今日はプライベートのお話を。
私は自分で申すのもなんですが、多趣味です。興味をもったことには首を突っ込まずにはいられない性分なので、だんだんと増えてしまうのです。演劇鑑賞、絵を描くこと、写真、ハーブティー、料理などなどですが、中で一番日常的に行っているのが読書です。劇場への通勤時間、お風呂の中、眠りにつく直前まで、ちょっとの時間でも楽しめますし、場所も選ばないのが嬉しいところです。
そこで今回は、七月、今月と、私が読んだ本を御紹介させて頂きたいと思います。これらから、私の頭の中を御想像下さいませ。
梅原猛「天皇家の“ふるさと”日向をゆく」新潮文庫
スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』の作者でもある、思想家、梅原猛さんが、古事記、日本書紀に描かれた「天孫降臨」の地、日向を旅しながら、古代ヤマト政権の発生、発展のありさまを大胆に推理する、スリリングな論考です。まだまだ謎の多い古代史に、とても興味がわいてきます。
長野まゆみ「僕はこうして大人になる」新潮文庫
こちらは小説。心に秘密を抱えた中学生<僕>が、一人の転校生に翻弄されながら、自分を見つめなおしてゆく夏の日々を描いております。長野さんは透明感のある文体がすごく魅力的です。「少年アリス」「カンパネルラ」など、河出文庫から出ている一連の作品は、全て読んでます。
京極夏彦「妖怪大談義」角川書店
こちらは対談集。今公開中の映画『姑獲鳥の夏』の原作者が、妖怪をテーマに、養老孟司、夢枕獏、水木しげるをはじめとする十四人と熱く語ります。学術的な話から、ただのオタク話まで、同じ妖怪を語っても内容は千差万別。読みごたえは十分です。
水木しげる「神秘家列伝 其ノ四」角川ソフィア文庫
私が敬愛する水木先生の文庫最新刊。神秘、怪異にたずさわった歴史上の人物、あるいはその人自身が神秘だった怪人の一生を描いた、連作短編伝記漫画です。今回は泉鏡花、柳田国男などが描かれております。
水木しげる「水木版 妖怪大戦争」角川書店
またしても水木先生です。今公開中の映画『妖怪大戦争』は、「帝都物語」の荒俣宏さんが原作ですが、それを水木流の味付けで漫画化したのが本書です。それにしても、水木さんは今八十三歳! 日本最長老の漫画家として、その筆致は衰えを知りません! そういえば今の二作品は漫画でしたね。漫画は読書のうちには入らないか…。
保坂正康「昭和史七つの謎」講談社文庫
昭和史に取り組むルポライターが、戦中、戦後の日本を取り巻く七つの疑問点を、膨大な資料と関係者からのインタビューから推理します。真珠湾攻撃、スパイ・ゾルゲ、東京裁判などを通して、当時の国と国との壮絶な駆け引き、あるいは当時の日本の歪んだ思想があぶりだされております。いままで戦争中のことに関しては全くの無知だった私は、驚愕することしきりでした。現在同書のパート2を読んでいます。
浅暮三文「実験小説 ぬ」光文社文庫
これは題名にもある通り、全編実験精神に富んだ短編集です。文中に記号、図を駆使した作品達には、笑わされたり、呆れたり。ともかくも面白い作品集でした。ちょいと筒井康隆ばりです。
中島らも「心が雨漏りする日には」青春文庫
昨年突然に亡くなった作者のエッセイ集です。らもさんは沢山のエッセイを上梓されてますが、これは自身の「躁鬱病」体験を中心にまとめたもの。同じエッセイでも、薬物体験を描いた「アマニタ・パンセリナ」は、爆笑必死の文章なんですが、こちらはとても優しい、淡々とした文章で、読むと落ち着く、というか、ふっと肩の力が抜けるような気持ちがします。思えば「ガダラの豚」で衝撃を受けてから、ほとんどの作品を読んできましたが、未だに「らもさんが死んだ」という実感がわきません。生き方そのものが、作品のような方でしたね。
…「好きな作家は?」と聞かれるて挙げるのは、筒井康隆、長野まゆみ、村上龍、中島らも、森博嗣。漫画家でしたら水木しげる、萩尾望都、山岸涼子。
これからも、色々な方の様々なジャンルの作品に出会えればと思っております。
