014年10月13日 | STAGE
木ノ下歌舞伎『三人吉三』
監修・補綴:木ノ下裕一。
演出・美術:杉原邦生。
出演:大村わたる。大橋一輝。堀越涼。村上誠基。熊川ふみ。兵藤公美。武谷公雄。

あらすじは言わずと知れた『三人吉三』なので割愛。ただ一般的に知られている『三人吉三』の物語に文里、一重という商家の主と郭の女郎の物語がプラスされてます。というか初演時は『三人吉三廓初買』で、この物語もちゃんとあったそうです。ちなみにその文里、一重がどう三人吉三と絡むかと言いますと、まず一重はお坊吉三の妹です。そして庚申丸の短刀を百両で売る小道具屋が文里の店つまり夜鷹と遊んだために百両を落としてしまう手代重三郎は文里の店の奉公人です。

まずなぜこの作品を観に行ったかと言いますと、友人からお誘いがあったから(笑)。ま、いくらなんでもそれだけで観に行くわけないんですが、歌舞伎が好きなので歌舞伎と名がつくと非常に興味がそそられるというのもあり、以前からちょっと気になってはいたんですよね。で、出かけたわけなんですが・・・。休憩入れて5時間。長げぇよ。まぁ歌舞伎はさすがに通しでは観たことないけど文楽は午前、午後通しで鑑賞したことがあるので、そうそう疲れる時間でもないんですけどね。

まずは普通に観てて「ふーん」って感じで観てた。亡き勘三郎さんのコクーン歌舞伎の『三人吉三』、吉右衛門、団十郎、菊五郎の『三人吉三』ともにCATVで観てたから『三人吉三』ってピカレスクロマン的なかっこ良くシブいものってイメージがあったんですよね。現代風アレンジ・・・ねぇ。一幕目終了、休憩を挟んで二幕目冒頭。なんじゃこりゃ?な場面。いきなり音楽なってみんな踊って出てきて、なんスかその衣装?しかもちょっと小太りな女の子がいたので、私はボートレースのCMコレのパクリかパロディかなのかと思っちゃいましたよ。場所は地獄、閻魔さまが囲っているのは紫式部。そこに現れた小林朝比奈。そして地蔵。なぜだか紫式部の奪い合いになってじゃんけんが始まって・・・。コレ観てない人こいつは一体何を書いてるんだ?って思うでしょうねぇ。でもこんな感じのグダグダ。そしてそれは夢だったと次の場に移るんですけどね。そして三幕、いよいよ「吉祥院の場」でお金と刀が揃って!と思ったら「丁子屋別荘の場」文里の子を産んで産後の肥立ちが悪く臥せっている一重。一重から子を託される文里と文里の妻おしづ。一重の死。「火の見櫓の場」スローモーションで斬り死にしていく三人吉三。
あまりの失速感に呆然としてしまった。
そして呆然としてしまった私を立ち直らせてくれたアフタートーク。
終演後、木ノ下裕一さんと杉原邦生さんのアフタートークがあったのですが、これでいろいろな点に合点がいって、面白いじゃないか!という感想に変わる(笑)。
まず大元の脚本河竹黙阿弥の書いたものを多少の取捨選択はあるものの、ほぼ変えていないそうです。そうなんです、つまりこれいるのか?と思った二幕目冒頭の「地獄」も黙阿弥さんの台本にあったそうなんです。なんでも当時、初演は正月とのことで、正月の演目の決まり事。出演している役者をすべて出して、踊ったりさせる。昔は旧暦なので節分と一緒なのでその描写・・・ってことで鬼。曽我兄弟をいれなければいけないということでなぜか小林朝比奈の登場。なのだそうです。黙阿弥さんこれはどう考えてもやっつけ仕事だろう?と小一時間問い詰めたいくらいです。
ちなみにこの場面は安政七年 (1860年)の正月に初演された時に入ってたけど、それ以来ないとのこと。つまり154年ぶりに復活、再演されたんです。すごい!黙阿弥さんのやっつけ仕事が平成の世に蘇ったんです!(笑)。これ俳優祭あたりでやったらきっと菊五郎さんがうれしそうに閻魔大王やるんだろうなぁ・・・などとふと思う。
この作品が書かれたのは桜田門外の変のあった時期、幕末から明治にかけての動乱の時期で、壊されるものと残されるもの、新たに作られるもの。終焉、再生、誕生、すべてを見ることのの出来る時代。その時代に作られたこの作品、三人吉三だけだったら死のみなんだけど、文里、一重の物語があることで死と生が描かれるんですよね。それを知ると本当にこの作品は面白い。これを知った上で、もっとこなれたこの作品を観てみたいなと思う。次、東京でやるらしいですが、さすがに行けないですけどね。
来年の2月は京都で「黒塚」うーん・・・行きたいけど京都はなぁ・・・。うまく仕事が早仕舞い出来るようだったら考えよう。そしてチケットがあれば。
そうそう以前に「義経千本桜」もやってたらしくって、これは観たかったなぁ。再演とかしないのかな。なんでもこれは6時間だったとか・・・。でもこれは絶対に耐えられる。だって好きだから(笑)。

あ、最後に一言。ラストのスローモーションの立ち回りシーンに流れる「今日の日はさようなら」ひっくり返りそうになったよ。『エヴァ』意識?(笑)。

-2014.10.12 京都芸術劇場 春秋座-

【舞台】『蒼の乱』

2014年05月25日 | STAGE
『蒼の乱』
作:中島かずき。
演出:いのうえひでのり。
出演:天海祐希。松山ケンイチ。早乙女太一。梶原善。森奈みはる。平幹二朗。

