梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

ラストスパートですね

2010年04月15日 | 芝居
歌舞伎座さよなら公演<御名残四月大歌舞伎>、中日となりました。
“居残り新造”もあと13回。1時間近くじっとしているので、背筋や腰が疲れますが、もう一踏ん張りですね。

           ◎

…歌舞伎座解体にそなえて、名題下部屋でも荷物整理が始まっています。
先日は奥の戸棚まわりを片付けていた(といっても私は化粧中でしたが)のですが、レンガと炭が出てきました。
レンガと炭。およそ歌舞伎の楽屋にはいらないモノですが…。

私がこの歌舞伎座で初舞台を踏んだ平成10年5月歌舞伎座團菊祭。
とある日の終演後、名題下部屋でみんなで<炉端焼き>をしたんですよね。
危険なことがないようにしっかり準備した上で、カンカンに熾した炭火で炙ったお肉や魚介を食べながら賑やかに…。
考えてみたらスゴいことですが、歌舞伎座楽屋での生活をはじめたばかりの私、「こんなことが行われているのか!」と驚きつつ、みんなで過ごす時間にすっかり楽しくなりました。

この度引っぱり出されたレンガと炭は、そのとき使ったものだったのです。
歌舞伎座とのお別れを目前に、12年前の思い出がよみがえりました。

歌舞伎座名題下部屋では、時折ですが、終演後に大勢集まってワイワイやります。(さすがに炉端焼きは大掛かりでしたから、あれ以来やってないと思いますが…)
先輩、後輩の距離がグッと近づいて、いろいろお話しできますのが嬉しいし、マァ毎回面白いことがいろいろ起こるんですよ…。