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にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【観劇】『犬顔家の一族の陰謀』

2007年07月29日 | STAGE
劇団新感線2007年夏休みチャンピオン祭り『犬顔家の一族の陰謀』
作・演出:いのうえひでのり。
出演:宮藤官九郎。木野花。勝地涼。古田新太。橋本じゅん。高田聖子。

大財閥犬顔家の当主犬顔助左衛門助介が死去したことにより、その莫大な財産を巡り・・・あぁ!面倒だ。あらすじの基本は『犬神家の一族』です(笑)。やってきた探偵の名は金田真一耕助之介。これ「かねだしんいちこうずけのすけ」と読むそうです。
まだ、公演が残っているのでこれご覧になられる予定の方はお読みにならないで下さいね。ネタばれします・・・。







で、感想。バッカだぜぇ!好きだぁ! なんでもこれネタものってやつだそうで、のっけから『オペラ座の怪人』なんだもんなぁ。『犬神家の一族』だと思ってていきなりコレだったから思いっきりうけた(笑)。『柳生一族の陰謀』に『ドリーム・ガールズ』、『八墓村』『座頭市』。『デスノート』まで!そして明智先生登場!っと・・・明智じゃないのね敗地大五郎(まけちだいごろう)だって。あの「ちゃらららら、ら~ん」ってあの音楽があんなにも何回も聞けるとは!出来ればあの巡査に撃たれたあと「アッハッハハ!」って復活して欲しかった。犬滝神官の橋本じゅんさん、大滝秀治さんやってくれてたんですが、どうもあのメイク今福将雄さんに見えて仕方なかったです。ね、似てませんか?(笑)。
もう、何がどうって話じゃない。とにかく堪能した。こういうの好きだ。でもってその元ネタがわかるとうれしいんだよね。案外こういう舞台って日替わりで結構変わっちゃうとこあるんだろうな。ちなみに仲間を売った鬼さんの飼ってた動物はもぐらだったんですが、これ他の日に観に行かれた方なんだったんでしょう?ここアドリブっぽい気がしたんですけど。

しかし、いくら文庫本が付いてるって言ってもパンフレット2,800は高すぎませんか?(^^; 舞台は一回こっきりなんで買いましたけど・・・高いよ。

-2007.7.29 シアターBRAVA!-

【舞台】第34回俳優祭『白雪姫』

2007年07月28日 | STAGE
第34回俳優祭『白雪姫』2007年5月26日 歌舞伎座 
作・演出:尾上菊五郎。
振付:初代尾上辰之助(三代目松緑)。
美術:市川團十郎。

俳優祭の詳しい説明はコチラ
劇団ダンダンブエノの公演に坂東三津五郎さんが出演なさるということで、ダンダンブエノのサイトからリンクされていた三津五郎さんのサイトに行ったときに初めて、この俳優祭なるものを知ったんですよね。うわぁ~、これ観たいなぁ・・・と思っていたら、なんとNHK教育テレビで放映されるじゃないですか!ってことで早速録画。そして本日鑑賞致しました。
かなり砕けた感じなのかな?と思っていたら、なんとしっかりと歌舞伎じゃないですか・・・と観ていたら・・・どうやら玉三郎(白雪姫)さんが歌舞伎として崩さずにしっかりとやってられただけのようで、それ以外はかなり砕けてます(笑)。
市川團十郎(お妃)さんは、なんだか登場しただけで笑いを誘ってますし、鏡の精役の息子の海老蔵さんは、出てきた時点ですでに笑いをかみ殺している感じで、お父上に翻弄される姿が笑いを誘います。團十郎さん息子で遊んでませんか?(笑)。
『野田版 鼠小僧』を観た時に、歌舞伎の役者さんがこんなにはじけるとは・・・と思ったんですけど、これ見ると皆様こういう素養はしっかりとお持ちなんだと大きく納得。七人の小人・・・じゃない七人の童役の一人がなんと吉右衛門さん。七人の中で一番最後に登場の吉右衛門さんに、私泣きそうになりましたよ。「は・・・長谷川さまぁ~!!・・・な!なんてことをぉ!!!」同じ七人の童の市川左團次さんは全然違和感なく、この人ならこういうのもアリだな。と納得出来たのですが(笑)。
そしてみんなのはじけっぷりを見事に全部吹き飛ばすかのような登場の尾上菊五郎さん。なんなんですか「北千住観音」って・・・(^^; 。「北千住・・・次は南千住~」って。しかもバックの浄瑠璃?義太夫っていうんですか?とにかくマジメに唄われる「さしたる用もなかりせば、次の駅まで・・・」で退場。「お姫さまが死んじゃったぁ~」っていうシーンに北千住観音は用ないでしょう(笑)。
ラストにかっこよく登場の王子、松本幸四郎さん。青いハンカチ持って、白雪姫の美しさにはにかむ。しっかりと現代の二大王子を取り入れるあたり、作・演出は突拍子もない北千住観音を演じる菊五郎さんだけあってさすがですねぇ。
王子に話しかける吉右衛門さんのセリフにニヤリ「おいらによく似たお侍さん・・・」ここでもういっちょ、染五郎さんにも「おいらによく似た・・・」ってやって欲しかったなぁ。やっぱ笑いは三段落ちでしょう(笑)。
でも、まぁ見事に堪能させていただきましたよ。これ過去の公演も観たいなぁ。「俳優祭DVD」なんて出ないかなぁ・・・。


