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にゃんこな日々

ネコ風ライフをつらつらと・・・

【舞台】『アテルイ』CATV録画

2007年01月15日 | STAGE
『アテルイ』2002年新橋演舞場 -CATV録画-

作:中島かずき。
演出:いのうえひでのり。
出演:市川染五郎。堤真一。水野美紀。金久美子。渡辺いっけい。

大和の国の朝廷は、国家統一のため蝦夷の国に侵攻していた。その頃都で蝦夷の者と思われる立烏帽子党という盗賊が都の者たちを恐れさせていた。そしてその立烏帽子党を巡り出会った二人。神に仕えるという獣に襲われていた娘を助けるためにその獣を殺したことで神殺しの身となり故郷蝦夷を追われたアテルイと朝廷に仕える武官坂上田村麻呂。互いに好敵手と惹かれあう二人はやがて蝦夷の地で剣を交えることになるが・・・。

アテルイって実在の人物なのね。全然知らなかった(^^;)。おまけに蝦夷(えぞ)だっていうから北海道かと思ってたら岩手なのね。いやぁ世の中まだまだ知らないこといっぱいで楽しいなぁ~・・・アッハッハ・・・。
『阿修羅城の瞳2003』と同じ時代モノなので期待度MAXで観賞したのですが・・・。ふむ・・・。3時間しっかりと目も離さず見入ったのは見入ったのですが、私はやっぱり『阿修羅城の瞳2003』の方が断然好きだな。なんかねぇギャグとか微妙にすべってるんですよ。それと一つ気になったのがいつもノリノリで演じてらっしゃる橋本じゅんさんのアドリブなのかなぁ~・・・最初の登場シーンでエミシの民たちに殺しあうように命じたけどそうしなかったシーンで、大阪弁で罵るんだけど、その言葉がねぇ、ちょっとひどすぎ。「アホ、バカ」なら許せるんだけど「乞食」だとかまで言ってて、なんでそんな言葉使うんだろう?って思いっきり引いてしまった。私は別に言葉狩りするつもりはないんですけど、ちょっとこれはどうだろうって思いましたね。多分アドリブだと思いますけど。あれ脚本にあったらちょっと大丈夫ですか?って気になりますよ。(^^;)
とにかくひっかかったのはそこだけで、あとは楽しく観られたんですが、期待値が高かったせいか、もう一度見たいとは思いませんでしたねぇ。『阿修羅城の瞳2003』の方がねぇ、時代劇好きの私をくすぐるんですよ(笑)。ま、こちらの作品の方が前だから、翌年の作品は進化してて当然かもしれませんね。
で、来月は初生「いのうえ歌舞伎」『朧の月に潜む鬼』です。さてさて・・・どんな舞台になるんでしょうねぇ。楽しみ。楽しみ。

【観劇】文楽

2007年01月08日 | STAGE
本日、以前から興味があって一度は観に行きたいと思っていた文楽に行ってきました。
大阪府在住でこういうのに興味のある方で、この制度をご存知ない方にとりあえずお知らせしておきますが、毎月配られる広報にも載ってて、ココhttp://www.pref.osaka.jp/osaka-pref/j_fusei/0701/osirase_317.htmlにもありますが、「府民のための芸能・芸術半額鑑賞会」っていうのがあるんですよ。これは往復はがきで応募して当たったら半額でチケットが買えるっていうものなんですが、私これで当たりまして、本日行ってきたんですよ。後ろの方の席でよければ普通に2500円くらいだったかな・・・で観られるんですけど、やはりこういうのもいい席の方がいいですしね。だから普通5800円の席が半額というのはうれしいですよ。

本日の演目
第2部
1、二人禿(ににんかむろ)
10分程度の演目で、京の遊郭で二人の禿が、色街という大人の世界にいる辛さを嘆きながら、幼い子供ゆえ手毬や羽根突きに興じながら憂さ晴らしするというお話。

2、嫗山姥(こもちやまんば)
近松門左衛門の5段続きの時代物で、源頼光や坂田金時なんかが出てくる話(いい加減だな(笑))の「廓噺の段」。坂田金時の父と母の話で、母が金時と身篭り山姥となるお話。

