梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

千穐楽報告・そして『おことわり』

2005年05月27日 | 芝居
本日、「五月大歌舞伎」無事千穐楽を迎えることができました。連日大入り満員、有り難いことでございましたし、私自身も体調を崩すことなく、楽しく舞台を勤めることができました。
今日の『芝居前』では、劇中口上でも、また男伊達、女伊達の方々のセリフにも、千穐楽を祝ったり、中村屋(勘三郎)さんへのねぎらいの言葉が加わったりと、お目出度い雰囲気でいっぱいでした。
『研辰』では、大和屋(玉三郎)さんが第三場「宿屋の場」に特別出演なさって、中村屋さんに芝居で絡むという大御馳走。客席も沸きに沸きました。初日以来、カーテンコールが行われておりましたが、大和屋さんはそれにもお出になり、私達名題下俳優も今日は総出演でした。
初日が遅かったせいか、ひと月が長いように思われましたが、こう終わってみますと、なんとなく淋しい気もいたします。


さて、ここで皆様におことわり申し上げたいことがございます。
「幹部俳優さんの呼称法」に関してなのですが、これまで、当ホームページでは、特定の幹部俳優さんについて書くとき、「芸名+さん」という表記法を使ってまいりました。
しかしながら、では実際に私が、普段の会話のなかで幹部俳優さんのことを、そういう「芸名+さん」という呼び方で呼んでいるかと申しますと、それは違いまして、むしろ直接的に芸名を呼ぶことは、場合によっては失礼になったり不遜ととられることもあるのです。
実際には私は、「屋号+さん」、あるいは「屋号+~の旦那(あるいは若旦那、など)」という呼び方で、お呼びするのですけれども、このホームページは、広く一般の方々にお読み頂くことを目的としており、その場合、「屋号」による呼称法は、読者の皆様にとってはわかりにくいのではないかと考え、例の「芸名+さん」の表記を使用しておりました。
この度、このような「文章表現上の呼称法」と、「実際の私が使う呼称法」の区別を、はっきりさせるべきでは、との御指摘を頂きました。そこで、この場をお借りしまして、改めて文章により、皆様に御理解頂きたく存じます。
これからは、原則として幹部俳優さんの呼称法は、
『屋号を書き、カッコ書きで芸名を表記し、「さん」をつける』
と統一いたします(すでに上記「千穐楽報告」でその表記法を使っております)。
そしてこれは、今までの「芸名+さん」も含めて、あくまで
『文章表現上の呼称法』
であり、
『私が実際に使う呼称法』
とは違うものである、ということを、御了承頂きたく存じます。
長文にて御無礼かと存じますが、このホームページをご覧頂く全ての皆様に、失礼、誤解を招かぬため、何卒よろしくお願い申し上げます。