日韓併合後、総督府は、朝鮮半島に長らく続いた身分制度を破壊しました。
王族を除くすべての人を平等に扱ったのです。
日本の戸籍制度を導入して、それまで人間とは見做されていなかったに戸籍を与えました。
これにより姓を持ち、身分差別から解放された白丁(の中でも、最も身分が下の者)は、子供を学校へ通わせることも許可されました。
さらに奴隷を解放し、奴隷制度を撤廃させました。
長い間にわたって行われていた、幼児売買や人身売買も禁止させました。
こうして朝鮮の身分制度をほぼ壊滅させてしまったのです。
したがって、両班達は「こんなもの認めない」として、総督府に激しく抗議しましたが、日本政府はそれらの抗議を認めませんでした。
日本人が自分たちの概念にそぐわないというだけの理由で、朝鮮の長年の伝統を勝手に変えてしまったのです。
これらの身分制度撤廃は、白丁や奴隷に頼まれてしたことではありません。
総督府が彼らの意見も聞かず勝手にやったことです。
ところが総督府が白丁の身分差別を撤廃して百年以上経ったにもかかわらず、今も韓国では罵倒語として、「白丁」あるいは「白丁野郎」(ペッチョンノム)という言葉が使われています。
韓国の人々は今も古い伝統を大切にする人たちです。
感心します。
ちなみに、併合時代も白丁は「元白丁」と呼ばれ、やはり差別を受けていたようです。
済州島など白丁が大杙他地域に住む人々は、貧しさと厳しい差別から逃れるために日本に渡ってきた人も多いと言われています。
彼らは出自の過去を消すために新天地にやってきたというわけです。
在日韓国・朝鮮人たちの中には、そうした暗い過去を背負った人たちもいることを、私たちは忘れてはならないのではないでしょうか。