3、冥途の飛脚
・淡路町の段 飛脚屋亀屋の跡継ぎ忠兵衛が深い仲の女郎梅川を身請けするために、友人でもある丹波屋八右衛門に届いた五十両を使い込んでしまったことを八右衛門に告げるが、八右衛門の友情によりとりあえずは事なきを得る。

・封印切りの段 堂島の侍屋敷の金三百両が届き、それを届けに出た忠兵衛だったが梅川恋しさにその金を持ったまま新町の廓へ出かけて行き、ちょうどそこにいた八右衛門が忠兵衛のことを思い、五十両の仔細を遊女たちに聞かせ廓に出入りできないようにした方がと語っているのを外で聞いた忠兵衛は、短気を起こし三百両の封印を切ってしまう。

・道行相合かご 封印を切ったことで梅川を身請けしたのはいいが、武士の金を横領してしまった罪は死罪。二人生きられるところまで生きようと忠兵衛の故郷大和国新口村へと向かう。

ゆうべ遅くて少し寝不足の私は、単調な部分で少し睡魔に襲われてしまうことはありましたが、初めて観る文楽はすごく素晴らしい。人形の使い方がどうこうとか、浄瑠璃がどうなんていうのは全然わからないんですが、初体験ということでイヤホンガイドと共に作品を観て、物語の流れの面白さ、人形の動きの面白さ、あの足を踏み鳴らすリズムに魅了されてしまいました。
派手な『嫗山姥』が、初心者の私には一番面白かったんですが、『冥途の飛脚』の忠兵衛「封印切りの段」では、あ~!なんであんたは、わからんねん!と思いつつも、近松の物語の上手さをしみじみと感じました。
また観に行きたいですね。その前に今度は歌舞伎にも挑戦してみようかしら。でも歌舞伎高いしなぁ~。



『書く女』

2006年10月22日 | STAGE
物語は樋口夏子が小説家を志し、半井桃水に師事するところからはじまる。
私の抱いていた樋口一葉像は文学の才能を持ちながらも、極貧の中、病に倒れ24歳という若さで早逝してしまった「薄幸の佳人」だったんですよね。私の好きなマンガ『坊ちゃんの時代』の中にも森鴎外が回顧する樋口一葉が登場するのですが、清楚で薄幸なイメージなんですよ。
ところが半井桃水に師事を乞う舞台の樋口一葉は早口に、ガチガチの敬語でまくし立てる。この登場シーンに私は呆然としてしまった。そして舞台で動き出す樋口一葉。私の中の樋口一葉像は脆くもガラガラと音を立てて崩れていった。貧乏は貧乏だ。だけど全然薄幸じゃない。なんなんだ?すごくたくましいじゃないか!?そして劇中で語られる一葉の作品に込められた一葉の思いに、「書く女」の素晴らしさを感じた。劇中の樋口一葉に、現実の樋口一葉に、そして現代の「書く女」この作品の作家である永井愛さんに。
昨年観た『歌わせたい男たち』があまりにも面白く、永井愛さんの脚本、演出ならこれは間違いないだろうと、二兎社を追いかけることにしたのですが、そう決めたことに間違いはなかったです。3時間15分と長い作品だったのですが、全くその長さは感じられず、お尻が痛いとさえ思いませんでした。
で・・・寺島しのぶさん。地味だとか、美人じゃないとか、華がないとか好きなこと言って、映画でお見かけしている範囲だけであまり好きな女優さんではないというイメージを持っていた私がバカでした。ここに平に深謝致します。寺島しのぶさんすごいです。こんなにも魅力的な人だとは思いませんでした。観客を舞台に惹きつける妙なオーラを感じてしまった。この長い舞台をググッと引っ張ってるんですよねぇ。カーテンコールではすごくチャーミングが感じがしましたし。『赤目四十八滝』観てみようかな?<とかなりいい加減な奴です。ハイ。(^^;)
いつもは開演前にパンフレットを買っているのですが、今回は開演時間ギリギリだったので、終演後パンフレットを買いに行くとなんとそこに永井さんが!本を購入するとサインがいただけるってことだったので、どれにしようか迷いながらも『見よ、飛行機の高く飛べるを』を購入してしっかりサインいただいて帰りました。『ら抜きの殺意』でもよかったのですが、どうしても明治という時代に惹かれてしまうんですよねぇ。

