ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

段ボール需要増加への対策  アイデア広場 その428

2018-12-16 15:01:30 | 日記

 来年のことを言うと鬼が笑うということもありますが、2019年の段ボール需要は4年連続で過去最高,更新する見通しです。段ボールを必要とする通販や宅配は4%ほど伸びています。アジアでは、段ボール原紙が品薄になり、日本からの輸出拡大が続いています。マレーシアには、11万卜ンと前年に比べ27%増え、べトナム向けも11万トンと33%増加しているのです。多くの段ボール原紙を販売する企業は、大幅な利益を見こんでいました。でも、2019年3月期の増益幅が、縮小するという見通しになっているのです。買い手の需要があれば売り手は利益を上げることが、資本主義社会の習いです。それが、法則通りいかない現状になっています。
 そこで、段ボールが売れているにもかかわらず、利益がでない理由について考えてみました。段ボールの値段は、9割が古紙によって占められています。この古紙が、ここ数年の間に急激に高騰しているのです。古紙価格が高騰した背景には、米中貿易摩擦の影響があります。この影響で、古紙の最大需要国の中国はアメリカから輸入品に追加関税をかける構図ができました。中国は、昨秋に古紙を含む原紙の調達を増やしていました。中国企業がアメリカからではなく、日本から古紙の輸入を拡大する道を選んでいるのです。結果として、日本の古紙市場は高騰を続けているわけです。当然、段ボールの値段も値上がりをすることになりました。
 代表的な段ボール原紙生産業のレンゴーは、年間200万トン程度の古紙を使用しています。古紙が1円値上がりすると、約20億円の減益要因とる計算になります。日本国内で古紙が不足し、調達価格は年初の安値に比べlkg10円ほど上がったのです。企業努力を考えなければ、200億円の減益になる計算です。会社の努力もあり、営業利益予想は前期比35%増の230億円との従来予想から70億円減額するに留まりました。古紙の値段の高騰が続き、各企業は古紙を集めるのには苦労している実情があります。売れるのですが、利益が出にくくなっているのです。
 余談ですが、製紙業の大手である王子は、原料となるパルプをブラジルやニュージーランドの子会社で生産する体制を整えてきました。2001年に、ブラジルのパルプ事業に投資しました。20年後の現在、その果実を得る状態になっているのです。その先行投資のおかげで、王子は順調に利益を上げてきました。その王子でさえも、古紙価格の上昇が利益を圧迫しているのです。
 古紙の高騰に加え、石炭や重油など燃料の高騰も減益の要因になっています。実は、製紙業界は、2017年も値上げをしています。昨年の原紙の値上げの時に比べて、今年は物流費や燃料費がも上がっています。さらに、紙の原料の木材やパルプだけでなく、製造時に使用する薬品価格も原油高を受けて上昇しているのです。原料となる段ボール古紙の想定外の急騰と燃料や薬品代の高騰が要因で、減益という状態になっているようです。
 でも、売れる市場があれば、工夫次第でいろいろな知見を得たり、利益を出すことができます。日本においても、通信販売の普及などで活発な荷動きとともに、段ボールの消費は増えています。東南アジアは、景気の拡大で物流量も増え、梱包に使う段ボール箱の消費も伸びるています。中国の通信販売も、好調です。段ボールの需要が減る要素がないのです。ネックは、古紙の不足です。そこで、日本の小学校のPTAに登場してもらいます。PTAでは、廃品回収をして学校に寄与しています。この廃品回収の中に古紙があるのです。これを上手に集めれば、今までよりも多くのお金を得ることができます。子ども達に、ちょっと良い備品が提供できるかもしれません。お金以上に、廃品回収(古紙回収)を教材として利用してはどうでしょうか。「段ボールの消費と再利用について」考えると同時に、回収と販売という体験をするわけです。頭だけで考えるより、エコについてより実践的教材になるかもしれません。