梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

無精な日記で失礼いたしました。

2009年12月26日 | 芝居
京都南座『当る寅年吉例顔見世』、無事に千穐楽を迎えることができました。
『一條大蔵卿 檜垣』の腰元、『封印切』の仲居、『助六曲輪初花桜』の揚巻付き詰袖新造と、女形3本。大変勉強になりました。どのお役も、それ<らしい>雰囲気が大切なものばかりで、今の自分にはそれぞれをきちんと勤めわけられる力がないのが情けないのですが、少しでもその場の空気に馴染むことを心がけて勤めさせて頂きました。

初めて出演させて頂きました『封印切』の仲居役は、本当に大変でした。これこそ頭で考えたってどうにもならないお役ですからね。上方のホワ~ンとした風情はもとより、シンのお芝居に対してしっかり<反応>しなくてはいけないこと、これまで経験したことのない世界でした。
初日近辺は本当に手も足も出ませんでしたが、ほとんど同期といってもいい、上方歌舞伎塾の1期生、2期生の人たちも同じ役でしたので、色々と教えてくれ、引っぱってくれまして、だんだんと馴染むことができました。最後の方で、やっと楽しんで舞台にいられるようになりましたのは、全く周りの皆様のおかげです。心から御礼を申し上げたいです!

…南座の楽屋に1日いっぱなしというのは、実は大変息苦しいものなのですが(物理的に部屋が狭いので)、体調も崩すことなく千穐楽まで勤められましたのは、いつにもまして暖かだった気候のせいもありましょうか。
先年もお邪魔しました、劇場の近所の銭湯<団栗湯>さんへは、休業日以外はほぼ毎日通いまして、広い湯船でノビノビして、サウナで汗をたっぷりかいてから帰宅しました。
前回と違い、空き時間が全然なかったのでお寺巡りもできず、夜もあまり出歩かなかった(珍しいナァ)ので、あまり京都らしい日々は送らなかったのが残念といえば残念です…。

今月はほとんど更新ができませず、これは全く私の無精のせいでありまして、なんとも申し訳のないことでございました。