ダンダンブエノ『トリデ~砦』

2006年07月05日 | STAGE
時は、ノストラダムスの大予言が当たっていたら40歳という年齢を迎えずに人生を終わってしまったであろう若者がいた時代。場所は千葉県。今までまともに楽器なんて弾いたことがない連中が、夏に企画されている地元の「ザ・さんふらわあ祭」でライブ演奏をしようということになりとりあえずは合宿で練習を・・・と人気のない海辺にある合宿所に集まった。今は若くないおじさん、おばさんのとにかくただただ若かった(笑)、という凝縮の2泊3日の物語。
いやぁ~、楽しい舞台でしたよ。まず設定が自分の年代ぴったんこで、おまけに音楽絡みですから、いろいろ同化するところもあって、考え方や行動って確かにこんな感じなとこあったよなぁ~。とお芝居観ながら思わず遠い目になっちゃいました(笑)。
それにやたらとちりばめられるBGMがこれまた年代指定のツボミュージック。なっつかしぃ~!! そうそう、劇中突如みんなの前から姿を消した一人の生霊だか、幻覚だかか現れるシーンにかかるのが『天国への階段』。やっぱここのシーンはこの曲だろう!ってきっとウケ狙ったと思うんですが、これは「グッジョブ!」でした。あ、それとライオネル・リッチーのレコードのジャケットを見たときばんばひろふみそっくりで驚いたというセリフに大受けしてしまいました。(^^;) 
お芝居&生演奏。2時間10分。堪能させていただきました。
ただねぇ~・・・(ちょっと冷静モード)この舞台、ダンダンブエノが好きっていう人じゃなくって、80年代の音楽なんて興味なくって、って人が観たらどうだっただろうなぁ~って気はします。お芝居としては前回の『礎』(BSでの観賞ですが)の方が出来栄えとしては上じゃないかなぁ~なんて気がします。まぁねぇ、慣れない楽器とお芝居の両方はちょっときつかったかもしれませんね。楽器手にするとみなさん素なんですもん(笑)。ただパンフレットを読んでいるとこれがダンダンブエノなんですよね。(^^;) 
来年の公演の予定もたっているようで、一体今度は何が出てくるのか・・・楽しみです。このままサックスを続けるようなことをパンフレットの中で語ってらっしゃる近藤さん。来年の公演では劇中では無理だったとしてもぜひともカーテンコールで一曲披露していただけるとうれしいんですけどね。

小林賢太郎プロデュース公演『LENS』

2006年04月18日 | STAGE
なんだか最近やたらとこういうお芝居もDVDになっていて、気軽に観る事が出来るっていうのはうれしいですよねぇ。
そりゃ生の舞台観るに越したことはないんですが、さすがにあれもこれもは観られないし、よほど内容にそそられるか贔屓の俳優さんが出ているのでもない限りさすがに値段もはるものなんでそう簡単に観に行けないですしね。

で、レンタルでこれをみつけたのでとにかく借りてみた。
面白い!こういうの好きだなぁ。しかも内容は推理ドラマ!
舞台は大正。ある図書館で書籍がごっそりと盗まれ、しかもその図書館では幽霊の目撃談まで出ていた。そしてその事件の解決のためにやってきたのは超常現象を専門に扱う警部。そこにふとしたことで知り合った推理作家志望の書生が現れ、盗難事件の謎に挑む。なんてあらすじだと真面目そうな感じがするのですが、そこはそれ小林賢太郎さんプロデュースってことですから、笑いの場面はいっぱい。テンポがあってドタバタしていなくって、しかもちゃんと推理ドラマになっている。そして出演者がみんないい。小林さん以外全然私知らない人たちだったのですが・・・。いや、ネットで検索してみるとみなさんそれぞれに活躍してて人気のある人たちのようなので、ただ単に私が知らなかったってだけなんですけどね。(^^;) でもこうして舞台を観るようになってつくづく思うのが、役者さんって結構いっぱいいるんだな・・・と(笑)。覚えられない(笑)。
この舞台で小林さん演じる作家志望の書生のキャラがなかなか面白いので、また観てみたいって気がします。名探偵であるのは間違いないんだけど、その推理が見事に説明不足。おかげで必ずつっこみ役がいるという流れがすごく面白かった。

