昨日、風もなく気温もプラスだったので久しぶりにウォーキングに出た。
そして当然のように久しぶりにアノ感覚。
先へ進むのを諦めてUターンした。
これは無理しない方が良い。きっと頑張り切れないと自己判断。
スマホを取り出してルンバへ「緊急警報。場所は、よつ葉前」と連絡。
市の避難訓練は年で1回しか行われないが、私の緊急警報は過去に何度も発令しているので、この短い言葉だけで全てが通じる。
つまり訓練が行き届いていると云うことだ。
3分程で駆け付けた愛車の運転席には血走った目のルンバ。
私を拾い上げ無言で自宅へ急いだ。
既に駆け込める体制は整っていて玄関は開き、トイレのドアも解放され便器の蓋も上げてある。
「よしっ100点」と心の中で叫び、座ると同時に詰まっていたものを大量発射。
ホッと息をすると同時に汗がダラダラと流れ落ちた。
目覚めると同時にオチッコを我慢しながらカーテンを開けるのは毎朝恒例の行事だ。
階段を降りて行くと居間から出て来たルンバと目が合った。
同時に動きを止める二人。
当然二人の目的場所は、家に一つしかない同じ場所だ。
無言の対峙。見つめあう目と目。
だが若い頃と違いそこには愛の欠片も無く火花が散るだけ。
どちらが譲るかの判断をお互いの目から読み取る。
どちらが緊急性を要しているか、耐えられる限界まで来ているかどうかを察しなければならない。
その時思い出した昨日のこと。
よつ葉の前まで迎えに来てくれた恩がある。
私は目を柔らかくして負け犬のように視線を逸らせた。
それを感じ取ったルンバは一瞬でトイレの中に消えた。