梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

連日のことですが

2005年08月09日 | 芝居
今日は午後一時から『奥庭狐火の場』のお稽古でした。私はB班で八重垣姫の後見をいたします。もちろんはじめて勤める後見ですので、万事、『奥庭』の指導者である中村歌江さんに教わって勉強させて頂きます。歌江さんは、師匠梅玉の父である、六世中村歌右衛門大旦那のお弟子さんでいらっしゃいます。大旦那が『奥庭』を上演なさったときは、いつも歌江さんが後見だったそうで、今日のお稽古でも、衣裳の引き抜きのきっかけから、<差し金>で操る兜の動き方、ビデオや客席で見ているだけではわからない細かいところまで、丁寧に教えて頂きました。昔のことをよく御存知の方のお話を伺うことは本当に勉強になりますね。今回のような機会でもないと、私が『奥庭』の後見をすることも、ましてや女形の衣裳の引き抜きをすることもなかったでしょうから、こういう意味でも、勉強会の意義は大きいと存じます。

それから午後四時からは『十種香』の<自主稽古>。講師の先生をたてずに、自分達だけでいろいろ教えあい、疑問点を解決しながら演じてまいりました。普段のお稽古では気がつかないところも、同じ出演者同士で指摘しあえば、お互いの演技もイキがあってまいりますし、かつて研修発表会でこの『十種香』を学んだ先輩もいらっしゃりますので、そうした方の、自分の経験からお教え下さるお言葉は、「なるほど」と思うことばかりでした。

ここでちょっと御連絡を。
お陰さまで『稚魚の会・歌舞伎会/合同公演』のチケットの売れ行きは、とても順調でございます。大劇場公演になり席数も増えましたのに、有り難いことです。
しかしながら、日によってはまだチケットが残っている回がございます。「二十日夜の部・B班」「ニ十一日夜の部・A班」は、まだまだお席に余裕がございます。どうか皆様、周りの方にお誘い頂き、一人でも多くの方に御来場賜りますようお願い申し上げます!

最近勉強会のことばかりで、御退屈のむきもあるかと存じます。そろそろ息抜きに、日常のことも、書いてみようと思っております。