探墓巡礼顕彰会-墓碑調査・研究プロジェクト-

「探墓巡礼顕彰会」の公式ブログです。巡墓会企画の告知など活動報告をしています。

東軍慰霊祭の打上げと大江戸掃苔

2013-12-10 23:09:31 | 会員の調査報告
会員のカトケンです。11月は吉祥寺の巡墓会にたくさんの方にお越しいただき、誠にありがとうございました。釣洋一先生のお声かけにより、榎本武揚の子孫隆充さんが駆けつけてくださり、ご子孫ならではのお話に参加者の皆さんに大変喜んでいただき何よりでした。

さて、9月末に静岡で行われた東軍慰霊祭の打上げを11月30日(土)、ようやく実現できました。祭文を読んでくださった中島さん、開陽丸子孫の会に参加を呼びかけてくださった小杉さん、その先輩の内山さん、当日誘導・案内をしてくれた宮本さん、天然理心流館主高鳥さん、そして巡墓会に続き榎本さんが来てくださいました。

もちろん、場所は釣先生のお店春廼舎です。ただの宴会にこれだけの歴史上の人物のご子孫や関係者が一堂に会するだけでも感無量なのに、楽しい話がたくさん出て終始和やかに、笑いが絶えない贅沢な時間を過ごさせていただきました。

再来年にはオランダのドルトレヒトに開陽丸の碑ができるとのことで、幕末の歴史も世界をまたにかける展開になってきて楽しみが1つ増えました。

翌日(12/1)、やはり静岡での慰霊祭で地元でたくさんの参加者を集めてくださった石川さんが上京され、一族である小花和重太郎家の墓がある日暮里善性寺を釣先生の奥様と3人で訪ねました。小花和家の墓は山門を入って右手の高くなった場所以外にも右奥の墓域にもう一基ありました。

さらに榎本たちと箱館まで戦った若年寄永井尚志の墓がある本行寺、ここには今年建てられた累代之墓が尚志の墓左手にできていました。同寺墓域のいちばん奥にあります。

最後に、南千住の円通寺に向かい、戊辰ゆかりの地をめぐる楽しいひと時となりました。円通寺は実に23年ぶりに訪れ、彰義隊の墓のある囲いの中は以前はもっと木が鬱蒼としていたように思います。松平太郎をはじめ、永井尚志・岩之丞父子、大鳥圭介、高松凌雲、天野八郎、中田正広、小芝長之助、土肥庄次郎らの碑や墓に加え、黒門が圧倒的存在感を見せていました。

榎本武揚が書いた碑が多いことに3人ともすぐに気づき、ますます関心が深まりました。裏面をのぞくと同方会など旧幕臣の会が建てていることがわかります。

戊辰の役での殉難された方々の慰霊もさることながら、碑を建てたり記録を残したりした生存者を追跡することによって、明治になってから幕末当時がどのように回顧されたのかーー残された者たちの痕跡に私たちが歴史に迫る手がかりが埋もれているのではないか、そんな意を強くした小さな旅でした。

前日に引き続き、釣先生の待つ春廼舎で奥様の料理に舌鼓を打ったことは言うまでもありません。石川さんにも約束が果たせて何よりでした。

今後も様々な機会を通して、石川さんと協力して歴史を題材にふるさと静岡をもっともっとアピールしていきたいと考えています。

○善性寺(日蓮宗、関妙山) 荒川区東日暮里5-41-14
○本行寺(日蓮宗、長崇山)荒川区西日暮里3-1-3
○円通寺(曹洞宗、補陀山)荒川区南千住1-59-11
コメント
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