大型スーパー、「ガソリンスタンド戦争」に突入へ

　新世界Eマートに続き、ロッテマートが来月、慶尚北道亀尾店を皮切りにガソリンスタンド事業に参入することから、大手流通業者間のガソリンスタンドの顧客争奪戦が本格化する見通しだ。


　ロッテマートは今週末、亀尾店の屋外駐車場内の敷地（1490平方メートル）に、6台の注入装置を備えたガソリンスタンドを開設する予定だ、と28日発表した。ロッテマートは今年中に、全羅南道麗水と順川、慶尚南道蔚山にガソリンスタンドを開設する予定だ。


　また、ホームプラスと農協ハナロマートも今年下半期のオープンを目標に、京畿道平沢店と高陽流通センターにそれぞれガソリンスタンドの開設を準備している。


　大型スーパーのガソリンスタンド開設が具体化されたのは昨年3月、ガソリン価格を引き下げるために政府が大型スーパーにガソリンスタンド事業参入を要請してからだ。大型スーパーはこれまで「採算が不透明」として参入に消極的だったが、Eマートが昨年12月に竜仁・駒城店にガソリンスタンドを開設。1日の売り上げが平均1億ウォン（約720万円）を超えるなど人気が爆発したこともあり、ガソリンスタンド事業への参入が相次いでいる。


　現在Eマートのガソリンスタンドのガソリン平均価格は、周辺のスタンドに比べ1リットル当たり100ウォン（約7円）ほど安い。ロッテマートはこれより安くガソリンを提供する予定だ。


　このように価格引き下げが可能なのは、大型スーパーにとってガソリンスタンドは収益を上げるためのものではなく、顧客を引き寄せるための手段だからだ。そのため、赤字ギリギリまで価格を下げている。


　このような「ガソリンスタンド効果」でEマート竜仁・駒城店の第1四半期の売り上げ伸び率は2.4％、慶尚南道統営店が11.1％を記録し、Eマート全店の平均（1.2％）を上回った。Eマートは、今回ロッテマートがガソリンスタンドを開設する亀尾と順川にもスタンドを開設し、ロッテマートに対抗する。


　しかし、大型スーパーのガソリンスタンド開設によるガソリン価格引き下げ効果には限界がある、との指摘も出ている。というのは、ソウルなど大都市の大型スーパーの敷地には、ガソリンスタンドを開設するための場所がないからだ。

「イ・ヒョリの涙」に見る韓流の危機

「イ・ヒョリが泣いた」－－。

「セクシークイーン」として韓国人に愛されているイ・ヒョリ。先月２２日、ＣＭの広告撮影のため中国・上海を訪れた。虹橋国際空港に到着するや韓流ファン、記者ら２００人余りに取り囲まれた。彼らが殺到してくれば若い男だってあわててその場を離れようとするはずだ。

中国インターネットサイトはイ・ヒョリが追い回される姿の動画像を流した。イ・ヒョリの所属事務所の関係者は「韓流スターでもなく、極秘の訪問なのであらかじめ動線をチェックしていなかったためこのようなことになった」と説明した。イ・ヒョリは「泣いてはいなかった」と主張しているが、韓中ネチズンの間には微妙な感情が流れる。

「ヒョリの涙」は単純なハプニングであるだけだ。しかし韓流の次元で見たとき、考えさせられる部分が少なくない。記者は２００２年から３年余り、香港特派員として働きながら「韓流熱風」をずっと見守ってきた。「猟奇的な彼女」「宮廷女官チャングムの誓い」「冬のソナタ」は、韓流の勢いをハリケーン級に格上げさせた。チョン・ジヒョン、イ・ヨンエ、ペ・ヨンジュン、ソン・ヘギョ、チャン・ドンゴン、クォン・サンウらのようなスターたちの人気が浮上した。そのため現地へ行った韓流スターたちは常に、パパラッチなどに追いかけられる対象だ。彼らの執拗さは悪名高い。各界スターと大物のスキャンダル現場を取ろうと海外旅行を尾行したりする上、ホテルの宿泊した部屋のゴミ箱をあさってコンドームの数まで報道する。木に高く上がるほど風も強く、落ちる危険も高くなる。イ・ヒョリがそれを知らずに行ったとしたら「スター管理」のイロハを知らないのだ。

