狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

上原氏が一喝!昨日の冒頭陳述で

2012-03-14 07:29:49 | ★パンドラの箱訴訟

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 昨日13日「パンドラの箱掲載拒否訴訟」の第6回口頭弁論が那覇地裁で行われた。



徳永弁護士と原告の上原氏の2人で出廷し、通常なら代理人の意見書、提出証拠、当事者の陳述書などは書類の交換のみで終了するとの事だが、今回も原告の上原氏が提出済みの陳述書を敢て法廷で読み上げた。

昨年2月の第1回口頭弁論でも上原氏陳述書の提出だけでは飽き足らず被告弁護団に向かって陳述書を読み上げたのだが、この陳述がいかにも異色のドキュメンタリー作家上原氏の面目躍如で、型破りの陳述であった。

裁判とは法廷を舞台に原告と被告が丁々発止と渡り合うもの。 原告が被告を語気鋭く糾弾するのはテレビドラマの法廷場面などおなじみだが、上原氏の場合は攻撃する相手の琉球新報が欠席して目の前にいないせいなのか、池宮城主任弁護士に怒りの矛先を向けた。

上原氏が特に池宮城主任弁護士に批判の矛先を向けるのは池宮城弁護士としては、ある意味、お門違いと言いたくもなるだろうが、これに訳があった。 上原氏は池宮城弁護士の父君の故池宮城秀意氏を生前、個人的に知っておりジャーナリストとして尊敬していたという。

琉球新報社の社長も務めた故池宮城秀意氏の人となりを個人的に知る上原氏なればこその氏独特の代理人批判であった。

次に上原氏が法廷で読み上げた陳述書の全文を引用する。

 「今の新聞人はしっかりしろ」戦時下の新聞記者は語る

2012年3月12日

上原正稔

 2008年の夏のことだが、ぼくは友人であった高嶺朝一新社長に例の四人組の理不尽なリンチ事件については一切触れず、「ニューヨーク・タイムズのような立派な新聞を作ってくれよ」と激励した。戦時中、ニューヨーク・タイムズはアメリカの新聞全てが日本人を「ジャップ」と呼ぶ中で唯一「ジャパニーズ」と呼んだ公正高潔な新聞だった。しかし、高嶺はこれまで指摘したように「パンドラの箱を開ける時」の最終回をボツにするという悲しい暴挙に出たのである。このような行動がいかに愚かであるかをぼくは第9話「生き残った新聞人は証言する」で具体的に示したつもりだった。

 ぼくは第6海兵師団アクション・リポートと第301CIC報告書の中の捕虜となった沖縄の新聞人の尋問調書を取り上げ、かなり詳しく戦時中の新聞社の悲しき実態を伝えた。又吉康和、高嶺朝光、豊平良顕、池宮城秀意ら戦前戦後を通じて沖縄の新聞報道で著名な人々は深く反省し、新しい新聞を作るために「報道の自由」がいかに大切であるかを訴える姿を伝えた。その中で、ぼくは次のように書いた。「今、戦没新聞人の碑に十四人の名が刻まれている。彼らの死を無駄にしないために生き残った『新聞人』は新聞を復活させた。新聞人として最も大切なものを掲げて。それは『報道の自由』だ。」その最後に「アメリカ軍G2戦時記録」で発表した「捕虜の嘆願書」を引用した。

同時に第9話は今、裁判の中で新報が主張する「新しい資料だけ」でなく必要とする様々の資料を使っていることを示している。今、新聞社自身が赤松嘉次さんと梅澤裕さんの汚名を晴らそうとする上原正稔という作家を弾圧している姿を深く憂慮するものである。

 戦後、沖縄の新聞の顔であり、声であった豊平良顕、池宮城秀意のお二人がご存命ならば「今の新聞は大政翼賛の下のぼくらの新聞よりヒドい。赤松さんと梅澤さんに直ちに謝罪して、やり直せ」と一喝することは目に見えている。

                ☆

応援団は、第6回口頭弁論終了後、護国神社の会議室に移動し上原氏と徳永弁護士にようる裁判の経過の説明があり活発な質疑応答があった。

 昨日のエントリーで原告と被告がそれぞれ主張する争点を述べた。

原告の上原氏が「パンドラの箱を開ける時」の第二章「慶良間で何が起きた」を掲載拒否したのは琉球新報の言論封殺であると主張するのに対し、被告の琉球新報は当初の「社の方針に反している」を変更し、「以前と同じ引用があるから」と主張している。 つまり掲載拒否の理由はあくまでも編集権の正当な行使であると、問題の矮小化に必死である。

