梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

果ての月稽古場便り・4

2008年11月30日 | 芝居
今日はハードな1日でした。
朝、9時半に国立劇場小劇場へ。ハイ、以前お知らせいたしました《第3回 勘次の会》『山姥』の<舞台稽古>です。
怪童丸を勤める梅丸の後見として、10時から化粧をして(彼にとっては初の赤ッ面、初の隈取り!)、11時から衣裳を着せて、12時から稽古開始。踊る本人も本イキなら、後見の私も本イキ! だって本番は1回ポッキリですもの。プレッシャーの度合いが違いますヨ…。

そして『山姥』の稽古が終わり、師匠とともに歌舞伎座へ。ハイ、『石切梶原』の<初日通り舞台稽古>です。
稽古場から舞台へと場所を移しても、やっぱりジッとしている時間はかわりませんナ…。難しい仕事はないぶん、どれだけ目立たない動線を見つけられるかを注意してみようと思いました。
この度の天王寺屋(富十郎)さんの梶原は、随所にご自身のご考慮をいれた部分がございます。今日のお稽古でそうした箇所の全貌が見えまして、大変興味深こうございました。

そして『石切梶原』の稽古が終わり、再び師匠とともに国立劇場へ。ハイ、『山姥』の本番でございます。
本当に緊張いたしました。1回だけの公演。集中、集中、集中…。
おかげさまで無事勤めることができました。もちろん、梅丸の怪童丸も! 本興行ではなかなかお目にかからない『山姥』という舞踊を勉強できて嬉しゅうございましたが、<黒衣で勤める舞踊の後見>の難しさも味わいました。やっぱり後見の世界は奥が深いです…。