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今日の筆洗

2020年12月05日 | Weblog
 空腹で元気がしぼむように、ガス欠で動けなくなっていたのを覚えている。一人前のロボットを目指すロボコンを主人公にして、昭和の子どもたちに人気だった特撮ドラマ『がんばれ!!ロボコン』である。頑張り屋ながら、失敗ばかり。人間くさい頑張りは、ガソリンエンジンが動力源だったはずだ▼「一押し 二押し 三に押し 押してだめでも押し破る…」。主題歌を背景に毎回、自ら給油するシーンが、たしか流れていた。石油を動力源に頑張ってきた日本の姿がどこか下敷きになっていたドラマかもしれない。ロボコンは今年、映画になっている。昭和と同じおっちょこちょいだが、環境重視の時流は、特撮の世界にも訪れたようだ。令和のロボコンは太陽光による電気で動くという▼時流はいよいよ大きなうねりになっているようだ。政府の方針が明らかになった。二〇三〇年代半ばに国内の新車販売を電気自動車やハイブリッド車など電動車に限る方向で調整に入ったという▼欧米などでガソリン車への規制が先行している。避けられない国際的な流れに、加わることになる▼技術の開発や設備を増やすことなど、課題は多い。なにより、昭和から基幹とされた自動車産業に脱ガソリンは構造転換を強いることになる。影響は下請けにも及ぼう▼政府も業界も二押しも三押しも必要な時代が始まる。令和の頑張りである。