私は自分で申すのもなんですが、多趣味です。興味をもったことには首を突っ込まずにはいられない性分なので、だんだんと増えてしまうのです。演劇鑑賞、絵を描くこと、写真、ハーブティー、料理などなどですが、中で一番日常的に行っているのが読書です。劇場への通勤時間、お風呂の中、眠りにつく直前まで、ちょっとの時間でも楽しめますし、場所も選ばないのが嬉しいところです。
そこで今回は、七月、今月と、私が読んだ本を御紹介させて頂きたいと思います。これらから、私の頭の中を御想像下さいませ。
梅原猛「天皇家の“ふるさと”日向をゆく」新潮文庫
スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』の作者でもある、思想家、梅原猛さんが、古事記、日本書紀に描かれた「天孫降臨」の地、日向を旅しながら、古代ヤマト政権の発生、発展のありさまを大胆に推理する、スリリングな論考です。まだまだ謎の多い古代史に、とても興味がわいてきます。
長野まゆみ「僕はこうして大人になる」新潮文庫
こちらは小説。心に秘密を抱えた中学生<僕>が、一人の転校生に翻弄されながら、自分を見つめなおしてゆく夏の日々を描いております。長野さんは透明感のある文体がすごく魅力的です。「少年アリス」「カンパネルラ」など、河出文庫から出ている一連の作品は、全て読んでます。
京極夏彦「妖怪大談義」角川書店
こちらは対談集。今公開中の映画『姑獲鳥の夏』の原作者が、妖怪をテーマに、養老孟司、夢枕獏、水木しげるをはじめとする十四人と熱く語ります。学術的な話から、ただのオタク話まで、同じ妖怪を語っても内容は千差万別。読みごたえは十分です。
水木しげる「神秘家列伝 其ノ四」角川ソフィア文庫
私が敬愛する水木先生の文庫最新刊。神秘、怪異にたずさわった歴史上の人物、あるいはその人自身が神秘だった怪人の一生を描いた、連作短編伝記漫画です。今回は泉鏡花、柳田国男などが描かれております。
水木しげる「水木版 妖怪大戦争」角川書店
またしても水木先生です。今公開中の映画『妖怪大戦争』は、「帝都物語」の荒俣宏さんが原作ですが、それを水木流の味付けで漫画化したのが本書です。それにしても、水木さんは今八十三歳! 日本最長老の漫画家として、その筆致は衰えを知りません! そういえば今の二作品は漫画でしたね。漫画は読書のうちには入らないか…。
保坂正康「昭和史七つの謎」講談社文庫
昭和史に取り組むルポライターが、戦中、戦後の日本を取り巻く七つの疑問点を、膨大な資料と関係者からのインタビューから推理します。真珠湾攻撃、スパイ・ゾルゲ、東京裁判などを通して、当時の国と国との壮絶な駆け引き、あるいは当時の日本の歪んだ思想があぶりだされております。いままで戦争中のことに関しては全くの無知だった私は、驚愕することしきりでした。現在同書のパート2を読んでいます。
浅暮三文「実験小説 ぬ」光文社文庫
これは題名にもある通り、全編実験精神に富んだ短編集です。文中に記号、図を駆使した作品達には、笑わされたり、呆れたり。ともかくも面白い作品集でした。ちょいと筒井康隆ばりです。
中島らも「心が雨漏りする日には」青春文庫
昨年突然に亡くなった作者のエッセイ集です。らもさんは沢山のエッセイを上梓されてますが、これは自身の「躁鬱病」体験を中心にまとめたもの。同じエッセイでも、薬物体験を描いた「アマニタ・パンセリナ」は、爆笑必死の文章なんですが、こちらはとても優しい、淡々とした文章で、読むと落ち着く、というか、ふっと肩の力が抜けるような気持ちがします。思えば「ガダラの豚」で衝撃を受けてから、ほとんどの作品を読んできましたが、未だに「らもさんが死んだ」という実感がわきません。生き方そのものが、作品のような方でしたね。
…「好きな作家は?」と聞かれるて挙げるのは、筒井康隆、長野まゆみ、村上龍、中島らも、森博嗣。漫画家でしたら水木しげる、萩尾望都、山岸涼子。
これからも、色々な方の様々なジャンルの作品に出会えればと思っております。