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今日の筆洗

2023年08月02日 | Weblog

映画「椿三十郎」などの黒澤明監督が中学時代に世話になった岩松先生というのが変わっている。試験の見張り役となるのだが、問題が解けないで困っている生徒がいると、答案をのぞき込んで一緒に考えはじめる。「いいか、これはだな…」▼それでも生徒が悩んでいると「まだ分からないのか」と黒板に書いて説明する。おかげで数学が苦手だった黒澤少年は岩松先生が監視役となる試験では百点が取れた(『蝦蟇(がま)の油』岩波現代文庫)▼文部科学省が公表した全国学力テストの結果によると中学三年の英語の成績がかなり悪かった。特に「話す」の試験では一問も解けない生徒が六割を超えたというから心配になる▼「いいか、これはだな…」と岩松先生になって英語の問題を見れば、なかなか難しい。ニュージーランドの留学生が英語で環境問題のため、レジ袋をお店で売るのをやめるべきだと訴え、「あなたはどう思うか」と問うてくる。これに英語で答えなければならない▼賛成か、反対かとその理由を答えればある程度の点はもらえたはずだが、的外れな解答や無解答が多かったそうだ。英語の能力に加え、世の中の問題や社会常識に普段から接していなければ解答は一分では出てこないだろう▼対策は常日ごろから社会的テーマに対し自分の考えをまとめておくことか。悪いことは言わない。新聞を毎日お読みなさい。