にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【映画】『人生劇場 飛車角と吉良常』

2006年11月05日 | MOVIE
『人生劇場 飛車角と吉良常』(1968/東映)
監督:内田吐夢。
出演:鶴田浩二。辰巳柳太郎。高倉健。藤純子。

数年ぶりに上海から故郷に戻った吉良常は、文士になるために東京で勉強している亡き主人の子青成瓢吉を訊ね、そのまま瓢吉の家にやっかいになることにする。その頃、小金一家が匿った飛車角と彼が大横田経営の店から足抜けをさせたおとよのことで、大横田と手を組んだ丈徳一家が喧嘩をふっかけ出入りとなり、飛車角の活躍で小金一家が勝利を収める。ところが兄弟分奈良平が裏切りおとよを大横田に渡そうとしたことから飛車角は奈良平を殺め、逃げる途中巡査の姿を見かけた彼は慌てて一軒の家へ逃げ込む。飛車角を見た吉良常はすべてを悟り、何も聞かずに一杯の酒を手渡す。その一杯の酒で踏ん切りをつけた飛車角は自首し、小金一家と大横田もおとよを大横田に返すことで手打ちとなったが、そのおとよは大横田へ戻るはずの道中姿を消してしまう。やがて4年の時が流れ・・・。
『人生劇場』は何度か映画化されていて、物語を知っているようないないような・・・。多分まともに観るのはこの作品が初めてだと思うのですが、まず青成瓢吉という名前を聞き「はいはい・・・なんとなく知ってる。確か本来の主役は彼では・・・」としっかりと何本かの作品のうちのどれかをちゃんと観ているわけでもないのに、なんとなくでもこの作品のことを知っているというのは、それだけ有名な作品だってことなんですよね。それでちょっとネットで調べてみたら・・・すごい。この原作が完成するまでに20年かかってるとは。最初にこの作品を読み出した読者と一緒に主人公成長してるかも・・・なんか『北の国から』みたいだ(笑)。
そんなことはともかく。この作品はタイトルの通り主人公は青成瓢吉ではなく、飛車角と吉良常。超渋い男たちの物語となっております。飛車角とおとよ・・・そしておとよと宮川。飛車角と宮川。すれ違いの三角形が切ない物語。でもこれ冷静に考えるとおとよあんた何考えて、何やってんの?って話にもなるかと思うのですが・・・。仕方ない美しい藤純子さんだから許してあげようか(笑)。それにしても飛車角と吉良常の二人の関係がいいですねぇ。辰巳さん演じる吉良常が激シブ。度胸の据わった力強さを持ちながら、フッと力の抜けたような雰囲気がすごくいい。男のケジメに女は邪魔なんだねぇ・・・くぅ・・・かっこいい。
ところでこの作品ラストの飛車角の殴りこみのシーンでいきなり白黒になっちゃうんですが、これなんか意味あるんでしょうか?(^^;) 血飛沫が飛んでグロテスクになっちゃうから?・・・んなわけないですよね。

-2006.11.1 レンタル-