梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

チケットのこと

2010年04月07日 | 芝居
有楽町のチケットショップに立ち寄ったら、当月歌舞伎座公演の千穐楽のチケットが1枚売りに出されておりまして、価格はなんと20万円!
いくらなんでも、と思いましたが、お求めになる方がいるということを見越しての値段設定なんでしょうかねえ…?

ネットオークションでも、同様な価格で取り扱われているものがあると聞きました。
確かに『歌舞伎座本興行、最後の公演日』のチケットですから、ある程度のプレミアがつくのはいたしかたないとは思いますが、ちょっと行き過ぎな気もいたしますね。

チケットショップでは、他の公演日のチケットも売られていましたが、だいたい定価より1.5~3倍くらいの価格となっていました。
…ふと思いましたのは、これらチケットが売れなかったら、結局<空席>になってしまうわけですよね。
多くの方々がお望みになっている当月のチケットが、はからずも、定価をかなり上回って市場に出ているために、気軽にお求めになれなくなっている。その結果、<売切御免>なはずの客席にはポツンポツンと空席が…。なんてことになるのは悲しいですね。
歌手のライブ、人気劇団の公演でも、転売目的のチケット購入が問題になっているという報道も聞いておりますし、なんだか複雑な心境でございます。

私どもの勉強会でも、データの上では<完売>している公演でも空席がでたりすることがままありまして、それにはいろいろな理由が考えられるのですけれど、やはりいい気持ちはいたしません。

やはり、「ご覧頂いてこそ」の舞台でございます!!