【観劇】劇団ダンダンブエノ 双六公演『砂利』

2007年07月14日 | STAGE
劇団ダンダンブエノ 双六公演『砂利』
作:本谷有希子。
演出:倉持裕
出演:坂東三津五郎。田中美里。片桐はいり。酒井敏也。山西惇。近藤芳正。

寝たきりの父親を一人で看護し看取った蓮見田は、父の死後虚脱状態となり、しかも子供の頃にいじめた同級生が復讐にやってくると毎日を怯えて暮らしていた。そんな蓮見田に本当に愛されてるの?という不審を抱きながらも、必死に寄り添う身重の恋人有里。父の面倒を兄に押し付けてしまった罪悪感から、実家に戻りひたすら懸命に兄の世話をする弟の孝生。肺疾患の療養のために蓮見田家に居候している戸所。そして蓮見田家の敷地に入りこんできた大事そうに抱えた箱をとにかくどこかに隠そうとする小森橋。どこか不安定だけど妙なバランスをとっている5人の元に、有里の姉際(キワ)がやってくる。しかもその際こそが蓮見田が復讐にやってくると怯えていた同級生だった。

この作品を観る前から、このタイトル『砂利』っていうのが、なんとも不思議だった。何なんだろう?って思ってたら、幕があきいきなりジャラジャラという砂利の音。しかも、この砂利は主人公蓮見田が侵入者がやってきたらすぐにわかるようにと、敷いたもの。なるほどぉ~これかぁ・・・と思いながらお芝居を観ていると、もしかしてこういう意味もあるのかな・・・と思いだす。誰かが来たらわかるように・・・この登場人物たちも自分の心のまわりにもしかしたら砂利を敷いているのかもしれないと。だから『砂利』なんだと。そしてこの砂利っていうのは、誰かがきたら・・・っていうだけではなく、自分はココにいますよぉ!っていう意味もあるのかも。舞台上の登場人物たちは、確かに普通ではない。でもそれはお芝居というものの中だからデフォルメされているだけで、微妙なラインで自分に被ってくるような気がする。深いなぁ。それがコメディタッチになってるから、面白くってだれることなく終わったのですが、最後の到達地点がイマイチ私には、わかりにくかった(苦笑)。丸く納まったのかな?でもああなって、こうなって、どういう訳で納まったんだろう?深読み出来ない私にはわからない。深くて面白い作品でしたが、出来ればもう少し噛み砕いてご説明いただきたかった(笑)。

しかし今回はさすがに客層が不思議だった(笑)。和装のご婦人たちがチョコチョコ見受けられて、一目で「ああ、三津五郎さんの御贔屓さんね」とわかるものの、こういう公演で、あの方々の存在というのは、やはり不思議としか見えない。(^^;
おまけに途中、思いっきり三津五郎さんがはじけちゃうシーンがあって(アフロにゴールドパンツですからねぇ・・・)、このシーン、あの方々はどうご覧になったのか?に興味があります(笑)。「わたくしの三津五郎さまがぁ~・・・ガラガラガラ・・・」とイメージが崩れ落ち立ち直れなくなってたりしないといいのですが。ま、ちょっぴりテレを残してらしたので、そこまで崩れはしないでしょうけどね。

