韓国の代表的な食べ物のひとつに비빔밥(ピビンパ)がある。
비빔밥(ピビンパ)は混ぜる飯という意味で、つまり混ぜご飯である。
もともとは味付けしたご飯の上に、五つの色彩の具、たとえばゼンマイ、ほうれん草、コンブ、モヤシ、玉子焼きといったものをのせる。
日本人はそれをそのまま食べようとするが、韓国人はスプーンをもち、豪快に混ぜ合わせて食べる。
汁気が足りなければ、ついてきたスープをスプーンですくってかけて、混ぜやすくして食べる。
とにかくすべてを混ぜてしまいます。
韓国人は日本のざるそばをたべるときも、ざるそばの上に麺つゆをにんなかけてしまって混ぜ合わせて食べようとする。
カレーライスも、はじめから混ぜ合わせて食べる。
混ぜていない食べ物はうまくないという考え方が基本的にあって、すべてを混合させるわけである。
日本は韓国とまったく違っていて、食べるという行為にあってつねに念頭に置かれているのが、けじめをつける、分断をするということである。
菜箸というものがあり、めいめいが必ずそれで取る。
自分の皿にきちんと取って、それを切り分けて食べる、皿に取ったものは、ちらし寿司にしても、ヶエアーライスにしても、それを改めて混ぜ合わせることはいけない。
混ぜ合わせるご飯は、猫飯とかいわれて軽蔑の対象になっている。
しかし、韓国では、混ぜ合わすことがものをおいしくさせるという立場から、積極的な意味を비빔밥(ピビンパ)という言葉に与えている。
ここにちらし寿司と비빔밥(ピビンパ)の違いがある。
韓国では、食べる側がより積極的に食べ物に関わるのである。