『12人の優しい日本人』

2006年03月23日 | STAGE
やった!WOWOWで放映される!と歓び勇んで録画しておきながら、今頃やっと観ました。(^^;)
で・・・感想。映画の方がよかった。(^^;)
いや、私最近こそは邦画よく観てますし、昔の邦画なんてのにもはまっちゃって大好きだなんて言っているのですが、数年前までは邦画はほとんど観なかったんですよ。偉そうにちょっとした映画好ききどって、邦画ってなんかちゃちいし、やっぱハリウッドだねぇ。なんてスカしたこと言ってたりしたときに、結構話題になってた作品だしとレンタルで借りて観たのが『12人の優しい日本人』。この作品観たときは「邦画なんてさ」なんて言ってた自分が正直恥ずかしくなっちゃったくらいに面白くて、三谷幸喜さんの脚本ってすごいんだなぁ。と意識しはじめたんですよね。しかも元々は舞台だということで、今回の再演にはすごく興味があり舞台に行きたいと思いつつも諦めた作品だっただけに、期待度はすごく大きかった。と言いつつ今頃見ているんですが・・・(笑)。
物語の展開を知ってしまっているから面白さが半減したっていうのは、無きにしも非ずなんですが、なんかねぇすごい物足りなさを感じてしまったんですよね。キャストが映画版の方が個性豊かで際立っていたっていうのもありますし、なんかすべてが大げさ過ぎるんですよね。はなっから陪審制で遊んでやるぞ的なおちゃらけたムードが感じられて、まず素ではじまった時点から妙にドタドタ。これで一気にひいちゃった。で、映画版で「おぉ!」となったあの「ジンジャエール!」の下りは、持っていき方にぎこちなさを感じた上にどうもしつこく感じてしまった。そして江口洋介さんが弁護士だと言って無罪に向けて立証をしていく場面は、「え?古畑任三郎?」って思っちゃった。これは断然に映画版のトヨエツさんの方がいいですね。全体的にキャラが薄い。ま、映画版が濃すぎるというのもあるかもしれませんが(笑)。塩見三省さん。上田耕一さん。梶原善さん。山下容莉枝さん。大河内浩さん。やっぱ濃いわ(笑)。

『ハゲレット』

2006年03月15日 | STAGE
『ハゲレット』紀伊国屋ホール
原作:W・シェイクスピア『ハムレット』
脚色:鈴木聡 演出:山田和也  出演:近藤芳正。笹本玲奈。ベンガル。他。
お芝居の本拠地となる東京での初観劇。地方公演となってしまう大阪とは全く違う雰囲気に観に来てよかったなと思いました。劇場に入るとなんと役者さんたちがお芝居の扮装でパンフレット売ってる。「え?」こんなことなら外で買うんじゃなかった(^^;)。
今まで観た二本のお芝居の席は後ろの方だったのに、今回は運良くG列という比較的前の方の席が取れてしかも通路側。舞台との距離が近いこともうれしかったし、劇中通路を近藤さんが走る抜けるシーンがあり、真横を近藤さんが通る!それだけで舞い上がってしまったミーハーな私(笑)。
シェイクスピアの作品で私がまともに知っているのは『ロミオとジュリエット』だけ。むか~し『ヴェニスの商人』は読んだことありますが、すっかり記憶にない(爆)。この『ハムレット』も「生きるべきか死ぬべきか」っていう超有名なセリフとアバウトなあらすじだけだったんですが、このお芝居観たおかげで『ハムレット』がわかりましたよ。以前BSで録画して観た『天保十二年のシェイクスピア』の『ハムレット』から持ってきているシーンがすべてわかりました(笑)。シェイクスピア作品って私にはすごく敷居の高い感じのするものだったんですが、こういう作り方してくれるとすごくうれしい。とことん苦悩するハムレットが悩みすぎで若ハゲになっちゃったとしても確かにおかしくはないですよね。高尚な・・・ってのが苦手な私には、面白くて楽しくて、しかも『ハムレット』の物語がしっかりとわかってしまうというこの作品は最高の作品でした。

