探墓巡礼顕彰会-墓碑調査・研究プロジェクト-

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【追跡】染井霊園の改葬危機の墓所

2019-12-30 00:40:06 | 会員の調査報告
会員のカネコです。
3月に「撤去危機になっている江戸幕府最後の大老酒井忠績の墓」と題し、改葬危機が迫っている酒井忠績の墓所や山内豊城家の墓所・水戸徳川家分家徳川圀禎家の墓所を紹介しました。

撤去危機になっている江戸幕府最後の大老酒井忠績の墓

昨日、久々に染井霊園を訪れ、その後の状況や新たに立札が建てられた墓所を確認しました。

酒井忠績の墓所は期限付きの立札ははずされたものの、現在はこの立札になっています。



改葬危機の状態には違いありませんが、お花が供えられていました。
この状況を知った方によるものでしょうか。

山内豊城家の墓所も変わらずで、期限付きの立札となっています。危機状態です。



徳川圀禎家の墓所は立札が撤去され、改葬危機を脱しました。



霊園内を結構歩きましたが、立札の数が増加しているように感じました。
その中でも経歴等が分かる人物を紹介します。

足利衍述
一種イ9号2側
愛媛県宇和郡伊賀上村出身の日本儒学史研究家。



寺見機一
一種イ9号5側の辺り
岡山県出身の外交官。ロシア公使館書記官。
明治11年(1878)榎本武揚シベリア横断に当時留学生だった寺見が随行。他に市川文吉・大岡金太郎が随行。





結城素明
一種ロ6号12側
日本画家。聖徳記念絵画館蔵の「江戸開城談判」を描く。







林唯翁
一種ロ6号9側
経歴不明。墓碑裏面に「徳川幕府籏下林唯翁」とあり。







鈴木定津
一種ロ16号の辺り
支那事変戦病死者。左側面に撰文あり。



これらの墓もご縁者が現れ、管理料が支払われない限りは無縁改葬される運命にあります。
以前も書いた通り、少子化の影響や価値観の変化に伴い、無縁墓が増加することは仕方のないことであり、墓所は基本的にご子孫の祭祀の場である以上、個々の事情によって墓所が消滅することはやむを得ないことであります。
個人的には、墓碑は歴史的な価値があるものと考えており、後世に残されるべきものだと思っていますので、ご縁者が現れ、これらの墓所が残されることを願っております。
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