ピザとパスタ

　1989年の「世界青年学生祝典」開催を境に、平壌の中心街の蒼光通り、慶興通り、光復通りに大型レストランがオープンした。清流館、慶興館、青春館など20店がオープンし、平壌冷めんで有名な玉流館をはじめ食堂街が形成された。


　中華レストランや洋食レストランもオープンしたが、ほとんどは朝鮮料理のレストランだった。蒼光通りでは最近、レストランの建物や厨房（ちゅうぼう）の改装が盛んだという。


　平壌の外国料理レストラン第1号の中華レストラン「蓮池館」が、その一つに挙げられる。このレストランの前身は、1961年に金日成（キム・イルソン）総合大に通っていた金正日（キム・ジョンイル）総書記が、ある地方出身の模範学生に食事をごちそうしたとされるチャンギョン食堂だ。1カ月に1000人を超える外国人が訪れるという。


　90年代末には金正日総書記がイタリアの料理人を平壌に呼び寄せ、将校に料理を教えさせた。しかし料理を学んだ「炊事将校」の腕前がいまひとつだったため、企画は頓挫してしまった。


　2000年代に入り、「人民もおいしい外国料理を味わわなければならない」という金正日総書記の指示で、外国料理のレストランが何店か誕生した。金日成総合大の学生や研究員には、2000年からハンバーガーが供給された。03年からは、洋食レストランでハンバーガーに目玉焼きを加えた「肉はさみパン」が提供されている。


　北朝鮮の労働者の月給は平均3000－4000ウォン（約220－292円）。全額を投じてもこのパンを4－5個しか買えないため、絵に描いたもちといえよう。北朝鮮の通貨では、予約券を手に入れなければこのレストランを利用することができないが、ドルやユーロ、円があればその場で購入できる。外貨稼ぎの一環といえよう。


　初のイタリアン・レストランは05年、蒼光通りにオープンした。店名は「ピョルムリ喫茶店」。午前中はコーヒーとパンを売り、午後からはパスタやピザを1.5－4.5ユーロ（約195－584円）で販売している。


　昨年12月には、さらに本格的なイタリアン・レストランが光復通りにオープンした。ローマとナポリで修業した料理人が、バターや粉チーズなどをイタリアから輸入しているという。


　在日本朝鮮人総連合会（朝鮮総連）の機関紙・朝鮮新報は最近、このレストランについて「本場のピザ、スパゲティ、パスタのレストランは北朝鮮では初。手ごろな値段で提供している」と紹介したが、実際の値段については明らかにしていない。


　食材をイタリアから輸入しているなら、値段はかなり高くなることが予想される。一般の労働者はピザ一切れを買うのも困難なはずだ。平壌は都市全体が宣伝用のショーウインドーであり、展示場だ。同紙にはこのレストランの写真が掲載されていたが、そこに写っていた、テーブルを埋め尽くす北朝鮮の人々が、なぜか気の毒に思えた。

外国人入国者数が韓国人出国上回る、8年ぶり

　韓国観光公社が1日に明らかにしたところによると、3月の外国人入国者数は72万4117人で、出国した国内在住韓国人数（70万2043人）を上回った。入国した外国人は前年同期比で22．2％増加した一方、出国した韓国人数は28．6％減少した。

　こうした逆転現象は、2001年3月以来、8年ぶり。昨年下半期からウォンの急落が始まり、海外に出る韓国人数が急減し、隣国の日本や中国から訪れる観光客数が大きく増えたためだ。

　国内在住韓国人の出国は、昨年10月には93万2716人だったのが、同12月には66万7564人に急減し、ことしも1月が81万2901人、2月75万3642人と減少傾向を示している。

　一方、外国人の入国は、昨年10月の65万504人から、ことし2月には66万6928人に増加し、3月に入り出国者数を追い抜いた。