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今日の筆洗

2020年12月21日 | Weblog

 王貞治さんの通算本塁打数は八百六十八本。米大リーグの記録はバリー・ボンズの七百六十二本だが、米国にこれを大きく上回る選手がいた。十七年間で放った本塁打は九百本とも伝わる▼戦前の名捕手、ジョシュ・ギブソンである。ボンズより打っているのになぜ一位ではないのか。それはギブソンが黒人リーグの選手だったからである▼黒人リーグの創設は一九二〇年。人種差別が当然の時代にあって当時の黒人選手はどんなに実力があろうと大リーグに所属できなかった。四七年、有名なジャッキー・ロビンソンが人種の壁を破って初の黒人大リーガーとなるが、それ以前の黒人選手は黒人のリーグで野球をするしかなかったのである▼九百本と聞いて大リーグよりレベルが下と考えるか。冗談ではない。大リーグとの対戦では非公式試合ながら黒人リーグが大きく勝ち越している▼先週、大リーグ機構が歴史的な決定をした。かつての黒人リーグも大リーグとして扱い、その成績も認めるという。今年米国で吹き荒れた差別解消運動が野球界の見直しを後押ししたようだ。かつての名選手たちもこれで少しは報われよう▼残念ながらギブソンの本塁打記録は大リーグ記録の一位にならないとみられているそうだ。九百本には非公式試合や海外遠征中の試合も含まれ、内容がよく分からないらしい。くやしいなあ。ギブソンよ

 

[MLB]果たせなかった夢ジョシュ・ギブソン物語