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辿り着く先が間違いだと皆知っている。
だが、誰もそれを止められない。
動き出した大きな流れに身を任せ考えることなく突き進むだけ。
まるで断崖に向かって疾走するヌーの群れのように。
小さな悪意と人間なら誰しもが持つ自己保身、そしてささやかな名誉欲やプライドが、この「政治運動」を先へ先へと進めて行く原動力になる。
そこでは理性的な説得など何も役に立たない。
「運動」に疑問を持つ少数の意見又議論・検証を求める地味な運動は、単純でわかりやすい結論を求める人々の声や、利口ぶった学者やマスコミの前に押しつぶされてしまう。
*
沖縄タイムス 2007年9月27日(木) 朝刊 2面
殉国死でなく犠牲者だ/中山元文科相に聞く
政治家では撤回不可能
沖縄戦「集団自決(強制集団死)」への日本軍の強制を削除した高校歴史教科書の検定問題は、与党の自民党内にも文部科学省の対応を疑問視する声が上がる。自民党の「教育再生に関する特命委員会」の委員長を務め、同委で沖縄の教科書問題を取り上げた中山成彬元文部科学相に聞いた。(聞き手=東京支社・吉田央)
―委員会で沖縄の教科書検定問題を取り上げた理由は。
「沖縄戦や南京大虐殺、従軍慰安婦問題を話し合うために私が二回、主宰して開いた。特に沖縄については私は何度も足を運んでいる場所で、このまま放っておけない思いがあった。沖縄戦をよく知っている仲村正治、嘉数知賢の両衆院議員らに声を掛け、文科省に検定の経緯を説明させた」
―「集団自決」に関する検定後の記述をどう受け止めるか。
「日本の検定制度は中国や韓国など外に弱く、沖縄など内に強い。私は委員会で文科省の担当官に『沖縄県民という国内の人への思いやりがないじゃないか』と相当、怒った。なぜ今どき記述を直すのかと聞くと、向こうは『(大阪で)裁判中だから』という説明だった。裁判が終結していないときに、なぜ書き直すのか。沖縄の心情が分からないのかという憤りがあった」
「自民党でも若い人が増えているし、そういう人たちに教えるためにも開きたかった。会合には四十人ほどの国会議員が参加していたが、沖縄の議員の戦争体験を聞いて涙ぐんでいた人もいた。参加者全員が同じ気持ちだったはずだ」
―あなたと同様に南京や慰安婦の教科書記述を追及している自由主義史観研究会は、「集団自決」を自発的な美しい殉国死と位置付けている。
「確かに私は彼らと付き合いがあるし、南京や慰安婦問題で戦後、米国に一方的に刷り込まれた自虐史観を排除するべきだと思っている。人口二十万人の南京で、三十万人の虐殺なんてあるわけがない。しかし、それ(集団自決)は全く違う。何が美しいか。(自決した県民は)犠牲者だ。そこは間違っちゃいかん」
―県民が求める検定の撤回は可能か。
「検定に文句は言うが、われわれ(政治家)では直せない。日本の検定制度はそういうものだ。執筆者と検定官が、小さな島で追い詰められて逃げ回った沖縄県民の気持ちをよく理解し、執筆に当たり、検定に当たることが必要だ」
―検定制度を見直す必要性は。
「検定がないと誰でも教科書を作れてしまう。ある程度、調査する人(教科書調査官)がいないとえらいことになる。日本は国定教科書ではない」
―福田内閣の発足で政府の対応は変わるか。
「変わらないのではないか。今の政権は参院選の結果を受け、歴史や国家より、政治とカネ、年金、格差是正など内向きの政治を志している」
◇
沖縄タイムスは新任の渡海文科省に二日も続けて「集団自決」にからむ教科書検定問題で質問し、何か言質を取ろうとしたが、必ずしも意図する言質をとることが出来なかった。
前任の伊吹大臣からは「教科書検定撤回」を拒否されているので、二年前の元文科大臣を引っ張り出して言質取りを計ったが、「県民感情」は理解しながらも検定意見書撤回に関しては明確に拒否された。
■沖縄タイムスVS中山元文科相⇒バトル1■
沖縄の左翼学者やメディアの論調とは立場を異にする中山元大臣が沖縄タイムスのインタビューに応じたのには訳があった。
今年の6月、沖縄タイムスは中山元文科相から言質を取っていたのだ。
その経緯は國民新聞の次の引用記事に詳しい。
≪ 沖縄タイムスが誤報か
中山元文科相の「軍命」容認発言
沖 縄 戦「集団自決」
自民党の教育再生に関する特命委員会(委員長・中山成彬元文科相)が六月十二日、党本部で開かれ、文科省が昨年度教科用図書の検定結果を説明した。沖縄県選出の仲村正治、嘉数知賢両議員は沖縄戦「集団自決」への日本軍関与を高校歴史教科書から削除したことを批判した。
沖縄タイムス六月十三日付によると、中山委員長は記者会見で
「沖縄の二人からの身につまされる話があった。教科書は(中国など)外に弱くて内に強く、私に言わせればおかしい。沖縄戦での軍命による殺し合いを否定するなんておかしい」
と同調したと報じた。中山事務所では
「そんな話し方はしていない」
として沖縄タイムスに抗議することを検討中だが、沖縄タイムスはテープに残っているという。 ≫(國民新聞 平成19年6月25日)
■沖縄タイムスVS中山元文科相⇒バトル2■
沖縄タイムスは中山元文科相からどんな言質を引き出したか。
①「検定に文句は言うが、われわれ(政治家)では直せない。日本の検定制度はそういうものだ。・・・」
②「検定がないと誰でも教科書を作れてしまう。ある程度、調査する人(教科書調査官)がいないとえらいことになる。日本は国定教科書ではない」
③「福田内閣の発足で政府の対応は変わるか」と問われ、
「変わらないのではないか。今の政権は参院選の結果を受け、歴史や国家より、政治とカネ、年金、格差是正など内向きの政治を志している」
中山元文科大臣は、今回は沖縄タイムスに言質を取られないように「県民感情」には充分配慮しながらも、事実は事実として淡々とコメントしたようだ。
これを藪蛇という。
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