韓国の公衆電話は入れたお金が残っていれば、受話器をかけずに上に置いて置くことがあります。
そうすれば次に来た人が残金分通話する事ができるのです。
韓国で見る生活の知恵です。
今はカードや携帯になってしまいましたけど、公衆電話でコインの頃は、話し終わって電話をボタンで切って受話器を上に置いとけば、次の人が残った分をただで使えました。
受話器を上に置いている公衆電話は、テレカや携帯電話が普及する前の韓国でよく見ることがありました。
次の人が残った分をタダで使えたんです。発信のボタンを押せばいいんです。
日本だと一秒しゃべっただけでも10円です。あの無駄が韓国にはなかった。
あとから使った人はそのまま使って、料金が足りなくなるなればお金を入れる。そして電話はボタンを押して切ってまた受話器の上に置くんです。
つまり、受話器が上に置いてある電話はタダでかけられますよという合図なんです。
そしてまた次の人は受話器を取って、発信ボタンを押してダイヤルをすれば使えるわけです。
最初に韓国に行った1970年代の頃はこういう習慣を知らなかったので、なんで受話器がちゃんと電話にかかってないのだろうと不思議に思っていたものです。
だらしねえな韓国人はちゃんと電話切れよって思っていました。でも、その理由が分かって感心しました。
もし日本で、NTTになる電電公社でこれをやっていたらものすごいお金が浮いたと思います。逆に言えばものすごいお金が無駄になっていたなという感じがします。
10円玉が足りなかったらしかたなしに100円玉入れちゃいましたもんね・・・。
どうしても電話しなきゃいけないときにはそうしましたよね。
それで切れればお釣りなんか出ないんだから、あれが全部電電公社の丸儲けになっていたわけです。
こんな感じで、韓国に行くと、韓国が嫌いでさえなければ、面白いことばっかり毎回必ず起きます。
釣りと似ているという人もいます。釣りだって、何度も行って何がおもしろいんだって言う人がいますけど、釣れるものが毎回違うから面白いんですよね。同じです。
韓国も、行ったら毎回違うことが起きますから。前と同じことには同じように対処できるけど、必ず今までにないことが起きる。
それは韓国人にとったら普通のことだけど日本人にとったら「何じゃこりゃ?」っていうことですね。それを不快に思うかおもしろく思うかで、韓国にハマるかどうか分かれてしまいます。
日本人はどちらかというと、韓国のそういうところをおもしろがるというより、気持ち悪がってしまいます。
これも似ているのに違うからだと思いますけども。で、気持ち悪がったあとで腹を立てちゃう方が多い。でもこれは損だと思います。
たいがいの日本人は彼らを下だと思ってきたし、その韓国人が「自分達は日本人よりも上だ」と思っていることを知りませんから。でも、そういうことが分かっていればものすごく楽なんです。