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今日の筆洗

2023年08月07日 | Weblog

オランダの風車は、止まっている羽根の形に意味があるそうで、一種の合図のようなものらしい▼出産や結婚式などの慶事があれば、一番上にくる羽根が真上に差しかかる直前の位置で止めておくそうだ。風車は反時計回りなのでこちらから見て、真上の少し右。真上に向かうところなので幸せな未来や希望、喜びの意味となる▼「風車」を巡る話に、真上を少し過ぎた位置で止まっている風車を想像する。これは過去であり、悲しみや沈んだ気分を表現している。話は自民党を離党した秋本真利衆院議員。洋上風力発電の企業から約三千万円を受け取ったという疑惑が出てきた▼特捜部の捜査を待つが、この企業の風力発電事業参入を後押しするような国会質問を行っていたとうわさされる。「風見鶏」よろしく、カネの方になびいたのか。大切な国会質疑の場を使い、一企業に「追い風」とは事実とすれば情けない▼企業側は贈賄の事実を否定しているが、本人が政務官を早々に辞任し、所属していた自民党から離党したところを見ると、まったく身に覚えのない「風聞」でもないのだろう▼再生エネルギー普及に積極的な議員だそうだ。事件によって、導入拡大を図るべき風力発電に嫌な「風評」がつかぬか心配になる。そして自民党。離党したとはいえ、疑惑に世間の「風当たり」は強まるだろう。風車の形が「×」で止まる。