梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

無題

2005年12月28日 | 芝居
新聞等の報道で、皆様ご存知かとは思いますが、去る十二月二十六日、尾上松助さんがお亡くなりになりました。享年五十九歳でした。
十一月の新橋演舞場『児雷也豪傑譚話』の仙道上人が最後の舞台となりましたが、私が直接お会いした最後は、昨年十二月の京都顔見世公演のお稽古場でした。この時は、公演初日を前に休演なさり、それから先ほどの『児雷也』まで、ご静養なさっていらっしゃったのでした。
長くお体を悪くされていたとは申せ、あまりに突然のことに愕然といたしました。私たち歌舞伎俳優研修生の講師として、松助<先生>から受けたご恩は並々ならぬものがございます。厳しくもまたお優しいお人柄、噛んで含めるように、未熟な私たちにも解る言葉で教えてくださるご指導風景、様々な思い出が心に浮かびます。卒業後も度々舞台でご一緒になりましたし、勉強会などのご指導でも大変お世話になりました。まだまだ教えて頂きたいことは沢山ございましたのに、本当に残念としか申されません。

心からお悔やみ申し上げますとともに、どうかやすらかにお眠り下さいますよう、願っております。