亀田ネタは今朝のエントリーで終わりにしようと思ったが。
今朝のテレビワイドショーは何所に変えても「亀田ネタ」。
ボクシング関係者で亀田の勝利と援護したのは渡嘉敷、輪島の元世界王者。
輪島:「最初にノックアウトを喫していながら最終ラウンドまで倒れずに頑張った亀田に一票入れたい」。
語るに落ちたな輪島さん。
「最終ラウンドまでふらふらしながら持ちこたえた亀田に良く頑張った」というのは分る。
が、そこまで追い詰めたのはランダエタ。 追い詰めたほうが勝ちでしょう。
今日のワイドショーで「疑惑の判定」について質問されると、「言いたいもんは何でも言っといたらええよ。現実にはオレが勝って、ベルトはここにあるんやから」と相変わらずの大口を叩いている姿を見てあるインタビューシーンを思い出した。
世界戦までの亀田の一連の試合での勝っぷりは一方的だった。
試合後、ロウブロー(金玉パンチ)疑惑を聞かれて「ジャッジが何も言わないからあれで良いんじゃないの」。
ボクシングの試合で勢い余ってパンチがベルトしたの金玉に当たることがタマにある。
が、これはあくまでも誤ってであり、レフリーは当然注意をするし、場合によっては減点になる。
世界戦の「疑惑の判定」のあと念のため「疑惑のローブロー」の動画を見直して見てぶっタマげた。
これは明らかに相手が手強いと見て意図して「ローブロー」を行っている。
減点どころか見てみぬ振りでレフリーが注意さえしないのをいいことに、繰り返し繰り返し金玉パンチを続けているのが分る。
相手のセコンドの必死の抗議も完全に無視されている。
★亀田興毅の金玉パンチhttp://youtube.com/watch?v=RqdnWrd3Q20&mode=related&search=
そう、その頃からレフリー、ジャッジも丸抱えだったのだ。
毎日新聞 ボクシング 亀田興毅が六回KO勝ち、10戦10勝
世界ボクシング協会(WBA)フライ級4位、世界ボクシング評議会(WBC)同級8位の亀田興毅(19)=協栄=が8日、東京・両国国技館でWBC同級13位、カルロス・ボウチャン(25)=メキシコ=と同級10回戦を行い、六回2分20秒KO勝ちを収めた。亀田は03年12月のプロデビュー以来、10戦10勝(9KO)となった。
亀田は序盤からボディー連打で主導権を握った。六回は
ローブロー気味の左ボディーアッパーで好機をつかむと、連打をまとめ同じ左ボディーアッパーで倒した。
◇戦評
亀田がボディー攻撃でKO勝ちした。一回は手数が少なかったが、終盤に右ボディーフックから左ストレートにつなげ、打ち合いでも左ストレートをヒット。二回はボディー連打を見せるが、相手の左ジャブにてこずった。三回は右フック2発でボウチャンをぐらつかせ、ボディー連打でロープに詰めた。四、五回もボディー連打で詰めるが、連打に強弱がなく、逆に相手の左ジャブからの連打をまとめられる場面も。
六回はボディーの打ち合いとなったが、亀田の
ローブロー気味の左ボディーアッパーでボウチャンが失速。亀田が連打をまとめ、さらにこれも
ローブロー気味の左ボディーアッパーでボウチャンはダウンし、テンカウントとなった。
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毎日新聞 - ボクシング 亀田興毅が六回KO勝ち、10戦10勝
ボウチャン陣営KO認めんぞ/ボクシング
<プロボクシング:フライ級ノンタイトル10回戦>◇8日◇東京・両国国技館◇観衆8000人
WBA世界フライ級4位の亀田興毅(19=協栄)と対戦したWBC世界同級13位カルロス・ボウチャン(25=メキシコ)陣営はKO負けを認めなかった。最後の決定打をローブローと主張。トレーナーで父のバルガス氏は「今回は正当な負けではない。この試合は認められない」と息巻いた。ボウチャンも「亀田は強い選手だが、今回の試合に関しては正しい判定ではなかった。日本ではだれも助けてくれない。また亀田と対戦するとしても、今度はメキシコだ」と訴えた。
[2006/3/9/10:03 紙面から]
スポーツ記事はスポーツ専門紙が正確な報道をするとは限らない。
取材相手が人気選手ともなると、取材拒否を恐れて心にも無いおべっか記事も書く。
選手の専属担当ともなると顔なじみになり書きたいことも書けなくなる。
その点一般紙のほうがスポーツ紙が出来ないタブーを乗り越えやすい場合がある。
スポーツ紙が揃って「亀田最強」を報じているとき、毎日新聞が敢えてタブーに挑戦した。
元世界王者具志堅用高さんの「亀田批判記事」の掲載である。
その時の事情を毎日新聞の担当記者が「コラム」で次のように書いている。
「飛ぶ鳥を落とす勢いの亀田陣営に対し、これまで業界内には表立った批判をはばかる空気があった。」
「私は先の記事で、批判派の人選を進める際、元世界王者やライターら数人に打診したが、『かかわり合いになりたくない』などと次々に拒否された。ただ一人、快諾してくれた具志堅さんは勇気がある人だと思う。」