そし昨日の口頭弁論でわかったことは、被告側は上原氏と執筆依頼の合意が成立したとき、「毎回新しい資料に基づいて原稿を書く」と合意しており、以前に使用した資料を再度引用するのは契約違反と言い出していることである。

勿論上原氏はそんな契約など取り交わしていない。

そもそもノンフィクションで沖縄戦を掘り下げている上原氏の著述の手法は米公文書館より入手の資料や、実際に足で取材した証言などを繰り返し引用し、その積み重ねの中から歴史の真実を解き明かそうとするものであり、創作作家のように自分の想像力で書き上げるものとは似て非なることは言うまでもない。 従って新しい検証の光を当てるため過去に引用した資料を再度引用し再検証することが、上原氏の著述スタイルであるため、琉球新報が主張するように過去に引用した資料を引用せずに沖縄戦を記述すりことに合意するはずはないのである。

琉球新報のでたらめな主張は、例えて言えば過去の判例は一切引用せずに法廷で論戦をせよ、と弁護士に強要するようなものである。

弁護士が自分の論拠を立証するたびに自分で新しい判例を作って引用などしたら弁護士として失格なのは論を待たないのと同じことである。

上原氏は琉球新報の連載に当たって過去の資料を引用すると同時に当然のことながら新発掘の資料も駆使して論述している。資料の使用に関して、上原氏は次のように述べている。

「ここで強調したいのは新資料だけでなく忘れられた資料や既に刊行された文献を使わなければ物事の真相や人間の真実にはたどり着けない、ということだ・・・全13話から成る「パンドラの箱を開ける時」のほかの物語でも新資料を基にした大なり小なり過去に発表したものからも引用して「人間の真実」に迫るというぼくの著述スタイルを貫いているが、第12話までは新報の編集委員からは一切文句は出ていない。これは何を物語るのか。すなわち「慶良間の集団自決」の真相に触れない限り、OKだということであり、新報が「慶良間の集団自決」の真相を覆い隠そうとしていることが証明されるのだ。事実、第13話「そして人生は続く」の最終稿(181回目)で、赤松さんと梅澤さんは集団自決を命じておらず、それは援護法の適用外の住民が援護金を貰うために嘘の報告を出し、そのために赤松さんと梅澤さんをスケープゴートにしたのだ、という旨の原稿を出したら、新報はその最終稿をボツにするという前代未聞の暴挙に出たことで裏付けられる。」

       ☆

地元の有力紙がその新聞に長期連載をしていたドキュメンタリー作家により「言論封殺」で訴えられたという前代未聞の裁判沙汰を沖縄メディアは歩調を合わせるように完全黙殺を続けていると書いた。

昨年の2月に第1回口頭弁論が行われすでに1年以上も経過したにもかかわらず、「パンドラの箱掲載拒否訴訟」について報じる沖縄紙は皆無である。

で、今朝の沖縄タイムスを一瞥したが一面トップには「米軍機、石垣空港使用」の大見出しが躍っているが、「言論封殺訴訟」については1行の記述もないのは予想通りである。

 

【おまけ】

県立西高校でPTA会費の中から「裏給与」が支払われていた件について平野文科相は「教育委員会に届けていれば違法でない」などとトンデモ答弁を国会でしたが、13日の記者会見で、県教育委員会はその届け自体も受けておらず、「今後指導していく」などと相変わらずの法令無視の態度を決め込んでいる。 その点を記者に突っ込まれ、県に対し「届けが出ていたかどうか」の調査を依頼しているとの事。

県教委が急遽、「今後の指導」を行っても、過去25年間の「悪行」は」消え去るものではない。 法的に言えば時効の範囲内であればPTA会員なら県に対し「PTA会費返還」の審査請求を起こすことが出来るとのこと(知人の弁護士談)。

PTA連合会は重大問題の発覚により近々臨時総会を開いて、法的にどのように対処するかの勉強会をすると聞く。

要するに沖縄2が見てみぬ振りしている間に弁解の口実を考える算段をするのだろう。(怒)

