TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

究極のリサイクル

2005-04-02 10:19:21 | インポート
アメリカで人間の尊厳死がここのところ話題だったが、
犬リストでは安楽死がテーマだった。

ほとんどの飼い主は、ペットの最後を看取るらしい。病院へ連れて行く人も
いれば、獣医に自宅へ来てもらうことも。しかしなかには、見ていられない
と言って病院へ連れていき「あとはお願いします」と帰ってしまう人もいる。

当然、致死処分代と死体処理代は払うので、ちゃんとやってくれるものだと
思っていたが、そうでもないのだそうだ。獣医によっては、自腹を切って治療して
里親を探してやることがある。また別の獣医は、なんと実験用動物としてラボに
やってしまうんだそうだ。

そういえば、かつて動物病院に勤めていたArleneのとこのペットはみな、
飼い主が安楽死希望して置いていった子ばかりだ。

ラボにやらずに、自分のところで新薬の実験に使う獣医もいるとか。
ある人は、老いた猫が腎臓病でもう助からないと知り、安楽死を依頼したところ、
「ちょうどいい、新しい麻酔の実験用に使わせて欲しい」と獣医から言われた。
腎臓の悪い動物が麻酔にどう反応するか、を見たいのだそうだ。

科学者としての獣医は、「どうせ死ぬんだからいいだろう」という考えで、
いわば究極のリサイクルとして動物を見ているわけだ。なるほど、一理ある。
だが飼い主としては、かわいいペットを最後にさらに苦しませることは、
つらくてとてもできない。苦しみから救うために安楽死というつらい決断を
したのに、最後に実験台になれ、とはとても…。

ここにも科学者と一般人の間の厚い壁がある。
逆に言うと、このくらいサバサバ割り切れないと優秀な獣医になれないのだろう。


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