◆記者の目:亀田3兄弟への具志堅さんの苦言=来住哲司(運動部)
◇偉大な先輩からの応援歌--絶縁宣言は過剰反応だ
世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級2位、亀田興毅選手(19)ら「亀田3兄弟」ブームをめぐり、私が担当したインタビュー記事で騒動が起きた。先月26日の朝刊「闘論・亀田3兄弟ブーム」で、元世界王者で東日本ボクシング協会副会長の具志堅用高さんが、彼らや所属先の協栄ジムを痛烈に批判したことに亀田陣営が激怒。金平桂一郎・協栄ジム会長は27日会見し、「(具志堅さんから)謝罪や納得できる説明がない限り、ジム同士の交流を停止する」と“絶縁”を宣言したのだ。
具志堅さんはインタビューで、亀田選手の能力に一定の評価をしつつも「技術面はまだまだ」と指摘し、外国人とばかり対戦するマッチメークや傍若無人な言動に苦言を呈した。金平会長の絶縁宣言には「ボクシング界のことを考えて発言した」と反論している。
騒動は週刊誌やテレビなどで取り上げられた。発端の記事をまとめた記者として、自分の考えを表明しておきたい。具志堅さんの主張には共感する部分と、見解が異なる部分がある。私は亀田選手の実力を高く評価しているし、亀田陣営の「メディア露出路線」を支持している。
私は彼のスピードとカウンターのうまさは一級品だと思う。パンチ力やスタミナもある。何より素晴らしいのは、課題を克服していく向上心だ。アマチュア時代は左パンチに頼っていたが、プロ転向時は右フックが格段に上達していた。その後もショート連打を覚え、右ジャブをうまく使うようになり、試合ごとに成長を見せている。元世界王者の浜田剛史さんが「技術を一つ一つ身に着けていくタイプ。辰吉丈一郎みたいな“十年に一人”という逸材ではない」と評する通り天才ではない。防御などに課題もあるが、人一倍練習すれば強くなるという見本のような選手だ。
陣営はボクシングファンだけでなく、一般の人たちにもアピールすることを重視してきた。3兄弟はユニークな言動を売り物にメディアに数多く登場。試合会場に女性限定シートなども設けた。金平会長は「亀田をきっかけに一人でも多くボクシングファンが生まれれば」と期待を寄せるが、この姿勢は正しいと思う。
亀田ブームが起こる前、ボクシング人気低迷の中で関係者たちは「いい試合をすれば、好カードを組めば客は戻る」「スターが一人出れば盛り上がる」と言っていた。だが、私は「それは幻想。ボクシングファン以外に働きかけない限り、人気回復はない」と思っていたし、専門誌で提言したこともある。
人気高揚とはファン層の拡大だ。ところが、日本ボクシングコミッション、日本プロボクシング協会及び大半のジムには、実質的な広報担当者がいないのだ。その中で協栄ジムは、記者に頻繁に行事予定をメールで連絡するなど広報活動を欠かさない。亀田ブームは、亀田一家とジムの地道な努力の成果だ。
スターが一人出ただけでは全体の人気につながらないことは、5月に行われた亀田戦のテレビの平均視聴率が33%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)、ゴールデンタイムで放映された2月と3月の世界戦が10%未満(同)という数字が如実に示している。世界王者のイーグル京和(角海老宝石)、徳山昌守(金沢)両選手の陣営などがマスコミを通じて亀田選手に対戦を要望しているが、亀田人気にあやかろうという姿勢は情けない。他のジムに求められるのは、自らファン層を開拓する企業努力だ。
飛ぶ鳥を落とす勢いの亀田陣営に対し、これまで業界内には表立った批判をはばかる空気があった。私は先の記事で、批判派の人選を進める際、元世界王者やライターら数人に打診したが、「かかわり合いになりたくない」などと次々に拒否された。ただ一人、快諾してくれた具志堅さんは勇気がある人だと思う。
批判や論争があってこそ健全な発展があるはずだ。陣営の“絶縁宣言”は過剰反応ではないか。亀田選手のマッチメークには私も不満だ。相手が全員弱かったとは思わないが、「国内最強」をはっきり示してから世界に挑むのが筋だった。何より修羅場を踏んでいないことは、来月2日の世界戦に向けて不安材料だ。
「ボクシングは選手が命がけで戦う素晴らしいスポーツ。だからこそボクサーはリングの外では紳士であるべきだ」。最も共感した具志堅さんの言葉だ。大言壮語も結構だが、計量などでの相手への挑発行為は、亀田選手にとってイメージダウンではないか。今までは注目を集めるため、あえて悪役を演じた面もあったと思うが、今後は正統派ヒーローを目指してほしい。元名王者の辛口批評は、次代のスーパースター候補への応援歌だ。(毎日新聞 7月25日)
「疑惑の審判」以来、色んな元ボクシング王者がせきを切ったように発言し始めたのに 対して、具志堅さんの意見が聞かれない。
今一番ファンが聞きたいのは具志堅さんのコメントのはずだ。