散歩のついでに・・・

犬も歩けば棒にあたる。デジカメを常に持ち歩き、気ままに撮った写真を中心に思い思いに綴っています。

真田騒動 -恩田木工-

2007-03-29 23:19:26 | 日記
池波正太郎著 新潮文庫
真田家を素材にした5つの短編。
真田太平記が戦国武将の話であったとしたらこちらは領国を運営する政治家の物語。

信濃大名記と碁盤の首は真田太平記の12巻に出て来るエピソードのプロトタイプの物語。
細部に違いがあるものの大筋では一緒ですが、後に真田太平記で取込まれた時には全体の流れの中での多少変更されたようです。

錯乱は真田信之の晩年の跡継ぎ問題を扱った物語。
時の老中酒井忠清は若くして亡くなった2代目当主の跡継ぎ問題に口を挟んで来て義理の従兄弟にもあたる真田分家の沼田領主の信利を跡継ぎにしようとしている。
本家と分家の争いから本家を守ろうと老身ながら策略をもって本家を守る話。

真田騒動は五代目真田家当主、信安の濫費と寵臣原八郎五郎が藩政私物化し藩財政を逼迫させ、財政立て直しの皺寄せ足軽や農民行き、今でいうストライキやデモ行動といった騒動になり、この騒動は幕府の耳に入る。
そして、当主信安の危篤と合わせて取り潰しの危機が訪れる。6代目を継いだ聡明な若い当主、真田伊豆守幸弘により藩財政の立て直しを命じられた家老恩田木工の藩祖信之の領民や家臣たちに幸せをもたらさなければという決意と同じくした藩政により立て直して行く物語。

この父その子は藩祖信之が亡くなった後、幕府から多くの賦役をさせられて逼迫した藩財政を立て直すために倹約に勤めた3代目当主幸道の時代から物語は始まり、主題はその後を継いだ4代目当主信弘と子の物語。

真田家の度重なる危機と危機の度に現れる賢明なる当主と家臣。

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