TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

妖怪退散

2004-06-03 09:21:25 | インポート
↓の地縛霊で思い出したのは、今昔物語にある三善清行の話。

善宰相と呼ばれ浄蔵大徳の父としても有名な彼だが、肝っ玉のすわった変人
だったらしい。化け物屋敷と噂のある五条の荒れ果てた家を買い、畳一つ持って
引っ越して一晩寝たところ、夜半に次々といろんな化け物が。

べつに怖がりもせず見物していたら、老人のお化けが出てきて「ここは私たちが
前から住んでいる家だから、引き取ってくれ」と言う。
清行は少しもひるまず「私は正当な手続きを経てこの家を手に入れたのだ。
勝手に居座っているお前たちなぞ、犬に食い殺させてやるところだ。本当の
鬼神というものは道理を知るもののことだ」と言い返した。

こう論理的に攻められては化け物もかなわない。スタコラ退散し、その後改築
されてきれいになったその家には、清行が住んでいる間は何事も起こらなかった。

理路整然、心に疚しいことのない人には化け物も手を出せないんだよ。


Kourei

2004-06-03 01:52:38 | インポート
6月に入ったというのに、毎日空はどんよりして寒い毎日。

いまだに暖炉に火が欠かせないし、外出も冬のジャケットだ。
夜は零下になるので、菜園の野菜がダメになりそう。
今年も冷夏になるらしい。

さて、夫が手に入れてくれた日本映画を観る。
「高齢」かと思ったら「降霊」だった。怖い話、というふれこみだったが、
怖いってどこが…。前半見終わらないうちにラストが予測できちゃうし、
いつ怖くなるんだろう、と思いつつ観てたら終わっちゃった。

怖い、と世間で評判になった和もの洋ものをいろいろ見たが、本当に怖いと
思ったためしがない。やっぱ映画だと割り切って観るからかな。

それにしても、地縛霊という観念、とくに家にとりつく霊という考え方は
日本人はとても好きなようだ。自殺や他殺のあった家は売りにくいと聞く。
でも、カナダ人って気にしないんだよね。掃除すりゃお終い、ってかんじで。
不動産屋もべつに隠さないし。値引きもしない。

知人が住んでいる高級住宅街でも殺人事件があった家が売り出されて即、売れた。
別の知人の住んでた瀟洒な家も、猟奇殺人および死体遺棄(それも複数)
でボコボコだったのをきれいになおしたのを買ったものだ。本人たちはその話を
ふつーにしながら、べつに気にした様子もない。幽霊が出た、という話も聞かない。
ピカピカのパティオでお茶をいただきながら「庭を掘ってみたら?まだガイコツが
出てくるかもよ」って言ったら、そうだね、ついでに宝も出てくるといいや、
なんて大笑い。

そういえば、贔屓にしているレストランの建物も前世紀は遺体安置所だった。
だけど美味しいのよ、ここのスープがさ。お化けがいても、食べに行きたい。