-2007.7.11 兵庫県立芸術文化センター・中ホール-



【観劇】『場所と思い出』

2007年06月14日 | STAGE
『場所と思い出』
作:別役実。
演出:松本修。
出演:安達朋子。木全晶子。和田友紀。孫高宏。福島栄一。松本修。

見知らぬ町にやってきたセールスマン。一人の女にバス停まで案内してもらったことで、その女の妙なペースに巻き込まれていく。そしてそこにもう一人の女がやってきて、そこにまた不思議な男女がやってくる。いつまで待ってもやってこないバス。三人の女と一人の男に翻弄されるセールスマン。

日本に不条理劇を確立させたと言っても過言ではないという別役実作品。観ておいて損はないということで、行ってきた。
「なんじゃこりゃ?」いや、面白くないわけではない。1時間20分という短い作品なんだけど、全然だれることもなく、あれあれ?って言う間に終わってしまったという感じだ。だけど、これは一体どう言ったらいいものか・・・。不条理劇・・・ああ、そういうことなのね、と。観終わって思わず苦笑い。そうなんですよ、私こういうの苦手だったんだ(笑)。そんなつもりじゃなかったのに・・・自分の意思とは関係なく、流されていく・・・所詮、人の世はままならない。わかっちゃいるからこそ、そういうのを描かれちゃうとなんとも口の中がジャリジャリとするような、気持ちの悪さが残ってしまって、ダメなんですよねぇ。(^^;
それでも、こういう物語でそういうのを描くっていうのは、すごいなと思う。この発想は一体どこから出てくるんだろう?とりあえず一度は観ておいてよかったなとは思いますけどね。でも、もういいや(笑)。

-2007.6.14 ピッコロシアター大ホール-

【観劇】『藪原検校』

2007年06月08日 | STAGE
『藪原検校』
作:井上ひさし。
演出:蜷川幸雄。
出演:古田新太。田中裕子。壤晴彦。段田安則。六平直政。他。
江戸中期の塩釜の地。小悪党の魚売り七兵衛と醜女だが気立てのよいお志保との間に一人の男の子が生まれる。しかし、お志保と世帯を持ち改心したはずの七兵衛がお産の費用欲しさに行きずりの座頭を殺したことが巡る因果となったのかその子も盲だった。その事実に苦悩し七兵衛は自害。その子は塩釜の座頭・琴の市に預けられ、杉の市という名をもらう。手癖が悪く手が早い杉の市は、十三才で女を知り、師匠の女房にまで手を出し、やがて悪事の限りを尽し、藪原検校にまでのぼりつめるが・・・。

いきなり津軽三味線のような奏法で鳴り響くギターの音。えぇ!ギターでこういう音、奏法が出来るんだ!すげぇ~!としばし呆然となる。そして始まる舞台。なんて濃厚な作品なんだ。まず出ているメンバーが濃い!で、物語がこれまた濃い!稀代の悪党藪原検校のピカレスクロマン。エロいし、ラストはエグい!(笑)。すごいわコレ。素人目の私には『天保十二年のシェイクスピア』の方がいいようには思うんですけどね、でもこれはこれですごい。この作品では役者の底力というか、どうだこらぁ!これがプロだぜ!っていうようなものを突き付けられたような気がする。古田さんの「早物語」もすごいけど(なんでも台本12ページだそうです)、出ずっぱりの語り手、壤晴彦さんがすごいわ。物語の進行役なんで決して目立たないんだけど、この人のうまさがなければこの作品成り立たないんじゃないでしょうかね。そつがないし、無理がない。極めつけ声がいい。
やっぱり舞台っていいですねぇ。こうして生で役者の力をまざまざと見せつけられるんですから。真剣勝負の面白さ・・・ですかね。

