探墓巡礼顕彰会-墓碑調査・研究プロジェクト-

「探墓巡礼顕彰会」の公式ブログです。巡墓会企画の告知など活動報告をしています。

今年の東軍慰霊祭に出席できず

2019-10-31 23:41:28 | イベント
会員のカトケンです。

10月第2週の3連休は、予定していた東軍慰霊祭に参加できませんでした。それというのも台風による鉄道の計画運休を踏まえ、前日のうちに最寄駅で払い戻しをしておりました。

各地で大きな災害となり、心よりお見舞い申し上げます。
今年は会津若松での開催でしたが、行き来の途中で罹災したり、交通機関が寸断されたりした場合、仕事に差し支えるので諦めたのです。

週明けに大きな行事で大事な役割を割り当てられていたからです。ぶら下がるならともかく、指示を出さなきゃいけない立場でしたので、休むわけにはいきません。

慰霊祭に行った方の話では大変盛況だったようで、東軍戦士たちには何よりの供養になったことと思います。

以前、友人を巻き込んで今回の会場となった天寧寺に付き合わせてしまい、近藤勇の墓までは行ってくれましたが、会津藩家老田中土佐の墓までは行ってもらえませんでした。一度は行ってみたいものです。でも、近藤の墓には青々とした紫陽花が咲いて絵になる写真が撮れました(=写真)。



会津はその時以来5年足を運んでいません。如来堂や母成峠など個人ではなかなか行けないところに2日目のツアーの行程で予定されていて、なおさら惜しかったなと思っています。

会津に足を運ぶ前に牧野登著『会津人の書けなかった会津戦争』(歴史春秋社)を読みました。西郷頼母家の血が流れる井深家から誤診による入院をきっかけに看護師としてハンセン病患者の世話を生涯にわたり続けた井深八重という人物の存在を知りました。静岡にお墓があるようなのでいつか訪ねてみたいと思います。(写真=その父井深彦三郎墓。青山霊園1種ロ23号9側南向き)



会津城下の西郷邸で頼母の娘の最期を看取ったのが土佐の中島信行かどうかを探る文章にも目を見張るものがありました。会津の本にまさか平尾道雄先生の名前が出てくるとは思いもよりませんでした。

発刊からすでに20年以上経過した古い本ですが、自分が本や催しで取り上げた会津の人物について、現地へ行って更に掘り下げる作業をこれから行うに当たって、光を与えてくれた気がしました。

明治150年をきっかけに様々な催しが開かれ、参加もし、本の出版や催しを行う側も経験したことにより、1つの軸、土台ができたのではないかと思っています。

今年イベントが開けなかったのは忸怩たる気持ちがありますが、様々な機会を通じてお話させていただく回数が増え、そのために本を読み込んだり、情報収集のためできるだけ効率的にたくさんの場所を訪ねたりする必要性を痛感しました。

そうして得られた生の情報が嬉しく、どれだけ励まされたことか。ですが、裏づけのためにはまだ調べが足りません。

その成果を活かせるか分かりませんが、森重さんの講演が終わったら行うつもりの告知(11月末に土佐モノの講演をします)をお見逃しなく。
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中村正直宅跡

2019-10-09 23:41:51 | 会員の調査報告
会員のカトケンです。静岡に帰ったついでにグーグルマップで気になる史跡があったので訪ねてみた。

幕府倒壊により英国留学の切り上げを余儀なくされた中村正直(敬宇)が『西国立志編』を訳した場所である。

富春院というお寺の入口に「尚志」の石碑の存在や山門に掲げられた扁額が中村の書というのは知っていたが、まさか石碑があるとは思わなんだ(=写真)







果たして高校の社会科の先生が教えてくれた石碑はどちらが正しかったのだらうか。
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みやこにてお話し申し上げ候③

2019-10-05 00:42:34 | 会員の調査報告
会員のカトケンです。

京都滞在3日目、前日の講演で触れながらしばらく訪ねていない場所に行こうかと思ったが、ゆっくり睡眠を取ることができたので、寺町通の進々堂で朝食を食べて、神宮丸太町から出町柳に出た。

