姦通罪(간통죄)が見直される理由
「姦通罪」は、韓国語で간통죄という。
姦通罪(간통죄)とは、結婚しているのにも関わらず、別のパートナーと性的関係を結ぶことに対する刑法上の罪。
姦通罪は2年以下の懲役(징역)と定められている。
日本では第2次大戦後の1947年に廃止されたが、韓国では現在も残っている。
日本では当時、女性にのみ適用されていたが、韓国では男女ともに適用される点が異なる。
親告罪(친고죄)のため、一方が訴えたときに成立する。
韓国ドラマでも浮気が発覚して、留置所に入れられたりするシーンが出てくるのはこのためである。
姦通罪が廃止されるかどうかは議論されており賛否両論だが、賛成派も多数存在する。
日本で最初に「不倫」がテレビドラマで脚光を浴びたのは、もう30年以上前のこと。
韓国ではいまでも姦通罪があり、マスコミでしばしば話題になる。
韓国の姦通罪も最初は日本と同様、夫にしか提訴権がなかった。
しかし日本が「男女不平等だから」と法律を撤廃したのに対して、韓国は1953年に女性の提訴権を認めることで男女平等を確立した。
このことで姦通罪は社会的に虐げられていた女性を守る武器ともなり、現在まで続いてきたわけだ。
2007年には、女性タレントが夫から姦通したと告発されて起訴される事件が起きている。
女性タレント側の弁護士が違憲審判を申請し、姦通罪が何度目かの話題になった。
女性の武器として支持されてきた姦通罪。
だが韓国人の見方も時代とともに変わっている。
姦通罪による親告軒数は1985年の約1万7千件から、半減している。
刑事罰を求めて争わなくても、民事でしっかり外相金を勝ち取った方がいいと判断する例が増えているようだ。
また告訴する・される側の性別も、最近は男女半々で拮抗しているという。
韓国が姦通罪廃止 憲法裁が違憲判決
韓国憲法裁判所は26日、配偶者のいる者が配偶者以外と性的関係を結ぶことを罰する刑法の姦通(かんつう)罪に違憲決定を下した。これにより、同罪は62年ぶりに即時廃止された。
違憲決定には、裁判官9人中6人以上の賛成が必要だが、7人が違憲と判断した。うち5人は、「結婚と性に関する国民の意識が変わり、自己決定権を重視する認識が広がっている」と指摘。姦通行為に対し、国家が刑罰で対応することが適正かどうかの国民の認識は一致していないと説明した。
姦通罪は配偶者の告訴が必要な親告罪。性的関係を結んだ相手も処罰され、有罪になると2年以下の懲役が科されていた。