-2007.6.7 シアターBRAVA!-

【観劇】『オペラ座の怪人』

2007年05月26日 | STAGE
劇団四季
『オペラ座の怪人』
出演:ファントム=佐野正幸。クリスティーヌ=苫田亜沙子。ラウル=鈴木涼太。

2005年にこの作品の映画版を観てからすごくこの舞台観たかったんですよねぇ。いつか再演するはずだと待ちに待った今年。
1998年にロンドンのウエスト・エンドの全国ツアーのメンバーによるケン・ヒル版の『オペラ座の怪人』を観てるんですが、基本的な物語は一緒ということで、ファーストシーンのオークションは映画のオリジナルだと思い込んでいたんですよね。だって、現在から過去に鮮やかにオペラ座が蘇るあのシーンは映像のマジックだからこそだと思うじゃないですか。ところが今回、映画と同じアンドリュー・ロイド=ウェバー版である四季の『オペラ座の怪人』を観て驚いた。舞台版もあの地味なオークションから始まるんだ!?ステージから天井へと移動するシャンデリア!すごい!舞台芸術侮ってちゃいけませんねぇ。これ先に観てたら映画版は感動しなかったかも・・・(笑)。いつもチケット取る時の癖で前がいいだろうと前の方の席をとったのですが(端より)、この舞台は2階席で観るのがいい!と一つかしこくなりました。初めて入った四季劇場。そんなに広くはないんですね。でも舞台装置が凝りに凝ってて、なんかちょっぴりマジックショーも入ってて(笑)、堪能致しました。機会があれば、別のキャスティングで今度は2階席で、この作品観てみたいです。
この舞台を観た翌日には、映画版のサントラを再びひっぱり出し、車の中は『オペラ座の怪人』がエンドレスで流れてます。でも、この舞台を観たあとでは、どうも映画版ファントムのロック調の歌い方がしっくりこないんですよねぇ。

-2007.5.24 大阪四季劇場-

【観劇】『ぬけがら』

2007年05月25日 | STAGE
文学座公演
『ぬけがら』
作:佃 典彦。
演出:松本祐子。
出演:飯沼慧。鵜澤秀行。関輝雄。若松泰弘。山本郁子。他。

鈴木卓也41歳。浮気が遠因となり人身事故を起こし、勤めていた郵便局はクビ。元から心臓の弱かった母親は度重なる心労のため他界。昨日葬儀を終えたばかりだというのに妻には離婚届けを突き付け帰っていった。今彼の側にいるのは84歳になる認知症の父親だけ。ところがその父親が脱皮して20才若返って彼の目の前にいた。そしてその後も何度も脱皮を繰り返し、若返っていく父親。

人生ズタボロな主人公。そんな彼の目の前でどんどん若くなっていく父親。そんな彼らとのやり取りの中で、少しづつ変わってゆく主人公。とは言っても次々と脱皮する父親に翻弄されてるだけって感じなんですけど、その翻弄されてる中での父親との会話に、再生のヒントがあるようで、なんだか観終わってからがすごく心地いい。これがこうなってこうだからこう!っていう押し付けが全くなく、見終わって元気をもらえたような爽快感がある。コメディ仕立てなので、笑いながら楽しみながら観ていたのですが、母親と6人の父親たちが食卓を囲むシーンには、胸が熱くなった。人の人生ってこの食卓なんですよね。あの時こうすれば、ここでこうはなっていない。って言いつつもそれはどうすることもで出来なくて、とにかく食べなきゃ!(笑)ってことなんですよね。
ちょうどこの主人公の年代と自分の年代が一緒なもんだから、そんなところも自分の中に懐かしくあったかく入ってきたのかもしれません。そういえば私もこの劇中であったように父親の背中踏まされたなぁ・・・。「電線マン」見てたよなぁ・・・。とどめが『ロッキー』だし(笑)。

私は今回はじめてピッコロシアターに入ったんですが、いいですねぇこの劇場。こんないいところがあったんだ。大きさといい雰囲気といい私は好きだなぁ。うちからちょっと遠いのが難点ですが、これから何度も来たいと思った劇場でした。ロビーには過去にここで上演されたお芝居の写真が飾られてて、「演劇集団円」もここでやってるんですねぇ。これから来る予定ないのかなぁ・・・観たいなぁ。