百万遍知恩寺に高知城築城の奉行百々越前安行の墓があるとの情報を得たからである。

残念ながら墓を見つけることはできず、京大キャンパスの周辺の学生相手に店を出してそうなハンバーグの店で昼食。手作りの味に励まされ、京都の学生気分を少し味わったところで気を取り直して午後も散策を続けることに。おまけに出町柳駅のロッカーに荷物を預けてきたままだから、そのまま徒歩で近くの墓を巡ることに決した。

それは1日目に琵琶湖疏水創設に関連してホテル近くの京都府知事北垣国道像(=写真)へ行った手前、墓に行かなきゃならんとの思いに駆られ、金戒光明寺の墓まで足を運ぶことにした。



金戒光明寺といえば、途中土佐関連で真如堂の墓地に石田英吉の墓にまだ行ってなかったし、京大キャンパスの脇を通ったら尊攘堂が見えた(=写真)ので寄ってみた。



気になっていたのは北垣の裏に新選組命名を武家伝奏として伝えた飛鳥井雅典の墓があるはずで、もう一人の野宮定功の墓はちょうど神宮丸太町と出町柳の間にあるけれど今回は諦め、飛鳥井に絞ることにした(=写真)。



だが、行ってみるとこのフェンスの背景は、以前釣洋一先生が教えてくださった井汲恭平(谷川辰吉。土佐浪士らによる大坂焼討ちの陰謀を阻止)の墓があるなとピンと来たら案の定であった(=写真)。



京大正門から吉田神社の手前をコの字形を描くように山の方へ登っていき、真如堂を入って右手の塔頭寺院を通り、墓地に出ると小さな生け垣に囲まれた、周囲より背の高い石田英吉の墓があった(=写真)。



高知県の東部に位置する安芸郡安田町の出身で坂本龍馬の義兄高松順蔵の弟子、幕末は伊吹周吉を名乗る。

各県知事を歴任し、明治26年高知県知事を務めたとき、土佐藩士たちの維新での活躍を調査させ貴重な資料を残した。

ここには英吉はじめ、妻高島氏、娘と思われる菊枝、関係不明の半田絹、養子八弥夫妻および現代墓の計6基がある。

そこから再び真如堂の山門を出て、金戒光明寺の北門へ。北垣国道の墓が何処にあるか分からないので、墓域をずんずん進んでいくと、一番奥のエリアの中心に囲いがあり、5基の北垣国道関係墓があった。向かって左から国重恒升(関係不明)、北垣国道夫妻、母、現代墓2基が横一列に並んでいる(=写真)。



その後方に飛鳥井家之墓があり、点在する栄摂院墓地の移転に伴い雅典や他の墓地に祀られし人々を新たにまとめたものである(=写真)。北垣の墓を下に降りてきたところ、井汲恭平(谷川辰吉)墓の並びにも同じ解説の飛鳥井家之墓がある。



谷川は言わずと知れた土佐国佐川脱藩の浜田辰弥・那須盛馬らによる大坂焼き討ちの企てを未然に通報し新選組谷万太郎らが石蔵屋に斬り込み、大利鼎吉を討ち取ったときの功労者である。

その場所は「新選組の石蔵屋襲撃事件の跡」の釣洋一撰文、平成24年に設置された銀のプレートが掲げられている(大阪府大阪市中央区瓦屋町1-11松屋町筋)。

目的の墓は一通り巡ることができたので安心していると、旧前川邸から連絡があり、金戒光明寺にいるなら新しくできた容保公石像の一瞥を勧められたのだが、出町柳まで歩く体力を考慮して御遠慮申し上げ引き上げる途中、北門から出て石田英吉墓のある墓域に接する道を登ったら難なく辿り着けた(=写真)。



会津殉難者たちを見守る勇姿がここにあった。

ーおしまいー
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