本件も沖教組、県教委と極悪複合体の構成員が絡む「不祥事」故、沖縄2紙は出来るだけ黙殺を通すだろうが、全国一学力の低い沖縄で教育の当事者であり、八重山教科書問題では「現場の専門家」を自負していた教員の犯した「悪行」だけに、このまま県民をツンボ桟敷に置いたままにすることは県民が許さないであろう。

平野博文文部科学大臣記者会見録(平成24年3月13日)

全県のPTA会員を巻き込んだ重大問題であるにもかかわらず、県内メディアがこれを黙殺する報道姿勢は、係争中の「言論封殺」訴訟と重ねてみても、異論を許さぬ「全体主義の島沖縄」を象徴して余りある。

沖縄2紙がこのまま県民の「知る権利」を奪い続けるとしたら、県民の怒りのマグマが天誅として沖縄2紙に降りかかり、地元紙は崩壊の道を辿ることになるだろう。

【おまけ】2

石垣市の読者のメールよ抜粋。

・・・・・・・・ついでに、12日、参議院、自民党選出議員の世耕弘成議員の質疑から唖然としたこと、
①3/11の東日本大震災の慰霊祭の式典で、大震災でいち早く駆けつけ、多額の義援金を受けた
台湾国に対し、実に非礼な対応であったこと。
②3/11の東日本大震災の慰霊祭の式典に、天皇、皇后両陛下のご臨席に際し、
入場、退場の際も、会場の出席者に着席のままと案内アナウンスがあり、出席者は
着席を余儀なくされ、国民統合の象徴たる天皇に対する非礼ぶり、国家元首に対する
国際慣行にも反する非礼な政府式典担当者の対応であったこと。
③そして、なんと、あろうことか、兼業許可を受けたかは知らぬが、弁護士兼業の小川法務大臣、
競馬の馬主で、出走馬の調教が気になって、会議前とはいえ、議院内からで携帯端末から
確認していたとのこと。

「アホ劇場」化した民主党の国会答弁、即刻解散せよ!! 総選挙だ。(怒)

 

上原正稔を支援する三善会にご協力をお願いします。

 これまで皆様のカンパにより戦いを継続してきましたが、沖縄のマスコミから村八分状況の上原氏は現在闘争資金に不足をきたしています。

担当弁護士の先生も手弁当で支援して下さっていますが、打ち合わせ等をするにも交通費・滞在費等の出費を無視できません。

沖縄の閉塞した言論空間に戦いを挑んでいる上原さんの訴訟にカンパ協力をお願いしております。

三善会は上原正稔氏が琉球新報社を提訴した裁判「パンドラの箱掲載拒否訴訟」を支援する為、皆様の支援金のご協力のお願いを致しております。

支援金は、裁判の支援・報告会・講演会等の開催や広報活動等に活用させて頂きます。
振込手数料につきましては振込者にてご負担下さるようお願いします

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ゆうちょ銀行からの振込の場合
【金融機関】ゆうちょ銀行
【口座番号】記号:17010 口座番号:10347971
【名  義】サンゼンカイ.
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ゆうちょ銀行以外の金融機関からの振込の場合
【金融機関】ゆうちょ銀行
【店  名】七〇八(読み:ナナゼロハチ)
【店  番】708
【口座番号】普通:1034797
【名  義】サンゼンカイ.

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■■講演会のご案内■■

あのベストセラー『国家の品格』『日本人の誇り』の著者


藤原正彦氏 沖縄講演会
 
『21世紀を担う、沖縄の若者達へ』

(←クリックすると拡大
 
藤原正彦氏 沖縄講演会(第2回)

演題「二十一世紀を担う沖縄の若者たちへ」

■日時:平成24年3月17日(土)12時開場・受付  開演13時~15時
 

■場所:かりゆしアーバンリゾート・ナハ(6階ニライカナイの間)

■会費:2,000円 500席 (全席自由席)
 
藤原正彦氏沖縄講演会実行委員会
島袋朝永 090-3793-1770
 
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    ■■講演会のご案内■■

テーマ   「ウチナー口の起源」 Ⅱ

 

講師:ドキュメンタリー作家 上原正稔氏

 

会費: 1000円 (希望者のみ会費制懇親会あり)

 

とき: 平成24年3月24日 (土) 午後3時~

 

ところ: 那覇市西2-12-14

 

     学校法人 ゴレスアカデミー
     日本文化経済学院 3階ホール

 

連絡先:098-865-3230

 

 

 

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