-2007.5.23 ピッコロシアター大ホール-

【観劇】『ハムレット』

2007年03月14日 | STAGE
ピッコロ劇団第27回公演『ハムレット』
作:ウィリアム・シェイクスピア。
翻訳:堀江新二。
台本・演出・美術:ワレリー・ベリャコーヴィチ。
出演:剣幸(客演)。橘義。岡田力。平井久美子。

知人から、ワレリー・ベリャコーヴィチ演出の『ハムレット』あるんだけど行きませんか?とメールがあった。正直言います。私はその時「誰よそれ?ベリャ・・・え?覚えられないよ」と思ってしまった。観に行った今でも「ワレリー・ベリャコーヴィチ?誰よそれ?」な状態ですが・・・(^^;)。
ま、ともかく訳わかんないまでも昨年観た『ハゲレット』のおかげで『ハムレット』の物語はしっかりと頭に入っているし、いつも観劇なんかのお誘いしたらお付き合いいただいている方だし、真っ当な『ハムレット』も観たかったし、ということで行きますという返事をしてチケットはその方におまかせしたのですが・・・いやぁまさかA列ど真ん中とは・・・驚きの座席でした。役者さんの唾まで飛んできそうな位置(笑)。だけど舞台の場合はこの位置は前すぎますね。まるでテニスの試合を見ているように右に左にと目をむけなくてはならない・・・(^^;)。しっかりと首を右に左に動かして観劇しないといけないというのはかなりつらいですね。観劇のベストシートはセンターの10列目くらいなのかな・・・。

で、肝心のお芝居ですが・・・。
真っ当な『ハムレット』ではなかったです。
"光と闇の魔術師" ワレリー・ベリャコーヴィチなんだそうで、なかなか面白かったです。ただ基本的にはストレートな芝居しか観たことのない私には、演出上組み入れられているバックの微妙なダンスがいただけなかった。だって、軽いステップがなんだか「ド・ド・ドリフの大爆笑」のステップなんだもん(爆)。あぁ~、きっとこんな風に観たのって私だけだろうなぁ・・・(^^;)。あ、あとねぇ、音楽がワンパターンで同じ音楽の使いまわしで音にはちょっと飽きちゃった。それと、ミキサーが悪いのか、大きな音楽がバックで流れているところで話すセリフがまったく聞き取れなかった。と絶賛するほどの面白味は感じなかったんですけど、衣装も面白いし、セットも面白い。こういう形式のお芝居って初体験だったので、舞台の演出の面白さ、違いっていうのがわかって観に行ってよかったとは思ってます。

-2007.3.13 兵庫県立芸術文化センター-

【観劇】『朧の森に棲む鬼』

2007年02月19日 | STAGE
『朧の森に棲む鬼』
脚本:中島かずき。
演出:いのうえひでのり。
出演:市川染五郎。古田新太。阿部サダヲ。秋山菜津子。真木よう子。

舌先三寸で、他人を誑かし姑息に世を渡っていた小悪党のライ。そんな彼が「朧の森」で魔物(オボロ)たちと彼の命と引き換えにこの国の王になるという望みを叶えるという契約を交わす。但し差し出すライの命はライ自身の手によって殺められたもの。この契約で与えられたライの舌先と共に動く剣を手にしたときから、ライの欲望が走り出す。
初めて入った松竹座。初めて観る生の新感線の舞台「いのうえ歌舞伎」。まず、3階が1階席という松竹座の作りに驚く。そういや、ここ映画館だったんだよなぁ~中身は全然変わっちゃってるのかなぁ~・・・などとひとしきり劇場内をグルグル見回しちゃった。(^^;) なんかおのぼりさんみたい。
開演時間になり、照明が落とされ、ガンガンと鳴るロックミュージック。まぶしいライト。キタキタ~ッ!って感じでどんどん観ているこちらのテンションがあがっていく。で、四の五の言わずに本日の感想。すっげぇ~いい!!途中休憩30分をはさんでの約3時間の舞台。あっと言う間に終わっちゃいました。舞台に雨は降るし、滝は流れるし・・・血飛沫飛ぶし・・・かっこえぇ~。
高田聖子さんのおみ足おっぴろげには『アメリカン・ビューティー』のアネット・ベニング思い出しちゃうし(笑)。
でもって古田新太さんかっこいいわ。すみません今日の今日まで嫌いだったんです(爆)。正確に言うと嫌いではないけど、どうも好きになれない俳優さんだったんですよね。何かこう体温低そうな、かったるそうなお芝居が好きになれなくって・・・。でも、やっぱ役柄もあるんでしょうが、生の舞台を観るとその俳優さんに対する見方がガラリと変わりますね。かったるそうな雰囲気はあるんですが、妙なあの細かい顔芸に、やられちゃいました(笑)。
そしてこの物語。ピカレスクロマンって言うんですか・・・私こういうの好きなんですよねぇ。『阿修羅城の瞳2003』が好きだったんですけど、この作品の方が好きかも。DVD出たらきっと買っちゃうだろうなぁ。

