「何?」
にっこりと、アヅチ姉は湯呑を置く。
どきーーーーーん!!
そっと置いたであろう湯呑が、割れている!!
「・・・何?」
もう一度、にっこりするアヅチ姉。
「お、・・・お、わ、」
「だから、何」
アヅチの狭い部屋には、人がたくさんいるけれども、
一気に冷房が効いていく!!(ような気がする)。
「あ、わ、わわ、、、・・・っっ、姉貴!」
心を決め、がばっとアヅチは起き上がる。
「アヅチ!」
「アヅチ!!」
「アヅチぃい!!」
「姉貴! 俺は旅に出て友の親睦を守ろうかと思う一存だ!!」
「・・・はあ?」
アヅチのセリフは、いまいちアヅチ姉に伝わらなかったけれど
アヅチ、頑張った!
「何それ」
「この!」
と、アヅチはへび呼ロイドを掴む。
「この、へび呼ロイドの友達を救いたいんだ!」
「ヘビ、コロイド・・・」
アヅチ姉は、じろりとへび呼ロイドを見る。
「はわわわわ(汗)」
へび呼ロイドの背筋が伸びる。
「ははははは、ははじめました。へび呼ロイドと申するます!」
「さっきから思っていたのだけど、」
アヅチは、へび呼ロイドの先のアヅチを見る。
「これは、何?」
「え、ああ。へび呼ロイド、だけど」
「つまり肥料ってこと?」
「なんで、そうなるのぉー!!!!」
どごーーーーん!!
へび呼ロイドは、きれいに吹っ飛んだ。
「年長者を敬え」
「・・・ぐふっ。スミマセンでした」
アヅチ姉とへび呼ロイド、どちらが年長かは不明。
「ま、まあまあ。姉貴」
ここで、お茶菓子をつまみながら、モモヤの登場。
「確かに収穫も忙しいけれど、アヅチの友達を想う気持ちをわかってやろうよ」
モモヤはお茶を飲む。
「今回の旅で得た友、へび呼ロイド(※肥料ではない)を救いたいんだろ」
アヅチ姉は黙ってその話を聞いている。
「中途半端に終わらせるなんて、男には出来ないよな、アヅチ!」
「お、おう」
「なら、あんた(モモヤ)はいつまで、彼女と中途半端なのよ」
「うぐっ・・・!」
アヅチ姉は容赦ない。
「収穫が終わってから行けばいいじゃない!」
ガツン、と立ち上がり
「せめて今日1日(日の入りまで残り3時間か)、収穫祭りよ!」
どっちかと云うと、地獄。
「・・・へび呼ロイド」
アヅチとマツバは、小声でへび呼ロイドを見る。
「すまん・・・」
「悪いわね・・・」
「いいよいいよっ。大丈夫っ。本当に気にしないでっ」
うんうん。
よく考えたら、今回は同僚が誘拐されたわけでもないしね!
うんうん!
「なら、さっそく取りかかるわよ! 片付けなさい!!」
「「「「はいっ!!」」」」
こうして
アヅチとマツバとモモヤと、ついでにへび呼ロイドも
収穫に取りかかることになったのである。
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