都では貴族たちが贅沢三昧に暮らし、民たちは重税に嘆き飢えていた。そんなある日、貴族たちの宴の席に呼ばれた外つ国からの渡来衆たちの占いに出たのは、東国と西国で叛乱が起こるという大乱の卦。悪しき卦を出した咎で処罰されそうになった彼らを救ったのは坂東武者の将門小次郎。助けられた渡来衆の長、蒼真。二人の出会いがやがて彼らの占い通りの大乱へと繋がっていく。

大体半年に一回だった新感線のお芝居。なぜか今回は一年ぶり。しかも!今回はなんとなんとの平幹二朗さんの参戦!『五右衛門ロック』の北大路欣也さんにも驚きましたが、まさか平さんまで!俄然今回の舞台には期待度MAXで出かけて行きましたよ。
そして期待を裏切られることのない舞台。いやあすごい。面白かった。今回も長い!と聞いていたのですが、前回の『ジパングパンク』の時のように長さは気にならなかった。やはり歌が少ないからか。その分物語はびっちり詰まっていて、それがまた面白い。豪快で爽やかで馬鹿な将門小次郎の松山ケンイチさんいいわ。なんてハマり役なんだろう。殺陣もねぇ、上手いんだよ。無理ないんだ。すごいなぁ。殺陣と言えば早乙女太一さん。彼の生の殺陣は三回目。もう何度見ても綺麗だしかっこいい。ところが太一くん演じる夜叉丸に対抗する敵方の太刀影。彼がまたすごい。太一くんと渡り合うなんて・・・と思っててパンフ見て初めて知った。早乙女友貴くんって、太一くんの弟なんだ!どうりで二人の殺陣のシーンすごいはずだよ。天海祐希さん、平幹二朗さんはもう言うことなし。無理ないキャスティングですねぇ。今回は新感線メンバーもしっかり活躍してたし。しかし・・・じゅんさんの登場にはひっくり返りそうになったよ。まさか、まさかの馬ですからねぇ(笑)。私の好きな粟根さん。かっこいい役ではあるんだけど、かっこいい役だと聞いていただけに私としてはイマイチだった。期待度が高すぎたか。
ラストでは何気に『七人の侍』彷彿とさせるし、『風と雲と虹と』だし、そして私は劇中「将門御膳」と蒼真が名乗った時に思い出したのがかなり古い漫画ですが、のがみけいさんの『風のごとく』。これは木曽義仲と巴御膳の話なんですが、この作品での義仲の死に様と将門小次郎の死に様とが似ているし、最後の巴御膳が残されるんですよね。そこも似てるなぁ~と。とにかくすべてが私のツボな作品でした。あ、『クレヨンしんちゃん』もあったな(笑)。

-2014.5.24 梅田芸術劇場メインホール-

【舞台】『ライオンキング』

2014年05月08日 | STAGE
『ライオンキング』
劇団四季
-本日の出演者-
ラフィキ:金原美喜。ムファサ:平山信二。ザズ:布施陽由。スカー:本城裕二。
シンバ:南晶人。ティモン:川口雄二。ブンバァ:韓 盛治。

あらすじは書くまでも無いかもしれないんだけど、とりあえずプライドランドの王ムファサの元に未来の王とされるシンバが生まれたことで王になることが叶わなくなった王の弟スカーは、ハイエナたちと策を弄してムファサを亡きものにし、シンバを陥れ王国から葬り去る。しかしやがて成長したシンバがプライドランドに平和をもたらす。って感じかな。

初めての日本公演から15年だそうです。すごいですよねぇ。『ライオンキング』は一度見てみたいなぁと思っていたら、友人も同じ意見で、では行きましょう!とチケットをとってから約半年。長がった(笑)。劇団四季の公演は2007年に『オペラ座の怪人』を見に行って以来。すごく楽しみにしていました。
さすがにGW中とあって子供さん率高いです。開演前係の方が通路脇の人たちの荷物やら足を注意してまわっている。そっか・・・通路きますか。と期待度大(笑)。そして開演。あの有名は曲「な~△%&□☓#○!※◇!」ってのから始まり、通路を動物たちがやってくる。圧巻です。ワクワクしましたよ。ただラフィキの人の声がいかにもマイク!って感じでちょっと響きすぎな感じがする。最初だからかな?と思っていたんですが、その後の曲でもそんな感じだったので、彼女の声量とPAのバランスがうまくいってなかったのかな?ちょっともったいなかった。前半ちょっと長いかなぁ。それと子供向けにしているせいかセリフ廻しが大仰でなんか疲れた。そして・・・ごめんなさい。スカー役の人がメイクのせいかワハハ本舗の梅垣さんに見えてしかたなかった。(^_^;) でもヌーが襲ってくるシーンとか見どころ満載で、子どもたちが多いのにぐずる子が全くいなかったのもすごいなと。それだけ子どもたちを魅了する舞台なんでしょうね。成長したシンバの登場で舞台の雰囲気が変わる。後半は怒涛の勢いで魅せられましたねぇ。ライブならではの臨場感。一度は体感しておきたいと思える作品でした。
次は『CATS』が観たいなぁ。さすがに福岡までは行けない・・・大阪に来るのを楽しみにしましょう。

-2014.5.6 大阪四季劇場-