駅としては東急世田谷線、宮坂駅が最寄駅でしょう。世田谷八幡の北、「滝坂道」に面していて、入口は狭く看板が出ていないと見逃すほどなんですが、中に入ると思いの外奥に伸びているお寺さんです。
ここの開基は室町時代の第九代将軍足利義尚っていう説があるんだそうですが、どうでしょうねえ…
彼の法名が”常徳院”だから、というのが根拠みたいですが、歴史的にその頃の足利将軍家がこの地にお寺を建てるだけの経済力とか理由があった、とは考え辛いんじゃないでしょうか
しかし、こちら常徳院に残されている世田谷城主、吉良氏に関する文書の中で、家臣中地山城守の署名がある吉良氏印判状には”中地山城守が吉良氏朝の命を奉じて十一面観音菩薩に立願し、仏供免田二百疋を進呈した”という記述があるそうです。
その印判状の日付で少なくとも元亀四年(1573)には、このお寺があったものと想定出来るとか。
さて、その本尊十一面観音の開帳は、毎年8月20日に行われる、とのこと。”明けの観音”と言われ、その日は午前3時から本堂が開けられるそうです。