『レインマン』

2006年02月26日 | STAGE
『レインマン』シアターBRAVA!
演出・脚本:鈴木勝秀  出演:橋爪功 椎名桔平 朴璐美 大森博史
1988年のダスティン・ホフマン、トム・クルーズ出演の映画『レインマン』の初舞台化だそうです。
っつ~か作品は何でもよかったんですよ。とにかく橋爪さんの生の舞台が観られるってだけでチケット買いました(笑)。
いやぁ~、やっぱ橋爪さんすごいわ。何やらせてもこなしますよねぇこの方は。映画のダスティン・ホフマンよりも力が抜けているって感じがしましたね。こうフワッとした感じで自閉症のレイモンドを演じておられました。ネットでみつけたインタビューではセリフの多さをぼやいてらっしゃいましたが、確かに多い。というか記憶力のすごいレイモンドということでそれを披露するセリフが長いんですよね。でもそれで拍手もらってましたけど(笑)。しかしそれだけ素晴らしい橋爪さんの演技ですが、ふと『裸の大将』の山下清がよぎってしまったのは仕方ないのだろうか?(笑)。
橋爪さんの名演だけではなく、この作品はうまく作られているなぁ~と思いましたよ。ロード・ムービーでもある映画をシンプルなセットでほとんど二人だけの会話で面白い舞台の作品へと変えている。レイモンドと出会ったことで新たな自分を発見するチャーリーという心の機微を映す単純な物語に、笑いを誘うシーンをいくつか組み込んで観ていて本当に面白い作品でした。
やっぱ舞台はいいですわ。実は私、昔橋爪さんが『シラノ・ド・ベルジェラック』を舞台でやったと知ってからず~っとこの作品観たいって思ってるんですよねぇ。この『レインマン』もよかったけど、またやってくれないかなぁ。舞台は見逃すと二度と観られないってのがあるから悲しいですよねぇ。

『天保十二年のシェイクスピア』

2005年12月26日 | STAGE
最近、やたらとこういうお芝居をBSやCATVでやってくれるからうれしい。くわしい内容はこちら

シェイクスピアの全作品を土台にしている作品ということなのですが、録画予約するときになんでこんなに長いんだろう?と怪訝に思いながらも、きっと特別映像とかがあるんで長いんだ。と勝手に解釈して録画。そして一昨日クリスマスイブだからと買ってきたローストチキンにかぶりつきながら7時ごろから観始めた。見終わったら10時半をまわっていた。長ぇ~よぉ~(笑)。ま、それでもだれることなく飽きずに最後まで観たんですけどね。これ劇場でみたらきつかっただろうなぁ。きっとお尻が痛くなったはず。
でも見終わってこの作品のこと調べたら・・・なんと初演のときは4時間を超えていたとか・・・すげぇ~(笑)。
WOWOWで録画したんですが、地上波では絶対に放映できませんな。これは。放送禁止用語はいっぱい出てくるし、エロチックだし(笑)。でも面白かった。
これシェイクスピアの作品知ってれば知ってるほど面白いだろうなぁ。私なんて37作品もあるなんてことすら知らなかった。この中で私がわかったのは『リア王』と『ハムレット』『ロミオとジュリエット』『マクベス』『リチャード三世』だけ。「バッサーニオ!」と叫んだだけだったという『ベニスの商人』にも気付かなかった(^^;)。
なんだかお祭り騒ぎみたいな舞台でしたね。これは何々って作品だ!なんてわかるとまた楽しいし、わかんなくてもそれなりに、面白いし。役者さんなんだかみんな楽しそうだし。「もしもシェイクスピアがいなかったら~」って歌耳についちゃうし(笑)。ラストの出演者全員による幽霊ダンスがよかった。あれが余計に「あ~面白かった」って気分にさせてくれます。
出来れば、この部分はこの作品っていう解説が欲しいな。どっかにないかなぁ。

