にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【映画】『16ブロック』

2006年11月02日 | MOVIE
『16ブロック』-16blocks-(2006/米)
監督:リチャード・ドナー。
出演:ブルース・ウィリス。モス・デフ。デヴィッド・モース。

夜明けまでの張り込みを終え、帰宅しようとしていたジャック・モーズリーは上司に呼び止められ今から囚人のエディを16ブロック離れた裁判所まで送り届けるように命じられる。徹夜明けだと文句を言うジャックだが「15分もあれば済む仕事だ」と説得され、しぶしぶ仕事を引き受けるが、護送中突然何者かに襲われる。なんとかバーに逃げ込んだ二人の前に現れるジャックのかつての相棒フランク。そこで彼はジャックにエディは警察の不祥事を目撃していて、彼が証言するということはフランクたちを窮地に立たせることになるのだと打ち明け、エディを置いてこの場を立ち去るように言うが、ジャックはそれを拒否し、エディを連れ彼らを振り切り裁判所を目指す。NY市警を敵に回した最悪の護送が始まる。

いやぁ、まさかこの作品がここまで面白いとは。劇場で予告編観たときに少しは気になっていたんですけど、こんなにも評判を博す作品だとは思いもよりませんでしたよ。確かに昔ながらの映画好きなら大概はまっちゃうでしょうね。いかにも警察署内のお荷物的な存在であると、ありありとわかるブルース・ウィリス扮するジャック・モーズリーは、酒浸りでヨレヨレで、それでも仕事にやってきてるのが不思議なくらいの警察官。ヨレヨレでやる気ないのぉ~?って感じがよく似合ってる。そしてエディ役のモス・デフって誰?なに?このやたらと癇に障る声は?あ~!もう!うるさい奴だなぁ~!ってジャックが感じたであろうそのままが観ているこちらにもひしひしと伝わる。なんてドンピシャなキャスティングなんだ(笑)。逃走劇としてのアクションもまずまず面白いけど、この作品では人との関わりが巧く生きてます。調子のいいエディの人生やりなおせるんだという前向きさに感化されていくジャック。でも、これエディもジャックの命がけでエディを守ろうとする優しさに感化されたから「きっとやり直せる」という自信を持ったんじゃないかな?って思います。かっこよくって、渋くって、清清しい映画です。それにしてもこの作品でのブルース・ウィリス、顔色は悪いし、無精ひげで汚らしいし、おまけにだらしなくでっぱったお腹で見た目は本当に情けなく、どうしようもないんだけど、そのどうしようもなさが少しずつ冴えてくる。あのなぞなぞの答えをエディに告げるシーンの彼はもう最高にかっこいいです。悪になりきれないデヴィット・モースもかっこよかったですけど。

-2006.10.30 動物園前シネフェスタ-