ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

コンパクトシティのコンパクトビジネス アフリカの定点観測情報の販売

2016-08-16 21:21:00 | 日記
コンパクトシティのコンパクトビジネス アフリカの定点観測情報の販売

アフリカは、経済が急成長しています。自国の成長を目にして、多くの優秀な人々が、欧州から戻りつつあるのです。高学歴の専門職の知識を身につけた人材が、起業する動きが始まっています。日本政府も企業もアフリカに関する情報収集は、遅れています。今回はアフリカ情勢に詳しい二宮さんとビジネスに造詣の深い藤堂さんの対話という形式でお届けします。

藤堂「商社にお勤めの方が退職されて、この町に移住してきました。アフリカの定点観測情報を販売するビジネスは、この方が始めたものです。資本をかけずに、個人で片手間に行っています」
二宮「ビジネスチャンスが縮小する国内に目を向けることは必要ですが、成長する海外での経済活動のチャンスを探ることもこれからは必要になります。働く人の意識は組織から、個人のレベルに移りつつあるのです。海外での経済活動の動きが企業だけでなく、個人のレベルで起きることも自然なことです」

藤堂「アフリカで起こっている消費爆発の中で、急成長している分野が携帯電話ということを聞きました。実情はどのようになっているのですか」
二宮「アフリカの携帯電話の加入者数は、9億を超えています。携帯電話の通信網を建設するために、多くの機材が中国から輸入されています。交通インフラより、通信インフラの整備が進んでいることが特徴です。携帯の利用方法の中に、1000円単位でお金を送金できる仕組みもあります。その送金費用も25円程度と安く、利用が広がっています」

藤堂「小売りのショップライトグループが、活躍していると聞きますが、詳しく教えて下さい」
二宮「南アフリカ最大の小売り流通企業が、ショップライトグループです。このグループは、アフリカの16ヵ国に進出しています。この企業の特筆すべき点は、アフリカ全土を覆うロジスティック管理技術です。どの国の店舗でも、同品質の商品を並べて営業を行っているのです。日本では当たり前のことですが、アフリカでは驚異的なことなのです。交通インフラの整備がされていないアフリカで、同品質の商品を陳列することは、高度なロジスティック管理技術をもっていることを意味します。ところで、アフリカの定点観測情報とはどんなものなのですか」

藤堂「はい、商社の退職者の方が、アフリカの若者と組んで行っています。現地の若者が、情報を収集し、定期的にコンパクトシティの事務所に送ってきます。その情報を『生の素材』のまま、もしくは『加工』して有料で配信するものです」
二宮「具体的には、どんな情報を定点観測するのですか」
藤堂「ケニアの首都ナイロビでは、スーパーに十数種類のブランド米が陳列されています。この米がどの種類か、人々はどの種類を好むのか、値段はどのくらいか、売れ筋のブランド米はどれか、店ではどのブランド米に力を入れているのかなどです」

二宮「世界のアグリビジネスは、アフリカの未耕作地に対して自国の農法を持ち込もうとしています。特に、米国、中国、日本が積極的ですね。米国は、遺伝子組み換え種子を売り込んでいます。採用されれば、種子と農薬そして肥料をセットで販売が可能になり、持続的売上げが可能になります。中国は自国で成果を挙げた改良品種を導入し、荒地を耕作地に転換しようとしています。中国の13億人が米を食べれるようになったのは、洗練された栽培法が確立したためです。この栽培方法を、アフリカの各国に根付かせようとしています。中国の増大する食物輸入の多角化を図り、食料安全保障の一助とする計画です。日本は、多様な農作物に対する農業技術や栽培技術があります。現地にあった農業を展開する技術に関しては、1日の長があるようです。農業は、種子と栽培技術と人材の3つがそろって発展します。アフリカの農業が、発展する農業の仕組みをつくることです。農業の発展が、この地域の安定に繋がるのです」

藤堂「情報の利用は、いろいろあるようです。各定点におけるブランド米の購買状況が送られてきます。この情報を分析すれば、地域の購買状況、好み、売れ筋、店舗の一押しのブランド米などが明確になります。日本、米国、中国などの進出状況も、分かります。日本のネリカ米の人気が高ければ、種子と技術者をその地域に派遣することが効果的な援助になります。現在この有料情報を利用している企業やNGOは、500社ほどで1ヶ月1000円の有料で配信しています。月50万円の利益です。そのうち30万円は現地の若者に30人に配付します。こちらの取り分は、20万円です。退職者が数人でやっているので、気楽な仕事になっているようです」
二宮「情報をもらうだけでなく、こちらから情報を発信するのも良いかもしれませんね。アフリカの農業は、天水に依存した農地が大半です。ケニアの高原の水田では、雨期にインディカ米を、乾季にはネリカ米を栽培しています。土地や気候ごとにどんな品種が最も生育に良いのかを、伝達していくのです。田畑の地力が衰えたときは、ゴマや大豆を交互に植えた方が窒素固定化により、肥料と同じ効果があるなどの情報も喜ばれるでしょう。アフリカの農業生産が低い理由は、肥料の使用が決定的に少ないことです。生産性を上げるには、効果的な肥料の使用方法が必要になります。定点観測情報を加工し、現地の天候や田畑の地力などの情報を、若者を通して流すこともできると思いますよ」

藤堂「確かに、若者の存在価値が現地で認められれば、より良い情報が獲得できることになります。情報の付加価値が、高くなる可能性が出てきます。ご教授をありがとうございます。今後ともよろしくお願いします」

注意
ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。再度申し上げますが、現実の世界ではありません。虚偽の世界のお話の中に、有益だなと思うことがあるかもしれません。虚偽の世界のことを、現実の世界で試してみることは、推奨されることはあっても、禁止されることではありません。ただし、利益をあげても損害を受けても、自己責任ということをおわすれなく。