TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

Dominance Hierarchies of Wolves

2003-10-29 14:44:14 | インポート
野生オオカミ研究所の研究員から、貴重な話を聞く。

この研究所では、人間が可能な限り介入しない方法でオオカミの自然な生態を
観察してきたのだが、それによってこれまで「常識」とされてきた事柄が
必ずしも正しくないことがわかってきた。

オオカミは犬と同じく群れで暮らす社会性の動物で、リーダー格のオス、
彼の相棒のメスを頂点とするピラミッド状のランキング社会を形成する。
「リーダーがまず一番先にエサを食べ、下っ端は残り物をあとから食べる」
と信じられてきたが、そうじゃないんだそうだ。離乳期の子オオカミがいる時は
そのおチビさんたちに先に食べさせる。妊娠メスや授乳中のメスも優先的に
エサにありつける。ときにはリーダーが一番最後に残り物をぱくつくことも
珍しくないという。

エサが少ない飢饉状態の時はこの限りではないだろうが、そこそこ豊富なエサが
得られる場合、食べ物の分配はきわめて公平に平和的に行われる。
オオカミは一般に思われているように攻撃的な動物ではない。むしろ、無用な
争いは可能な限り避けようと様々に努力する。やたらと好戦的な個体は、群れの
お荷物となり、いずれは一匹オオカミとして追い出されることがある。
また、「オレがなんでも先!」みたいなリーダーは尊敬されず、いずれ天下を
別のやつに取られてしまうという。

これを聞いて、思わずポンと膝を打った。
旧式な犬のトレーニングを説く人々は、「人間が先にご飯を食べるべき、犬は
その間『待て』をさせておく」と必ず教えている。それがリーダーシップを
確立する第一歩だ、みたいな。私は前から、そんなの意味ないじゃん、と
思って一度も従わなかった。スケジュールの都合で人間が先になったり、犬が
先になったり、一緒に食べたりといろいろだが、これまでリーダーシップの
危機(笑)は経験してない。

逆に、メシを先に食うだけでリーダーになれるなら、こんなにちょろいことない。
ボスとして君臨するということは、そんなことじゃない。

ではここで100万ドルの質問。
オオカミの群れを観察して、誰がリーダーか、どうやって見分ければいいのか?
(メスと交尾できるオス、というポイントはのぞく。簡単すぎ)
これは過去に研究所にやってきたインターンの誰一人として正解しなかった
問題だそうだ。


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