『歌わせたい男たち』

2005年11月24日 | STAGE
『歌わせたい男たち』
舞台は卒業式2時間前の都立高校の保健室。卒業式でのピアノ伴奏の重責を担う元シャンソン歌手の音楽講師。何としても『君が代』の全員起立、全員斉唱を願う校長。たった一人でも不起立、不斉唱を貫こうとする社会科教師拝島。決まりごとは決まりごとなんだと妄信する英語教師片桐。そういうことには興味はないけどどこか片桐に興味があるようで片桐に賛同する養護教師。卒業式での『君が代』を巡るそれぞれの思惑。
実際に起こっている現場でのドタバタが見事にシニカルにコメディ化されている。
面白い。とは言っても喜劇のワハハ!って感じの面白さじゃないんですよね。いや、確かに笑える。大笑い出来る。だけどもどっか笑えない。すごい作品です。仕事途中でトンズラして観に行った甲斐がありましたよ(笑)。校長役の大谷亮介さんがうまい!いい人なんだけど、今のこの展開じゃこうしなきゃ仕方ないのよ!という立場でどうにか自分も他人もみんなごまかしちまえ!という必死さが笑えるんだけども笑っちゃいられないだろう?というこの作品の味を醸し出している。私がご贔屓の近藤芳正さんは、もう文句なしでしたし、近藤さんの歌う『暗い日曜日』が聴けるとは思いもよらず、特した気分です。


で、この作品笑うに笑えなかった問題。パンフレットに記載された漫画家の石坂啓さんと脚本家永井愛さんの対談と、「日の丸・君が代」をめぐる年表を読んで、余計にこの作品の笑えない問題が私の中でクローズアップされた。
私が小・中・高校生だった頃は今ほど、「君が代」斉唱が絶対的ではないけど流されていて、日の丸は普通に掲揚されていた。その当時はだからそれがいいとか悪いとか全く意識しないでいたのですが、なぜか「君が代」だけは斉唱したことがないんですよね。(^^;) 生まれてこのかた「君が代」を歌ったことがあるのはしりとり歌合戦をしていて「き」が当たってこれしか浮かばなかったときだけ(笑)。だって私は「君が代」の歌詞は「この世は天皇陛下の世でそれが代々続けばいい」という意味だって教えられましたもん。誰に教えられたのかは全然覚えてないんですけどね。だったらそんなもん今歌っちゃいかんだろう。そんなもん歌うなんて真っ平ごめんだね。と小学校の3年か4年のときには思っていたように思います。これはきっと天皇の存在を否定していた父親の影響だと思うのですが・・・。考えると不思議な親父です。ただの電気工事請負業のおっさんだったんですけどねぇ。ま、そんなことはともかく・・・。私がそう教えられた意味は間違いなく、パンフレットの年表によると1941年の国定教科書に「君が代」の歌詞は「天皇のお治めになる御代は、千年も万年も続いてお栄えになりますように」と説明されているそうです。これ歌えって・・・ねぇ。歌えねぇだろ・・・。そしてこれを歌わない教師、生徒に歌わせない教師が処分される・・・。これは間違いなくこの国、日本で起こってることなんですよね。なんでも教師だけじゃなく、生徒の内申にも影響するらしいですよ。笑えるけども笑えない・・・。みんな一体どこに行きたいんでしょうかね?

東京の方は2005年12月6日(火)19:00開演(18:30開場)亀戸・カメリアホールで追加公演があるそうですので、まだチケット大丈夫かどうかはわからないんですが、ぜひともご覧になっていただきたい作品です。