今日もらったチラシにあった『藪原検校』と『犬顔家の一族の陰謀』の二本も観に行きたくなっている。う~む・・・お芝居はやはり危険だ。お財布にすご~く危険だ。

2007.2.19 大阪松竹座

【舞台】『えっと、おいらは誰だっけ?』

2007年02月09日 | STAGE
『えっと、おいらは誰だっけ?』
作:マイケル・クーニー。
翻訳:小田島恒志。
演出:綾田俊樹。
出演:小林隆。岡田達也。綾田俊樹。村岡希美。

ロンドン郊外の住宅に妻と二人で暮らすエリック・スワン。そして2階には間借り人のノーマン・バセットが住んでいた。
ある朝、妻を先に出勤させ、社会保障省に電話をするエリック。なんと彼は勤めていた電力会社を2年前にクビになり、社会保障省からあらゆる手当てを不正に受け取っていたのだ。あまりにも多くなった手当てに心が痛んだエリックは少しでも手当ての受け取りを減らそうとしていたのだが、まずはじめに間借り人ノーマン・バセットの名前を使った申請を取り消すために、ノーマン・バセットの死亡をでっち上げる。そこへ仕事に行ったはずのノーマンが2階から降りてくる。なんとかその場を取り繕うが、今度はそこへ社会保障省の役人がやってきて・・・。

エリック・スワン。その妻リンダ。2階の間借り人ノーマン・バセット。エリックの不正受給の片棒を担いでいたジョージおじさん。リンダが戸棚から妊婦服やら授乳用のブラジャーを見つけたことからエリックの変な趣味を疑ったリンダに呼ばれたドクター・チャップマン。社会保障省の役人ジェンキンズ、福祉担当のサリーに葬儀屋のフォーブライト。ジェンキンズの上司ミズ・クーパー。ノーマンの婚約者ブレンダ。嘘が嘘を呼ぶごまかし合戦に総勢10人が入り乱れて大騒ぎ。
嘘が嘘を読んでのごまかし合戦というのは、コメディの王道なんだけど、出演者がみんな上手い人ばっかりなんで、無理がない。だからリズムがよくって、もう笑いっぱなし。好きだわ、こういうの。本がよくって、翻訳も上手いもんだから、途中休憩をはさんだ2時間の舞台があっと言う間でした。ただ途中、これだけ物語広がって、一体どう収束させるんだろう?って不安になってしまいましたが(笑)。まぁ、なんとか納まってよかったよかった。でも、ちょっと納まり方には不満ありかな?
実はこれはお誘いいただいたんで、観に行ったんですが、これは観に行けてよかったぁ。もうこういうの大好きです。
でも、最初出演者の名前でわかったのって綾田さんだけなんですよね。あとは「どなた?」っていう状態で(笑)。お芝居はじまって登場した小林さん観て「あ!『古畑任三郎』の向島さんだ!」って(笑)。すみません小林隆さんっておっしゃるんですね。結構いろいろ出てらっしゃるんですね。あら・・・井上源三郎さんも演じてらっしゃったんですね。これでお顔と名前が一致いたしました。

お芝居が終わり振り向くと後ろの方結構空席があって、なんかもったいないなぁって思いました。それくらい面白かったです。

2007.2.8 シアタードラマシティ